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IAEAは2月に行われた東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水の安全性に関するレビューについて報告書を公表しました

2022年4月29日

本年2月14日から18日にかけて、IAEA(国際原子力機関)の職員及び国際専門家が日本を訪れ、東京電力福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の安全性に関するレビューが行われました。本日、IAEAがこのレビューを通じた見解を取りまとめた報告書が公表されました。

 1.概要

本年2月のALPS処理水の安全性に関するIAEAレビューは、IAEAとの間で昨年7月に署名されたALPS処理水の取扱いに係る包括的な協力の枠組みに関する付託事項(TOR)に基づき実施されたものです。IAEAレビューは、原子力分野の専門機関であるIAEAの職員及び国際専門家からなるIAEAタスクフォースにより、ALPS処理水の放出前・中・後にわたり実施されます。

今回公表された報告書では、主に、昨年12月に東京電力が原子力規制委員会に提出した実施計画変更認可申請書や東京電力が昨年11月に公表した ALPS処理水の海洋放出に係る人及び環境への放射線影響評価報告書の内容を踏まえて、国際安全基準に基づき本年2月に実施されたレビューにおける見解について記されています。 

参考 IAEAタスクフォースには、アルゼンチン、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、韓国、マーシャル諸島、ロシア、米国、英国、ベトナム出身の国際専門家が含まれる。

2.報告書のポイント 

※IAEA報告書からの引用(一部要約)有

放出されるALPS処理水の性状、放出プロセスの安全性、人と環境の保護に関する放射線影響等について、以下の8つの技術的事項について確認が行われました。

  1. 横断的な要求事項と勧告事項
  2. ALPS処理水/放出水の性状
  3. 放出管理のシステムとプロセスに関する安全性
  4. 放射線影響評価
  5. 放出に関する規制管理と認可
  6. ALPS処理水と環境のモニタリング
  7. 利害関係者の関与
  8.  職業的な放射線防護

報告書では、技術的事項毎に、IAEAタスクフォースと経済産業省及び東京電力との議論のポイントや、所見の概要が記載されています。

実施計画の主な内容である関連設備の安全性については、東京電力により詳細な分析がなされ、設備の設計と運用手順の中で的確に予防措置が講じられていることが確認されました。放射線影響評価については、包括的で詳細な分析が講じられており、人の放射線影響は日本の規制当局が定める水準より大幅に小さいことが確認されました。

また、IAEAタスクフォースは、ALPS処理水の放出を行うために相当量の作業と分析が実施されているが、この成果は、IAEAの安全基準の文脈で関連する要求事項への準拠を示すために、文書で明確に説明される必要があると指摘しました。

主な確認事項

(1)ALPS処理水の性状

参考1 α線放出核種の濃度を測定し、異常の有無を検査する方法。
参考2 東京電力が昨年11月に公表した放射線影響評価報告書では、安全評価をより厳しく行うため、半減期が短く既に有意に存在していないと考えられる放射性核種も存在すると想定して計算を行った。

 (2)放出管理のシステムとプロセスに関する安全性

(3)放射線影響評価

(4)放出に関する規制管理と認可

3. IAEA報告書を受けた対応

IAEAタスクフォースからの指摘は、原子力規制庁に補正申請された実施計画や人及び環境への放射線影響評価報告書の見直しに反映され、実施計画や人及び環境への放射線影響評価報告書の内容の一層の充実が図られました。

引き続き、放出計画の進捗に応じて、IAEAレビューを通じて国際的な安全基準に照らした確認を継続し、安全確保に万全を期していく予定です。


2月のIAEAレビュー会合の様子

4.関連資料

担当

資源エネルギー庁
原子力発電所事故収束対応室調整官 田辺
担当者: 泉井、飯塚、安良岡

電話:03-3501-1511(内線 4441)
03-3580-3051(直通)
03-3580-0879(FAX)