1. 概要
2050年カーボンニュートラル目標に向けて、令和2年度第3次補正予算において2兆円の「グリーンイノベーション基金」(以下「基金」という。)を国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に造成しました。本基金では、「経済と環境の好循環」を作っていく産業政策であるグリーン成長戦略において実行計画を策定している重点分野のうち、特に政策効果が大きく、社会実装までを見据えて長期間の取組が必要な領域にて、具体的な目標とその達成に向けた取り組みへのコミットメントを示す企業等を対象として、10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援していきます。
2. グリーンイノベーション基金事業の基本方針
本方針は、産業構造審議会グリーンイノベーションプロジェクト部会(以下「部会」という。)での議論を経て、基金事業における支援対象、成果を最大化するための仕組み及び実施体制等、各研究開発分野に共通して適用する事業実施に係る方針を定めたものであり、経済産業省及びNEDO等は、これに従って、基金事業を実施します。
主な内容
支援対象
グリーン成長戦略において実行計画を策定している重点分野又は「GX実現に向けた基本方針」に基づく今後の道行きが示されている主要分野であり、政策効果が大きく、社会実装までを見据えて長期間の継続支援が必要な領域に重点化して支援
- 従来の研究開発プロジェクトの平均規模(200億円)以上を目安
- 国による支援が短期間で十分なプロジェクトは対象外
- 社会実装までを担える、企業等の収益事業を行う者を主な実施主体(中小・ベンチャー企業の参画を促進、大学・研究機関の参画も想定)
- 国が委託するに足る革新的・基盤的な研究開発要素を含むことが必要
成果最大化に向けた仕組み
研究開発の成果を着実に社会実装へ繋げるため、企業等の経営者に対して、長期的な経営課題として粘り強く取り組むことへのコミットメントを求める
企業等の経営者に求める取組
- 応募時の長期事業戦略ビジョンの提出
- 経営者による分野別ワーキンググループへの出席・説明
- 取組状況を示すマネジメントシートの提出
コミットメントを求める仕組みの導入
- 取組状況が不十分な場合の事業中止・委託費の一部返還等
- 目標の達成度に応じて国がより多く負担できる制度(インセンティブ措置)の導入
3. グリーンイノベーション基金事業で組成するプロジェクト一覧
基金の適正かつ効率的な執行に向けて、産業構造審議会グリーンイノベーションプロジェクト部会において決定された「分野別資金配分方針」を踏まえ、同部会の下に設置された分野別ワーキンググループが、基金で実施するプロジェクトごとの優先度・金額の適正性等を審議します。その上で、担当省庁のプロジェクト担当課室が、各プロジェクトの内容を「研究開発・社会実装計画」として策定し、順次公募を開始していくことになっています。
①洋上風力発電の低コスト化
②次世代型太陽電池の開発
③大規模水素サプライチェーンの構築
④再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造
⑤製鉄プロセスにおける水素活用
⑥燃料アンモニアサプライチェーンの構築
⑦CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発
⑧CO2等を用いた燃料製造技術開発
⑨CO2を用いたコンクリート等製造技術開発
⑩CO2の分離回収等技術開発
⑪廃棄物・資源循環分野におけるカーボンニュートラル実現
⑫次世代蓄電池・次世代モーターの開発
⑬電動車等省エネ化のための車載コンピューティング・シミュレーション技術の開発
⑭スマートモビリティ社会の構築
⑮次世代デジタルインフラの構築
⑯次世代航空機の開発
⑰次世代船舶の開発
⑱食料・農林水産業のCO2等削減・吸収技術の開発
⑲バイオものづくり技術によるCO2を直接原料としたカーボンリサイクルの推進
⑳製造分野における熱プロセスの脱炭素化
関連リンク
お問合せ先
産業技術環境局 エネルギー・環境イノベーション戦略室
電話:03-3501-1511
最終更新日:2024年10月3日