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- 平成9年商業統計 業態別統計編(小売業)<概況>
- <トピックス2> 業態内における業種の特徴と変化
商業統計
<トピックス2> 業態内における業種の特徴と変化
- 飲食料品小売業に特化している業態 -
ここでは、それぞれの業態がどのような業種から成り立っているのか、業態別業種内訳をみていくこととする。
平成9年の調査結果を業態別に、業種構成をみると(第6図)、百貨店、総合スーパーは、全商店が各種商品小売業のうち百貨店である。専門スーパー、コンビニエンス・ストア(以下コンビニという)、では商店数、年間販売額とも飲食料品小売業、専門店では商店数、年間販売額ともその他の小売業、中心店では商店数では飲食料品小売業、年間販売額ではその他の小売業、その他の小売店では商店数、年間販売額とも各種商品小売業のうちその他の各種商品小売業の割合が一番高い。以下、専門スーパー、コンビニ、その他のスーパー、専門店、中心店について業種別にみていくこととする。


- (1) 専門スーパー
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- 食料品店の割合高い専門スーパー -商店数の内訳をみると(第5表)、飲食料品小売業が専門スーパーの54.7%を占めており、次いでその他の小売業(構成比27.2%)、織物・衣服・身の回り品小売業(同14.1%)、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業(同3.9%)となっている。半分以上を占めている飲食料品小売業のなかでは各種食料品小売業が38.7%、その他の飲食料品小売業も1割以上を占めている。
年間販売額をみると、飲食料品小売業が専門スーパーの72.3%、その他の小売業が同18.4%を占めており、織物・衣服・身の回り品小売業、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業は1割に満たない。割合の高い飲食料品小売業のなかでは、各種食料品小売業が5割強、その他の飲食料品小売業が1割強、酒小売業が3%を占めている。第5表 専門スーパーの業種別商店数、年間販売額の割合前回比をみると(第7図)、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業を除くすべての業種で商店数、年間販売額ともに増加となっており、なかでもその他の小売業は商店数(前回比85.5%増)、年間販売額(同64.7%増)とも大幅増、織物・衣服・身の回り品小売業(商店数同46.3%増、年間販売額同29.4%増)も大きな伸び率となっている。大幅増となったその他の小売業の内訳をみると、商店数、年間販売額ともに写真機・写真材料小売業、書籍・文房具小売業、農耕用品小売業、医薬品・化粧品小売業などが大幅な増加となっている。飲食料品小売業は商店数(同9.5%増)、年間販売額(同11.9%増)とも増加となっているが、その内訳をみると、酒小売業が商店数、年間販売額ともほぼ倍増、鮮魚小売業、その他の食料品小売業も商店数、年間販売額とも増加となっているが、菓子・パン小売業、食肉小売業、米穀小売業など他の業種はすべて減少となっている。
第7図 専門スーパーの小分類業種別商店数、年間販売額の伸び率●は織物・衣服・身の回り品
○は飲食料品
□は家具・じゅう器・家庭用機械器具
△はその他 - (2) コンビニエンス・ストア
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- そのほとんどが食料品店 -商店数の内訳をみると(第6表)、飲食料品小売業がコンビニの96.1%を占めており、その他の小売業が同3.3%、各種商品小売業、織物・衣服・身の回り品小売業、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業の割合はそれぞれ1%未満となっている。割合の高い飲食料品小売業のなかではその他の飲食料品小売業(同61.0%)の割合が高く、各種食料品小売業で2割近く、酒小売業が1割強を占めている。
年間販売額をみると、飲食料品小売業が商店数同様コンビニの97.0%とほとんどを占めており、なかでもその他の飲食料品小売業は69.1%、各種食料品小売業が16.2%の割合となっている。第6表 コンビニエンス・ストアの業種別商店数、年間販売額の割合第8図 コンビニエンス・ストアの小分類業種別商店数、年間販売額の伸び率■は各種商品
□は家具・じゅう器・家庭用機械器具
●は織物・衣服・身の回り品
△はその他
○は飲食料品 - (3) その他のスーパー
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- 食料品店の割合が高いその他のスーパー -商店数の内訳をみると(第6表)、専門スーパーやコンビニ同様、飲食料品小売業の割合がその他のスーパーの56.9%と高い割合を占めており、その他の小売業は同28.6%、織物・衣服・身の回り品小売業が同11.9%、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業が同2.2%、各種商品小売業が同0.5%と、業種の割合は専門スーパーと似通っている。割合の高い飲食料品小売業では、各種食料品小売業、酒小売業、その他の飲食料品小売業がいずれも飲食料品小売業の1割強、菓子・パン小売業、野菜小売業が6%を超えているなど、比較的業種割合はばらついている。
年間販売額をみると、飲食料品小売業がその他のスーパーの60.4%、その他の小売業が同25.7%、織物・衣服・身の回り品小売業が同10.9%を占め、家具・じゅう器・家庭用品機械器具小売業はわずか1.6%に過ぎない。また、飲食料品小売業のなかでは各種食料品小売業の割合が2割強と最も高く、酒小売業、その他の飲食料品小売業も1割強を占めている。第7表 その他のスーパーの業種別商店数、年間販売額の割合第9図 その他のスーパーの小分類業種別商店数、年間販売額の伸び率■は各種商品
□は家具・じゅう器・家庭用機械器具
●は織物・衣服・身の回り品
△はその他
