Q1 A1 |
Q: 食品の製造・販売を行っているが、材料を量るための計量器は、定期検査を受ける必要があるのか。 |
A: 計量法第19条に規定する定期検査の対象となる計量器とは、「取引」又は「証明」に使用される非自動はかり、分銅、おもり及び皮革面積計である。(「取引」及び「証明」の定義は次問参照)
商品の材料を量るための非自動はかりは、その計量が工程管理における計量等内部的な行為にとどまり、計量の結果が外部に表明されない場合には取引又は証明における計量に当たらないので、定期検査を受ける必要はない。 |
Q2 A2 |
Q: 「取引」及び「証明」の定義とはどのようなものか。 |
A: 計量法第2条第2項で規定している。詳細は、経済産業省計量行政ホームページにて公表している「計量法関係法令の解釈運用等について」を参照のこと。 計量法(抄) 第2条第2項 この法律において「取引」とは、有償であると無償であるとを問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の行為をいい、「証明」とは、公に又は業務上他人に一定の事実が真実である旨を表明することをいう。 |
Q3 A3 |
Q:
- 特定商品について、表示よりも実際の内容量が多い場合の量目公差はあるのか。
- 特定商品について量目公差が定められている上限(特定商品の販売に係る計量に関する政令別表1第4欄)より表示量が多い場合、量目公差の定めはあるのか。
- 特定商品以外の商品について、量目公差の定めはあるのか。
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A: 計量をする場合、商品の特性等から計量の結果が常に真実の量になることは困難であり誤差が生じてしまうこと、また、計量法では消費者利益の確保を主たる目的としていることから、特定商品について、表示量が内容量を超えている場合(不足量)の量目公差(許容誤差の範囲)が定められている(「特定商品の販売に係る計量に関する政令」第3条。詳しくは、計量法における商品量目制度の概要参照。)。
- 従って、内容量が表示量を超えている場合(過量)にかかる量目公差は規定されていない。
ただし、計量法第10条において、法定計量単位による取引又は証明における計量をする者は、正確に計量をするよう努めなければならないとされている。このため、著しい過量については、同条に基づき指導・勧告等の対象となり得るので、正確な計量に努めること。なお、内容量が表示量を超えている場合の誤差については下記(i)を目安としている。
- 次に、量目公差を適用する特定商品の量には上限が定められているが、表示量が上限を超えた場合の量目公差は規定されていない。
ただし、上限を超えた場合の特定商品についても、計量法第10条の規定により、法定計量単位により取引又は証明における計量をする場合は、正確な計量が求められている。著しく不正確な計量については、同条に基づき指導・勧告の対象となり得るので、正確な計量に努めること。
なお、上限値を超えた特定商品について、
表示量が内容量を超えている場合(不足量)の誤差については、下記(ⅰⅰ)を、
内容量が表示量を超えている場合(過量)の誤差については、下記(i)を
それぞれ目安としている。
- 最後に、特定商品以外の商品については、量目公差は定められていない。
ただし、特定商品以外の商品についても、計量法第10条の規定により、法定計量単位により取引又は証明における計量をする場合は、正確な計量が求められている。著しく不正確な計量については、同条に基づき指導・勧告等の対象となり得るので、正確な計量に努めること。
なお、特定商品以外の商品について、
表示量が内容量を超えている場合(不足量)の誤差については、下記(iii)を、
内容量が表示量を超えている場合(過量)の誤差については、下記(i)を
それぞれ目安としている。
(i)特定商品及び特定商品以外の商品について、内容量が表示量を超えている場合(過量)にかかる誤差範囲の目安
ア 表示量が質量又は体積の場合
表示量(単位はグラム又はミリリットル) |
誤差 |
5以上 50以下 |
5グラム(ミリリットル) |
50を超え 300以下 |
10パーセント |
300を超え 1000以下 |
30グラム(ミリリットル) |
1000を超えるとき |
3パーセント |
(注)パーセントで表された誤差は、表示量に対する百分率とする。
イ 表示量が面積の場合
表示量が、25平方デシメートル以上である場合について表示量の2パーセント(伸び率が大きいものは3パーセント)
(ii)特定商品であって、量目公差の上限値を超えた特定商品の不足量にかかる誤差範囲の目安
誤差は、表示量の1パーセント
(例えば、精米では、量目公差の規制がかかる量の上限は25kgまでであるが、それを超える内容量の場合は1%が誤差の目安となる。)
(iii)特定商品以外の商品であって、内容量が表示量よりも少ない場合(不足量)に関する誤差範囲の目安
表示量が質量又は体積の場合
表示量(単位はグラム又はミリリットル) |
誤差 |
5以上 50以下 |
8パーセント |
50を超え 100以下 |
4グラム(ミリリットル) |
100を超え 500以下 |
4パーセント |
500を超え 1000以下 |
20グラム(ミリリットル) |
1000を超えるとき |
2パーセント |
(注)パーセントで表された誤差は、表示量に対する百分率とする。
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Q4 A4 |
Q: 二重包装の特定商品について、量目公差は内容総量にかかるのか、それぞれの個包装にかかるのか。 |
A: 量目公差は、表示されている量に適用される。例えば、個包装で20gの同じ商品が5つ入って販売されている場合に、
内容量 100g(20g×5個)
のように内容総量100gと個々の内容量20gの両方が表示されている場合は、その表示が括弧の中か外かを問わず、表示されている100gと20gの両方にそれぞれの量目公差が適用される。
