経営戦略において標準化を有効活用した個社事例
企業の経営戦略における位置付けの低さ
現在、市場の決定要因として、「価格」×「品質」に加えて、「新たな価値軸」がますます重要になっています。この「新たな価値軸」を生み、自社の製品・サービスの市場への展開に生かすためには、標準化を活用した市場創出戦略が必要です。
一方で、現在の日本企業では、経営戦略において標準化戦略は十分に位置付けられておらず、優先順位が低い傾向にあります。
経営計画等におけるルール形成による市場獲得構想の有無
N=上場企業565社
(出所)経済産業省作成
企業の経営戦略において、標準化活動の位置付けを高める必要
企業が市場を創出・獲得していく上で、市場の基盤を整える基盤的な標準化活動に加えて、戦略的な標準化活動を加速化していくことは非常に重要です。このため、経済産業省としては、企業や投資家等がこれらの重要性を認識し、経営戦略と標準化活動を一体的に展開するよう、行動を変容させていくことが必要であると考えています。
そこで、市場の創出に向けて経営戦略と一体的に取り組む標準化活動の重要性について、企業自身と投資家等への理解の浸透を図るため、標準化活動の成功事例をまとめた事例集を作成しました。
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「経営戦略と標準化」事例集(PDF形式:1,994KB)
(2024年7月4日公開)
企業名 | 事例概要 |
株式会社悠心 | 自社技術の評価方法をJISを通じて標準化し信頼性をアピール、技術力の可視化がベンチャーキャピタルからの出資獲得につながる |
株式会社mil-kin | 標準化を通じて自社製品の信頼性を向上、海外を含めて販路を大幅に拡大 |
小松マテーレ株式会社 | 標準化を通じて幅広いニーズに対応する建築物耐震補強材としての認知度向上を図り、新素材の市場創出・企業価値を拡大 |
ヤマト運輸株式会社 | 国際標準化・認証制度により小口保冷配送の健全な海外市場を拡大、国際規格の利用基盤を構築し、信頼確保・国際競争力強化 |
ダイキン工業株式会社 | 冷媒と空調機器を組み合わせた、国際レベル・各国レベル両面からのルール形成により、省エネ基準値が競争指標となる市場を創出 |
Bosch | 自社規格であるCAN※の実用化と同時期に、標準化を進める国際的な組織に参加、顧客にもメリットがある点を説明することで顧客と協調して標準化を実現 ※CAN:Controller Area Network |
IDEC株式会社 | 過去の国際標準化活動不参加による市場喪失経験を踏まえ、ルール作りを積極的に活用し市場拡大を実現 |
(業界横断的活動の事例) | 業界横断での市場創出に資する戦略的標準化活動によって、新たな価値軸創出と国際的な技術優位性確保を図る |
お問合せ先
- イノベーション・環境局 基準認証政策課
電話:03-3501-1511(内線 3413)
メール:bzl-rulemaking-support★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。
最終更新日:2024年7月11日