■北米の取り組み事例 |
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●基本的な考え方 |
○北米における拡大生産者責任(プロダクト・スチュワードシップ)について |
1. |
プロダクト・スチュワードシップ |
プロダクト・スチュワードシップとは、環境保全を目的とした製品に注目した手法である。拡大生産者責任(EPR)が知られているが、プロダクトスチュワードシップとは、製品のライフサイクル全体の関係者、つまり製造者、小売業者、ユーザーそして処分者らが製品による環境影響を削減する責任を負うという考え方によるものである。 プロダクトスチュワードシップとは、米国以外で普及している製造者の責任に注目した拡大生産者責任法とは異なる考え方である。プロダクトスチュワードシップにおいては、製品製造者が製品が環境に与える影響を削減するために新しい責任を負うことができ、また、負わなければならないとされている。製造者の相当な参加がなければ、国家として資源の保全と持続可能な経済を大いに発展させることができないことを認めている。しかし、真の変化は製造者だけの活動では常に達成することはできず、小売業者、消費者そして既存の廃棄物管理施設らが、最も活動できコスト効果の高い解決策に向けて協力することが必要と考えられている。その解決策と関係者は製品ごとに異なる。 |
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2. |
ビジネスにおけるプロダクトスチュワードシップ |
ほとんどの場合、製造者は製品の環境影響を削減する最も高い能力をもっているため、最大の責任を負っている。チャレンジを受け入れる企業はプロダクトスチュワードシップも重要な商機と捉えている。自身の製品、サプライチェーンとの関係、そして最終消費者について考え直すことにより、製造者は劇的に生産性、コスト削減、製品と市場の刷新を図り、顧客により少ない環境影響でより多くの価値を提供している。毒性物質の使用を削減し、リユースおよびリサイクル性を高める設計をし、引取りのしくみを構築することは企業が自身の製品に対してより環境に良い責任者となるべく多くの機会となる。 |
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3. |
小売業者のプロダクトスチュワードシップ |
事業者のうち消費者に最も近い存在として、小売業者はプロダクトスチュワードシップに対する入口ともいえる。よりすばらしい環境性能を提供するメーカーを推奨したり、消費者に対して環境にやさしい製品の選び方を教えたり、また消費者にリサイクルするために消費者から収集するようにしたりするなど、小売業者はプロダクトスチュワードシップ革命のintegral partとなる。 |
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4. |
消費者とプロダクトスチュワードシップ |
全ての製品は消費者を念頭において設計されている。最終的にある製品を選択し、責任をもって使用し廃棄しなければならないのは消費者である。プロダクトスチュワードシップにおいて消費者のかかわりなくしてはリサイクルの輪ができない。消費者は環境影響を考慮した製品を選択するという責任ある購買行動をとらなくてはならない。そしてその製品を安全かつ効率的に利用し、最終的に不要となった製品をリサイクルしなければならない。 |
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5. |
州および地方政府とプロダクトスチュワードシップ |
米国の固体廃棄物プログラムは州および地方のレベルで管理されている。従って、州と地方政府はプロダクトスチュワードシップを推進していく上で必要不可欠である。先進的な州では固体廃棄物マスタープランの中にプロダクトスチュワードシップの目的を組み込み、製品のリサイクルに取り組む産業に協力している。いくつかの州では特定の製品に対しプロダクトスチュワードシップのような規制を作成している。また、州の購買行動はプロダクトスチュワードシップを強力に推進することが可能となっている。 |
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6. |
連邦政府 |
連邦政府もプロダクトスチュワードシップを推進している責任を負っている。現在、製造システムの環境影響を管理する連邦政府の権限は限定されている。しかしEPAは積極的に州、地方政府、産業界および非政府組織と調整および協働を促進している。一消費者としては国内最大の消費者である政府機関は環境にやさしい製品を開発するために市場に働きかける手法を利用している。 製品のライフサイクルを語る場合、EPAのプロダクトスチュワードシッププログラムは環境配慮型の設計および資源保全を推進する手法として製品自身に注目した考え方となっている。最終的には、EPAのプロダクトスチュワードシッププログラムは電子機器からカーペットにいたる各種プロジェクトを支援してきた。ライフサイクル全体について考えるために、プロダクトスチュワードシッププログラムは他のEPAのプログラムと共に機能してきている。 |
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