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化審法における化学物質の定義・解釈について

過去に掲載していたQ&Aです。

最新版Q&Aは こちらのページ からご確認ください。

過去に掲載していたQ&A 質問一覧

Q.1<元素の該当性>
元素は「化学物質」に該当するのでしょうか。

A.1
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以下「化審法」という。)第2条第1項に「『化学物質』とは、元素又は化合物に化学反応を起こさせることにより得られる化合物(放射性物質及び次に掲げる物を除く。)をいう。」と定められていることから、元素は化学物質に該当しません。
なお、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の運用について」(平成23年3月31日薬食発0331第5号,平成23・03・29製局第3号,環保企発第100331007号)1(1)に記載のとおり、「元素」とは一種類の原子(同位体の区別は問わない。)からなるすべての状態(例:励起状態、ラジカル)の物質を意味します。また、合金については、「元素」の混合物であると解されているので「化学物質」の範囲外として取り扱うものと解釈されています。

Q.2<天然物の該当性>
アスベスト等の天然物は「化学物質」に該当するのでしょうか。

A.2
化審法第2条第1項に「『化学物質』とは、元素又は化合物に化学反応を起こさせることにより得られる化合物(放射性物質及び次に掲げる物を除く。)をいう。」と定められていることから、化合物に化学反応を起こさせていない天然物は化学物質に該当しません。
「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の運用について」1(3)に記載のとおり、化審法第2条第1項の「起こさせることにより」とは、人為的に起こさせることですから、自然界において化学反応が起こる場合はこれに該当しません。また、アスベスト等天然物以外に、生物の飼育、栽培、培養等により生物体そのもの(生、死を問わない。)又は生物体構成成分を得る場合は、生物体内で化学反応が起こっていても、当該飼育、栽培、培養等の行為自体は、化学反応を人為的に起こさせる行為としては扱わないこととされています。
なお、天然に存在する化学物質であっても合成により得られたものは化審法上の「化学物質」に該当し、製造、輸入等にあたっては化審法に基づく届出等が必要となります。

Q.3<化合物の定義>
化審法でいう「化合物」とは何を指すのでしょうか。

A.3
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の運用について」1(2)に記載のとおり、「化合物」とは、2種類(少なくとも1種は、H、He、B、C、N、O、F、Ne、P、S、Cl、Ar、As、Se、Br、Kr、Te、I、Xe、At又はRn)以上の原子が共有結合、イオン結合、配位結合等又はこれらの任意の組合せの結合によって結合した物質を意味します。

Q.4<分解性の判定>
良分解性物質と難分解性物質はどのように判定されるのでしょうか。

A.4
化学物質の良分解性又は難分解性の判定については、「監視化学物質への該当性の判定等に係る試験方法及び判定基準」(最終改正平成23年4月22日)に記載の以下基準を基本としつつ、厚生労働省、経済産業省及び環境省の関係審議会で専門的知見に基づく意見をふまえ、該当性の判定を行うこととしています。
  1. 良分解性
    • 3つの試験容器のうち2つ以上でBODによる分解度が60%以上であり、かつ3つの平均が60%以上であること。
    • あわせてHPLC、GC等の直接分析法により分解生成物が生成していないことが確認されること。
      なお、通達で定められた試験方法による試験成績が上記の基準を満たさない場合であって、BOD曲線等から試験終了後も引き続き生分解していることが示唆される場合(上昇傾向等)には、OECDテストガイドライン302Cによる試験成績に基づいて判定を行うことができます。
  2. 難分解性
    • 良分解性でないこと。

Q.5<不純物の範囲>
化学物質の製造過程で、化学物質を安定に存在させるために意図的に追加せざるを得なかった化学物質は、不純物に含まれるのか教えてください。

A.5
「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の運用について」2-1(1)②に記載のとおり、「不純物」とは目的とする成分以外の未反応原料、反応触媒、指示薬、副生成物(意図した反応とは異なる反応により生成したもの)等をいうと規定していますので、その組成にかかわらず意図的に添加した化学物質は不純物ではありません。

Q.6<副生成物の基準>
化審法上の副生成物に該当する基準はありますか。

A.6
副生成物とは、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の運用について」2-1(1)②に規定のとおり、意図した反応とは異なる反応により生成したものをいいます。

Q.7<既存化学物質の該当性>
取り扱う化学物質が化審法の既存化学物質に該当するか、どのように調べればよいのでしょうか。

A.7
ウェブで公開されているデータベースで調べることが可能です。 無料で利用することができるデータベースの例としては、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が提供している化学物質総合情報提供システム(略称CHRIP)や化審法データベース(略称J-CHECK)があります。
(参考)
CHRIP、J-CHECKを使って検索する方法としては、CAS番号がわかっている場合は、CAS番号で検索すると容易に調べられます。CAS番号がわからない場合は、構造に含まれる置換基等の名称を複数ピックアップし、アンド検索をかける方法があります。CHRIP、J-CHECKいずれも、スペースで区切って複数の単語を入力すると、それらをすべて含む名称の検索をかけることができます。
CHRIP、J-CHECKのURLは以下のとおりです。
 CHRIP: http://www.nite.go.jp/chem/chrip/chrip_search/systemTop
 J-CHECK: http://www.safe.nite.go.jp/jcheck/top.action?request_locale=ja外部リンク
なお、この他に有料ですが刊行物や専門調査機関等を利用して調べる方法もあります。

Q.8<包括名称の解釈>
既存化学物質名簿に記載の包括名称について、どのように解釈すればよいのでしょうか。

A.8
既存化学物質の名称が包括的な場合、原則として、その名称の範囲に含まれる個々の化合物は当該既存化学物質に含まれると解釈します。
CHRIP、J-CHECKの使用方法についてはA7の「参考」をご参照下さい。

Q.9<既存化学物質の該当性>
既存化学物質である単量体から構成される無機化合物の重合体は既存化学物質に該当するのでしょうか。

A.9
「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の運用について」(平成23 年3 月31日 薬食発0331 第5 号、平成23/03/29 製局第3 号、環保企発第110331007 号)2-1(2)①ニ において、無機高分子化合物については、次のとおり扱うことと規定されています。 無機高分子化合物については、それを構成している単量体が既存化学物質等である場合は、当該化合物は新規化学物質としては取り扱わないものとする。 また、二量体、三量体についても上記の規定に該当するとして、その単量体が既存化学物質等である場合は新規化学物質として取り扱われません。

Q.10<既存化学物質の該当性>
既存化学物質等である有機高分子化合物の構造に開始剤又は連鎖移動剤が含まれる場合、その化合物は既存化学物質等として取り扱われるのでしょうか。

A.10
開始剤又は連鎖移動剤を構造に含む有機高分子化合物であって、開始剤等の重量割合が1%未満(開始剤もしくは連鎖移動剤が複数ある場合、各々の重量割合が1%未満)の化合物については、それらが名称に明記されていない既存化学物質等と同じものとして取り扱われます。(例:Aを開始剤とするBとCの共重合物においてAの重量割合が1%未満である場合、当該共重合物は既存化学物質等であるBとCの共重合物と同じものとして取り扱われます。)

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