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I 我が国の対外収支の変化と世界経済

第1章 我が国の対外収支の変化

 2014年のわが国の経常収支黒字は過去最少となった。貿易収支が過去最大の赤字となったことが主因だが、外国人旅行者の増加や知的財産権等使用料(ロイヤリティ)受取の増加により、サービス収支の赤字幅は減少し、我が国企業の海外事業活動の拡大を反映して第一次所得収支は過去最大の黒字となるなど、近年の経常収支構造の変化は、わが国の対外的な稼ぎ方の変化を示唆している可能性がある。本白書は、わが国の対外的な稼ぎ方を、「輸出する力」、ヒトや企業を「呼び込む力」、海外展開することによる「外で稼ぐ力」という切り口(「3つの力」)から明らかにし、対外経済政策への示唆を提示している。

第2章 今後のグローバルな事業環境に影響を与えうるメガ・トレンド

 今後の世界経済に大きな影響を与えるメガ・トレンドのうち、新興国で進行する高齢化と都市化を取り上げる。高齢化社会においては、医療及び健康分野の需要が拡大し、都市化により都市インフラ整備の需要が拡大する。また、都市化に伴ってサービス需要が増大することから、サービス輸入の拡大も期待できる。加えて、これらのトレンドは、同時にサステナビリティの要請を満たすことが求められている。これらのメガ・トレンドを、日本の技術やイノベーションの強みを活かすチャンスとして捉えていくことが必要である。

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