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日本産業規格(JIS)を制定・改正しました(2024年11月分)

 
2024年11月20日
 
JISは、製品やサービスの品質などを定めた国家規格であり、社会的環境の変化に対応して、制定・改正を行っています。今月制定・改正したJISについてお知らせします。

1.日本産業規格(JIS)とは

日本産業規格(JIS:Japanese Industrial Standards)は、産業標準化法(JIS法)に基づく国家規格であり、製品、データ、サービスなどの種類や品質・性能、それらを確認する試験方法や評価方法などを定めています。

JISは、製造事業者やサービス事業者が、品質の良い製品やサービスを生産・提供することや、消費者等が、品質の良い製品やサービスを入手・利用すること等のために用いられています。
関係府省では、技術の進歩や社会的環境の変化等を踏まえ、必要に応じて、JISを制定・改正しています。

JISの制定・改正は、経済産業大臣等の主務大臣により、日本産業標準調査会(JISC)※1での審議・議決を経て行われます。(認定産業標準作成機関※2が作成したJIS案については、同調査会の審議を経ずに主務大臣が迅速に制定・改正を行います。)

(※1)JIS法に基づき経済産業省に設置されている審議会
(※2)JIS法に基づき主務大臣の認定を受けた、迅速かつ安定的な標準化活動に関する専門知識及び能力を有する民間機関

2.今回のJISの制定・改正内容

今回は、17件の制定及び45件の改正を行いました。
なお、制定・改正したJISのうち、認定産業標準作成機関がJIS案を作成したものは、制定8件(一般財団法人日本規格協会3件、一般社団法人日本鉄鋼連盟5件)及び改正18件(一般財団法人日本規格協会7件、一般社団法人日本鉄鋼連盟11件)となります(資料1)。 以下、今月、制定・改正したJISのうち、次の2件を紹介します。

なお、以下の①は、新市場創造型標準化制度の活用による制定です。
この制度の概要は、こちらを参照ください。

①水素ガス中の一酸化炭素自動計測器-交流電流印加方式に関するJIS制定(JIS B 7961)

気候変動への対応として、CO2を排出しない水素エネルギーの利活用が大きく期待されています。水素が広く活用される「水素社会」を構築するカギのひとつとなるのが、水素を使って電気や熱をつくることができるシステム「燃料電池」です。「燃料電池自動車」や、住宅等の小規模発電用に用いられる「定置用燃料電池」における電気や熱の供給には、高純度の水素ガスが必要です。

水素ガスの品質管理を定めた国際規格では、水素ガスの品質(不純物濃度)をリアルタイムで連続的にモニタリングすることが推奨されていますが、従来の測定装置では、測定時の水素消費量が多く、一定のコストがかかることから、連続的なモニタリングが困難でした。
今般、少量の水素ガスで不純物である一酸化炭素を感度良く、かつ低コストで測定できる燃料電池形センサによる交流電流印加方式※3自動計測器が開発されました。この自動計測器を、水素スタンドや住宅の水素発電設備等に組み込んで利用することを通じて、長期間、連続的に水素ガスの品質をモニタリングすることが可能となります。

この自動計測器の性能や機能を客観的に評価して信頼性を向上し、幅広い分野において活用できるようにするため、このたび、自動計測器の性能や試験方法等を規定したJISを制定※4しました。

本JISにより、水素をエネルギーとして利用するモビリティ分野での水素ガスの品質管理の高度化等、水素がより広く活用される環境が整備され、新たな市場の創出や我が国の産業競争力の強化に資することが期待されます(資料2)。

(※3)交流電流印加方式とは、燃料電池と類似した構造をもつセンサを用いて、一酸化炭素濃度を測定する方法のこと。
(※4)新市場創造型標準化制度を活用してJIS制定に至った。

    注) 既存の業界団体等では対応が出来ない、複数の関係団体に跨がる融合技術や特定企業が保有する先端技術に関する標準化を進
       めるための制度。一定の要件を満たし、本制度に採択されることで、業界団体等から積極的な協力が得られない場合でも規格
                   制定に挑戦することが可能となる。

②サプライチェーンのセキュリティ強化や管理効率化のためのJIS制定(JIS X 22387)

近年、国内外において、経済安全保障などの観点から重要物資や付加価値の高い製品・部品などに対する管理の重要性が増しており、サプライチェーンにおいて人工物メトリクス※5活用の検討が進められています。人工物メトリクスとは、モノ自体の特性や製造中に発現した特性の測定又は測定値であり、これを利用することで、模倣品・偽造品を検出したり、ID・シリアル番号などの管理番号を割り振ることなく、効率的に対象物を区別し※6、追跡したりすることが可能になります。

こうした流れの中、今般、人工物メトリクスを用いて部品などを区別する能力の妥当性を確認できるように、国際規格ISO 22387:2022と整合させたJISを制定しました。 これにより、日本製品の市場競争力強化、ひいては安全・安心な社会の実現への貢献が期待できます(資料3)。

(※5)モノの特性の測定又は測定値。測定値には、モノ自体の特性、または製造中に発現した特性なども含む。図1は、半導体製造工程
    のバラツキから生成した半導体表面パターンの測定値の例で、これを人工物メトリクスとして利用する。パターンを微細化すると
    同じパターンの複製が難しくなり、人工物メトリクスの複製も困難になる。
(※6)対象物からそのIDなどを探す「識別」と、対象物がID等で指定される物かどうかを確認する「照合」を併せて、ここでは「区別」
    と呼ぶ。 


図1 人工物メトリクスの例(半導体表面パターンの測定値)

                                           

   
  図2 人工物メトリクスを用いた製品・部品のサプライチェーン強化


 

3.各規格のお問合せ先について

今回制定・改正された各規格の詳細についてお問合せされる場合は、資料1に記載された担当課にメールにてお問合せください。その際は、御氏名、御所属(企業等からのお問合せの場合)、御連絡先を明記していただくようお願いします。

 

4.過去のニュースリリース

日本産業規格(JIS)制定・改正関連の過去のリリースはこちらを御覧ください。

 

関連資料

関連リンク

JISについて、詳しくは、下記のサイトをご覧ください。

JISの閲覧は、こちらより検索ください。

認定産業標準作成機関について、詳しくはこちらを御覧ください。

担当

最終更新日:2024年11月20日