商業統計

（トピックス）2.産業別にみた商品の品揃えの変化（小売業）

1.卸売業と小売業の販売活動の変化

－　卸売業・小売業とも自部門での販売活動の割合が拡大　－

　商店では、卸売業でありながら小売販売活動を、小売業でありながら卸売販売活動を行うなど、それぞれの分野を超えた流通活動を行っている。
　産業分類別の商品販売割合を卸売業、小売業で分けてみると、卸売業では、99.4％が卸売販売活動、0.6％が小売販売活動となっており、その割合は、6年と変わっていない。しかし、伸び率でみると、卸売販売活動は6年に比べて▲6.7％の減少、小売販売活動は同▲12.1％の減少と卸売業における小売販売活動の減少が大きい。
　一方、小売業では、小売販売活動が98.8％、卸売販売活動の割合が1.0％となっており、6年と比べると、小売業の割合が0.2ポイント拡大している。これを、伸び率でみると、小売販売活動が前回比3.3％の増加となったのに対し、卸売活動は同▲16.8％の減少となっており、卸売業は卸売販売活動を、小売業は小売販売活動を中心に一層自部門の活動割合が拡大している。

産業分類別、商品別の年間販売額


2.小売業の産業別商品品揃えの変化

－　ほとんどの産業で商品品揃えが拡大　－

　ここで、業種別小売業（各種商品小売業のうち百貨店（従業者が常時50人以上のもの）を除く）の商品構成をみるために、小売販売額を販売商品別にその割合をみると、

小売業の商品別販売割合（平成9年）

小売業の商品販売別構成比の対前回ポイント差

1. (1)　その他の各種商品小売業（従業者が常時50人未満のもの）の取扱商品は、飲食料品（32.9％）、織物・衣服・身の回り品（28.7％）、家具・じゅう器・家庭用機械器具（13.2％）、自動車・自転車（0.5％）、その他の商品（24.7％）と取扱商品が幅広く、商品割合もばらついている。この割合を６年と比較すると、織物・衣服・身の回り品及び家具・じゅう器・家庭用機械器具の割合が拡大、その他の商品の割合が縮小している。
2. (2)　織物・衣服・身の回り品小売業の取扱商品は、織物・衣服・身の回り品が92.8％と自部門内の販売商品がほとんどを占めているが、６年に比べその割合は縮小している。
3. (3)　飲食料品小売業の取扱商品は、飲食料品（89.4％）、その他の商品（7.8％）、織物・衣服・身の回り品及び家具・じゅう器・家庭用機械器具（1.4％）となっており、6年に比べて、自部門販売商品の割合が縮小している
4. (4)　自動車・自転車小売業の取扱商品は、自動車・自転車が99.5％と、そのほとんどが自部門商品の販売であり、その割合は0.1ポイント拡大している。
5. (5)　家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業の取扱商品は、家具・じゅう器・家庭用機械器具（88.3％）、その他の商品（8.5％）、織物・衣服・身の回り品（1.5％）、自動車・自転車（0.9％）、飲食料品（0.8％）となっている。その割合を６年と比べると、家具・じゅう器・家庭用機械器具、自動車・自転車の割合が縮小となったものの、その他の商品は拡大している。
6. (6)　その他の小売業の取扱商品は、家具・じゅう器・家庭用機械器具（3.4％）、飲食料品（1.8％）、自動車・自転車（1.3％）、織物・衣服・身の回り品（1.0％）となっており、これらに該当しない商品群であるその他の商品の小売が92.5％を占めている。その割合を6年と比べると、自部門販売の割合は縮小、織物・衣服・身の回り品は横ばい、他の割合は拡大している。
7. (7)　次に、百貨店について、百貨店分類を用いて商品構成をみると、飲食料品（34.0％）、婦人・子供服・洋品（20.3％）、その他の商品（14.6％）、紳士服・子供服・洋品（7.6％）、身の回り品（7.5％）、家庭用品（4.3％）、その他の衣料品（4.2％）などとなっており、これを、衣料品、飲食料品、その他（住）にまとめてみると、衣料品が39.6％、飲食料品が34.0％、その他（住）が26.4％となっている。6年と比べると、飲食料品は拡大、衣料品がわずかに縮小、その他（住）はその他の商品や家庭用電気機械器具が拡大しているものの、全体として横ばいとなった。
   百貨店の商品販売構成比

   

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