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「内分泌かく乱作用を有すると疑われる」と指摘された化学物質の個別物質有害性評価書について
内分泌かく乱物質とは
内分泌かく乱物質(いわゆる環境ホルモン)問題については、国際的にも科学的不確実性が多く指摘されているのが現状であり、人の健康や生態系への影響を正確に把握するためにも、科学的な検討評価を積み重ねる必要があ ります。また、内分泌かく乱作用によってもたらされる有害影響(毒性)に対しては、適切なリスク評価に基づいた効果的な対応をとることが必要です。 このため、経済産業省では、こうしたリスク評価に必要な科学的知見の充実を図るため、化学物質審議会審査部会・管理部会内分泌かく乱作用検討小委員会(平成11年8月、化学品審議会内分泌かく乱作用検討分科会として設置)を中心に、さまざまな科学的情報を収集するとともに、「内分泌かく乱作用を有すると疑われる」として指摘された化学物質の有害性評価 を進め、関係省庁と連携して試験法の開発及びOECDにおける国際協力への貢献を進めてきました。
同小委員会では、平成10年に環境庁(当時)が公表した「環境ホルモン戦略計画SPEED'98」において、今後の調査・研究の対象としてリストアップ(注)された「内分泌攪乱作用を有すると疑われる化学物質」 (67物質群)のうち、我が国での生産・使用実態がないとされた物質群、農薬登録物質やダイオキシン等の各種対策が進められている物質群を除いた15物質群に関して有害性評価書を作成し、平成14年4月に公表しました。
(注)環境省では平成17年3月にSPEED'98を改訂した「化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方針について」(ExTEND2005)を公表しました。その結果、当該リストは廃止されました。
その後、これらの有害性評価書で試験の実施が必要とされた物質について、2世代繁殖毒性試験を含む関連試験を実施するとともに、有害性に関する新たな知見が得られたものについては、それも踏まえて平成16年度に8物質の有害性評価書を改訂しました。
【個別物質の有害性評価】
- ① オクタクロロスチレン(PDF形式:48KB)
- ② スチレンダイマー・トリマー(PDF形式:53KB)
- ③ n-ブチルベンゼン(平成16年改訂)(PDF形式:156KB)
- ④ フタル酸ジシクロヘキシル(平成16年改訂)(PDF形式:280KB)
- ⑤ ベンゾフェノン(平成16年改訂)(PDF形式:332KB)
- ⑥ ポリ臭化ビフェニル(PDF形式:121KB)
- ⑦ 2,4-ジクロロフェノール(平成16年改訂)(PDF形式:485KB)
- ⑧ フタル酸ジエチル (平成16年改訂)(PDF形式:418KB)
- ⑨ フタル酸ブチルベンジル(平成16年改訂)(PDF形式:1,088KB)
- ⑩ 4-ニトロトルエン(平成16年改訂)(PDF形式:334KB)
- ⑪ アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル (平成16年改訂)(PDF形式:490KB)
- ⑫ フタル酸ジ-n-ブチル(PDF形式:3,048KB)
- ⑬ フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(PDF形式:127KB)
- ⑭ ノニルフェノール(PDF形式:1,090KB)
- ⑮ ビスフェノールA(PDF形式:110KB)
個別物質の有害性評価にあたっては、内分泌かく乱物質の定義を「生物個体の内分泌系に変化を起こさせ、その個体またはその子孫に健康障害を誘発する外因性物質」(1996年12月EU/WHO/OECDワークショップ見解)とし、内分泌系をかく乱した結果として発現する健康障害を評価することが重要であると認識したうえで、人の健康に対する影響を中心とする有害性の確認に重点をおいて検討を行ってきました。
具体的な作業の進め方としては、人の健康影響を評価するために必要な情報をほぼ網羅していると考えられる「MEDLINE」などのデータベースを中心として文献検索を行い 、さらに必要に応じ最新の情報を収集しました。これら文献の選定と査読の実施により、調査時点における科学的知見の蓄積状況を把握しました。加えて、一般財団法人化学物質評価研究機構(CERI)において、専門家のレビューを受けながら、有害性評価に関連した試験を実施し、評価に反映させ ました。
CERIによる関連試験結果のレビューに協力いただいた専門家は以下の方々です。
- 青山 博昭 財団法人残留農薬研究所毒性第一部生殖毒性研究室室長
- 今井 清 財団法人食品薬品安全センター秦野研究所特別参事
- 鈴木 勝士 日本獣医畜産大学獣医生理学教室教授
- 高橋 道人 昭和大学客員教授
- 西原 力 大阪大学大学院薬学研究科教授
- 松尾 昌季 大阪大学先端科学技術共同研究センター客員教授
※所属先等はレビュー当時のものです。
また、有害性調査結果等のレビューに協力いただいた専門家は以下の方々であり、15物質群について分担して、記述内容の正確性・妥当性についてレビューを実施しました。
- 今井田 克巳 香川医科大学医学部第一病理教授
- 渋谷 淳 国立医薬品食品衛生研究所病理部第二室長
- 白井 智之 名古屋市立大学医学部第一病理学講座教授
- 高橋 道人 昭和大学客員教授
- 立松 正衛 愛知県がんセンター研究所副所長・腫瘍病理学部長
- 津田 洋幸 国立がんセンター研究所化学療法部長
- 堤 雅弘 奈良県立医科大学附属がんセンター腫瘍病理講師
- 中江 大 財団法人佐々木研究所病理部部長
- 福島 昭治 大阪市立大学医学部病理学第一講座教授
- 山下 敬介 広島大学医学部解剖学第一講座助教授
※所属先等はレビュー当時のものです。
なお、これら15物質群のうち、有害性評価だけでなくリスク評価が必要とされた6物質については、リスク評価及び必要なリスク管理のあり方を検討しています。
お問合せ先
産業保安・安全グループ 化学物質管理課 化学物質リスク評価室
お問合せページ:https://mm-enquete-cnt.meti.go.jp/form/pub/kagaku/kannrika_toiawase