○は飲食料品 - (4) 専門店
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- 住関連店の割合高い専門店 -商店数の内訳をみると(第7表)、その他の小売業が専門店の38.2%を占め、次いで飲食料品小売業が同27.4%、織物・衣服・身の回り品小売業が同15.0%、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業が同13.1%、自動車・自転車小売業が6.3%の割合となっており、住関連の商店数は専門店全体の6割に近い。4割近くを占めているその他の小売業の内訳をみると、医薬品・化粧品小売業、燃料小売業などの割合が比較的高いものの業種の偏りはみられない。飲食料品小売業はその他の飲食料品小売業、菓子・パン小売業の割合はそのなかでも高いものの1割に満たない。
年間販売額をみると、その他の小売業が同39.5%と最も多く、次いで自動車・自転車小売業が同21.5%、飲食料品小売業が同14.8%、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業が同14.0%、織物・衣服・身の回り品小売業が同10.3%となっており、いずれも2桁台の構成割合となっている。商店数同様、住関連の割合(同75.0%)が高い。内訳をみると、その他の小売業では燃料小売業(同15.2%)、飲食料品小売業のなかでその他の飲食料品小売業(同5.3%)の割合が大きい。第8表 専門店の業種別商店数、年間販売額の割合次に前回比をみると(第10図)、織物・衣服・身の回り品小売業、飲食料品小売業、その他の小売業は商店数、年間販売額とも減少となったが、自動車・自転車小売業、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業は、商店数、年間販売額では増加となっている。内訳をみると、織物・衣服・身の回り品小売業では婦人・子供服小売業を中心にすべての業種が2桁台の減少、飲食料品小売業は、その他の飲食料品小売業の年間販売額がわずかに増加したのを除き、すべての業種で商店数、年間販売額ともに大幅な減少となっている。その他の小売業は、リサイクルブームを反映し、中古品小売業が商店数、年間販売額ともに増加、ガーデニングブームから農耕用品小売業の年間販売額が増加となってはいるものの、ほとんどの業種で、商店数、年間販売額ともに減少となっている。商店数の減少した自動車・自転車小売業は国内市場の好調を背景に年間販売額は増加、また、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業もパソコン、携帯電話など通信機器の好調から年間販売額は増加となっている。
第10図 専門店の小分類業種別商店数、年間販売額の伸び率●は織物・衣服・身の回り品
□は家具・じゅう器・家庭用機械器具
○は飲食料品
△はその他
×は自動車・自転車 - (5) 中心店
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- 商店数は5割近くが食料品店、年間販売額では6割近くが住関連店 -商店数の内訳をみると(第8表)、飲食料品小売業が中心店の同45.3%を占めており、次いでその他の小売業が同23.5%、織物・衣服・身の回り品小売業が同16.6%、自動車・自転車小売業が同9.1%、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業が同5.4%の割合となっており、食料品店、住関連店の割合が高い。割合の最も高い飲食料品小売業では、その他の飲食料品小売業、酒小売業がその1割強、菓子・パン小売業、各種食料品小売業の割合も比較的高い。その他の小売業では他に分類されないその他の小売業(同6.0%)、燃料小売業、医薬品・化粧品小売業の割合が高い。
年間販売額では、その他の小売業が同26.5%、飲食料品小売業が同25.8%、自動車・自転車小売業が同21.4%、織物・衣服・身の回り品小売業が同15.8%、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業が同10.5%の割合となっており、年間販売額では住関連店が6割近くを占める。第9表 中心店の業種別商店数、年間販売額の割合次に前回比をみると(第11図)、織物・衣服・身の回り品小売業、飲食料品小売業は商店数、年間販売額ともに減少となったが、自転車・自動車小売業、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業、その他の小売業は商店数では減少、年間販売額は増加となっている。内訳をみると、織物・衣服・身の回り品小売業は、男子服小売業の年間販売額の増加を除き、婦人服・子供服小売業を中心にすべての業種が商店数、年間販売額ともに減少、飲食料品小売業はその他の飲食料品小売業の年間販売額の増加を除き、すべての業種が2桁台の大幅な増加となっている。自動車・自転車小売業では、需要好調から、自動車小売業の商店数は減少となったものの年間販売額は増加、家具・じゅう器・家庭用機械器具小売業は、パソコン、通信機器などの増加から大幅な増加となっている。また、その他の小売業は、ガーデニングブームを反映した農耕用品小売業、ガソリンなどの燃料小売業、リサイクルブームなどから中古品小売業が、商店数、年間販売額ともに増加となっている。
第11図 中心店の小分類業種別商店数、年間販売額の伸び率●は織物・衣服・身の回り品
□は家具・じゅう器・家庭用機械器具
○は飲食料品
△はその他
×は自動車・自転車以上、業態別にみてきたが、いずれの業態においても飲食料品小売業、次いで住関連店が中心であるその他の小売業の割合が商店数、年間販売額ともに高い。業態別にみても、専門スーパー、コンビニ、その他のスーパーでは衣・食・住関連店が総じて、商店数、年間販売額とも増加となっているが、専門店、中心店では逆の動きとなっている。そのなかで、ガソリンなど燃料小売業、パソコン、携帯電話など通信機器の家庭用機械器具小売業、リサイクルブーム、ガーデニングブームなどから中古品小売業、農耕用品小売業などは商店数が減少しているにも関わらず、年間販売額の増加が続いている。