2023年6月に日本産業標準調査会基本政策部会において取りまとめた「日本型標準加速化モデル」では、市場創出のために経営戦略と一体的に展開する「戦略的活動」の重要性と3つの主要課題・対応施策を提示しました。
そのため、経済産業省は、「産業界全体の標準化活動の底上げ」を図っていくことを目指し、これら施策の展開に持続的に取り組み、標準化活動の中核である企業・業界団体や関係機関等の主体的な活動を後押ししてきました。現在に至るまで、官民での標準化活動に対する意識は高まっており、取組は前進してきています。今後もこれらを継続・強化していきます。
加えて、「日本型標準加速化モデル」策定時からの環境変化を踏まえ、2024年12月から日本産業標準調査会基本政策部会でご議論いただき、2025年6月16日、「新たな基準認証政策の展開-日本型標準加速化モデル2025-」を公表しました。
本文書においては、我が国の標準化・認証の取組を更に加速化するため、これまでの取組に加えて、①特定分野における国主導の戦略的標準化 と ②国内認証機関の強化 を新たに推進する必要性と取組方針を提示しています。
1.特定分野における国主導の戦略的標準化の必要性と取組方針
- 昨今、グローバル市場における競争環境が一層激化・複雑化する中で、米欧中は国家標準戦略等で重点分野を定めて標準化活動を加速化するなど、積極的に取組を展開しています。
- こうした状況を踏まえ、これまで経済産業省が「日本型標準加速化モデル」に基づき展開してきた「産業界全体の標準化活動の底上げ」の取組のみでは、産業政策上重要な分野において国際的な議論をリードできず、我が国に不利なルール形成が進められ得るという危機感が高まりつつあります。
- そのため、産業構造の転換につながる不確実性の高い分野について、産業政策と真に連動した分野全体の標準化活動を国が牽引する形で展開することが必要です。
- 具体的な取組として、技術・市場の成熟度や産業横断での連携性を基礎として、3つの類型化を行い、パイロット5分野を設定して、分野全体の標準化戦略の策定から、規格開発・活用に向けた取組を開始しています。
- また、各パイロット分野の取組状況を基に、分野全体の標準化戦略の策定と規格開発・活用の各フェーズにおける取組方針を下記のとおりまとめています。
- 加えて、取組全体を体系的に整理して一気通貫で展開すべく、取組の「型」化を進め、経済産業省とともに取組を主導し知見・ノウハウの一元的な集約先となる「伴走組織」を置くこととしています。
- 今後は、世界動向、イノベーション、産業政策等を踏まえながら、本取組をパイロット分野のみならず、戦略的標準化を進めるべき他の分野にも積極的に応用・展開していきます。
2.国内認証機関の強化の必要性と取組方針
- 策定された標準や規制への準拠を示す手段である認証の対象は、最終製品のみならずサプライチェーン全体に拡大しており、認証機関が取り扱う情報の機微性が格段に高まっています。
- こうした中、国外規制対応において、従来通り国外認証機関に認証の取得を依存することは、企業のサプライチェーン・設計情報等の機微データの国外流出に繋がり得るという懸念が指摘されています。
- この課題に対応するため、短期的には国内認証機関と国外認証機関の戦略的連携の強化、また中長期的には国内認証機関の海外展開を目指すなど、時間軸に応じた柔軟なアプローチを展開していきます。
- 同時に排出量取引制度(GX-ETS)等の国内規制への対応を通じて国内認証基盤の強化も促進し、国内認証機関における高度な認証人材の育成や認証機関間の協力体制の構築に繋げていきます。
資料
3.フォローアップ
- 第18回日本産業標準調査会基本政策部会において、「日本型標準加速化モデル」及び「新たな基準認証政策の展開 ー日本型標準加速化モデル2025ー」に基づく取組のフォローアップを行いました。
「新たな基準認証政策の展開 ー日本型標準加速化モデル2025ー」に基づく取組のフォローアップ![]()
【参考】特定分野における国主導の戦略的標準化(分野別標準戦略等)![]()
- 第17回日本産業標準調査会基本政策部会において、「日本型標準加速化モデル」に基づく取組のフォローアップを行いました。(令和7年5月29日)
4.「新技術立国」実現に向けた今後の基準認証政策の進め方
- 日本に強みがある技術の社会実装や、勝ち筋となる産業分野の育成を促進する「新技術立国」の実現に向けて、「標準の導入・活用による需要創造」は重要な観点です。具体的には以下の3つの視点で取組を進めていきます。

①標準(ISO/IEC等)を通じた国内外市場の開拓・確保
- 戦略的標準化に向けた取組フレームを「型」として整理し、他の戦略分野にも展開するとともに、必要な標準策定戦線を的確に支援します。
- 「型」の実現にあたって、標準に係る知見を有する専門機関等が担う、政府に対する「伴走機能」の充実や体制強化を図ります。
②標準(JIS規格)を活用した国内需要の喚起
- 約11,000件ある全てのJIS規格を対象に、①5年をかけて行う活用状況の調査・見直しと、②ニーズが把握された規格について公共調達活用を進める先行案件対応を内容とした「JIS規格の総ざらいレビュー」を実施し、JIS規格と公共調達や法令との連携の具体化を推進します。
- 公共調達におけるJIS規格の活用目的やJIS規格の具体的な活用方法等を類型化して整理した「JIS規格の公共調達引用ガイダンス(Ver.1.0)」を策定し、各府省庁におけるJIS規格の公共調達活用を促します。
「JIS規格の総ざらいレビュー」を実施します![]()
JIS規格の公共調達引用ガイダンス(Ver.1.0)![]()
③認証の取得による海外市場の開拓・確保
- 国内認証機関の枠組構築や国内外認証機関との連携強化等により、国内認証機関の強化を進めるとともに、産業界のニーズも踏まえた試験・認証設備の整備を進め、日本企業の機微情報も守りながら海外市場を開拓・確保していきます。
お問合せ先
イノベーション・環境局 基準認証政策課電話:03-3501-1511(内線)3413~3415
メール:bzl-s-kijun-seisaku★meti.go.jp
※ [★]を[@]に置き換えてください
最終更新日:2026年4月30日