ただし、個包装を個別に販売する可能性のあるものについては、販売単位である個包装それぞれに対して量目公差が適用される。
なお、量目公差は、表示量が内容量を超える場合にのみ適用される(「特定商品の販売に係る計量に関する政令」第3条)。
また、特定商品を密封して販売する場合に、その特定物象量の表記は裸の特定物象量(個装紙等を除いた商品のみの特定物象量)とすること。ただし、計量法第13条第1項以外の密封商品の特定物象量表記の場合であって、個装紙込みの特定物象量であることの明示的な表記が行われているのであれば、個装紙込みの特定物象量の表記であっても差し支えない。 |
Q5 A5 |
Q: 量目公差は、なぜ百分率(パーセント)と絶対量(グラム等)で定められているのか。 |
A: 一般的に取引量が大きい場合は量目管理が比較的容易であることから、量目公差は、内容量が多くなるに従って小さくなるようにすることが妥当と考えられる。
ここで、量目公差を百分率(パーセント)だけで定めると、左図のように連続的にならないため、右図のように百分率(パーセント)と絶対量を併用している。 
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Q6 A6 |
Q: 計量法第13条、第14条の「密封」の定義とはどのようなものか。 |
A: 計量法における「密封」とは、同法第13条の規定のとおり、「商品を容器に入れ、又は包装して、その容器若しくは包装又はこれらに付した封紙を破棄しなければ、当該物象の状態の量を増加し、又は減少することができないようにすること」である。
(例)密封に該当する場合
(i)容器又は包装を破棄しなければ内容量の増減ができない場合 |
a: |
缶詰 |
b: |
瓶詰(王冠若しくはキャップが噛み込んでいるもの又は帯封のあるもの等) |
c: |
すず箔、合成樹脂、紙(クラフト紙、板紙を含む。)製等の容器詰めであって、ヒート・シール、のり付け、ミシン止め又はアルミニウム製ワイヤで巻き閉めたもの等 |
d: |
木箱詰め又は樽詰め(釘付け、のり付け、打ち込み又はねじ込み蓋式のもの等) |
e: |
いわゆるラップ包装(発砲スチロール製等の載せ皿をストレッチフィルム等で覆い、フィルム自体又はフィルムと皿とが融着しているもの又は包装する者が特別に作成したテープで留めているもの) |
(ii)容器又は包装に付した封紙を破棄しなければ内容量の増減ができない場合 |
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容器又は包装の材質又は形状を問わず、第三者が意図的に内容量を増減するためには、必ず破棄しなければならないように特別に作成されたテープ状のシール等が、詰込みを行う者によりその容器又は包装の開口部に施されているもの |
(注1) |
紙袋、ビニル袋等の開口部を、ひも、輪ゴム、こより、針金、セロハンテープ、ガムテープ等により封をした程度のもの又はホッチキスで止めた程度のものは、上記の「特別に作成されたテープ状のシール等が施されたもの」には該当しないものとする。 |
(注2) |
いわゆるラップ包装のうち、(i)-eに該当しないものであっても、上記の「特別に作成されたテープ状のシール等」が施されていれば、(ii)に該当する。 |
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Q7 A7 |
Q: 「冷凍食品」の氷衣(グレース)は内容量に含まれるのか。 |
A: 冷凍食品の内容量は、氷衣を除いた質量を示すので、含まれない。 |
Q8 A8 |
Q: 計量法第13条第1項の適用を受ける特定商品に標準XXg、約XXg、平均X個入りという表示ができるか。 |
A: 計量法第13条第1項の適用を受ける特定商品に特定物象量(質量、体積又は面積)の表記を行う際、「標準」、「約」、「ほぼ」等の曖昧な表現を併記することはできない。 |
Q9 A9 |
Q: 輸出する特定商品についても、計量法13条第1項は適用されるのか。 |
A: 計量法13条第1項の表記義務は、輸出する特定商品については適用されない。 |
Q10 A10 |
Q:
- 離水のある商品は、液汁を内容量に含めるべきか、あるいは液汁は内容量から除くべきか。
- 製品由来の液体(肉・魚等の「ドリップ」と呼ばれているもの)を内容量に含めるべきか、除くべきか。
- 液体・水分を除いて計量する方法は具体的にどのようにすればよいか。
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A:
- 離水のある商品の計量方法は、液汁も含んで食するものは液汁を内容量に含めて計量する。固形物のみを食するものは、内容総量から液汁を分離して計量する。
- 製品由来の液体(ドリップ)は内容量に含まれる。
- 液体・水分を除いて計量する方法については、経済産業省計量行政ホームページで公表している「特定商品の販売に係る計量方法等について」の別紙に「農産物漬物の計量方法」を示しているので、農産物漬物以外の商品もこれに準じた計量をすること。
具体的には、つけ汁や煮汁等は「液汁」と見なし、消費者が食べる前に改めて切る必要のない大きさに切断してある商品(漬物の「刻み漬」に相当)は液汁を含めて計量し、その他の商品(漬物の「大割」に相当)は液汁を除いて計量することになる(「農産物漬物の計量方法」各欄及び参考(3)より)。
ただし、液汁を含めて計量できるのは、内容量に対する固形物の割合が表示量の75%(表示量が300 g以下のものにあっては、70%)以上のものに限られ、それに満たない場合は、液汁を除いて計量する必要がある(「農産物漬物の計量方法」参考(2)より)。
また、液汁を除いて計量する具体的方法として、固形物が出ない程度に開封し、開封部分を下にして、液汁が滴下の状態になったところで計量する(「農産物漬物の計量方法」参考(1)より)。
(参考)農産物漬物の計量方法(PDF形式:125KB)
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