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第2節 新輸出大国コンソーシアム

1.新輸出大国コンソーシアムの設立

我が国の中堅・中小企業は多様な事業を行っており、海外展開の際に直面する課題も様々である。JETROが行ったアンケート調査によると、海外展開に向けた課題として、多くの企業が、「現地市場に関する情報」や「現地でのビジネスパートナー」(販路開拓)、「海外ビジネスを担う人材」(人材確保)、「必要な資金の確保」(資金確保・リスクへの対応)、「海外の制度情報」(現地規制・規格への対応)など、様々な課題を挙げている(第Ⅲ-3-2-1図)。

したがって、中堅・中小企業の海外展開支援に当たっては、個々の企業のニーズに応じて、専門家が寄り添い、情報収集、計画策定から販路開拓に至るまでの総合的な支援をきめ細かく行うことが必要である。こうした背景から、2016年2月26日に「新輸出大国コンソーシアム」が設立された。(第Ⅲ-3-2-2図)

第Ⅲ-3-2-1図 海外展開の課題についての企業アンケート結果

第Ⅲ-3-2-2図 新輸出大国コンソーシアム概要図

2.新輸出大国コンソーシアムによる支援状況

「新輸出大国コンソーシアム」の設立以降、工業品のみならず、農水産品、サービスなども含めた多様な業種にわたる7,088社に対し会員証を発行し、専門家を割り当て、支援を実施している(支援対象企業の業種は第Ⅲ-3-2-3図参照)。また、全国で1,110の支援機関が参加(支援機関の構成は、第Ⅲ-3-2-4表参照)しており、今後も、参加機関の拡大に努め、支援メニューの一層の充実を図る。専門家については、中堅・中小企業が直面する様々な課題に対応するため、幅広い分野における473名の専門家を確保した。

第Ⅲ-3-2-3図 支援対象企業の業種(2018年3月31日時点)

第Ⅲ-3-2-4表 支援機関の構成(2018年3月31日時点)

3.新輸出大国コンソーシアムによる支援の取組

新輸出大国コンソーシアムでは、中堅・中小企業の海外展開に関する主な課題である「販路開拓」「人材確保」「資金確保・リスクへの対応」「現地規制・規格への対応」等について、支援機関と相互に連携しながら、以下の支援を実施している。

(1)販路開拓

支援対象企業のニーズに応じて、専門家が、市場調査、ビジネスプランの策定、バイヤーの選定、現地での商談、基準・認証制度への対応、海外店舗の立ち上げなどを通して、海外展開のあらゆる段階において適切なサポートを行い、企業の輸出・現地進出をハンズオン支援している。

(2)人材の確保

支援機関である海外産業人材育成協会(AOTS)が、海外進出先のビジネスを担う外国人材を育成するため、日本での受入れ研修や海外への専門家派遣による支援を実施している。また、JETROが、海外展開を目指す企業における高度外国人材や外国人留学生の採用を支援するため、企業向けセミナー等の機会を提供している。

(3)資金確保・リスクへの支援

日本貿易保険(NEXI)、国際協力銀行(JBIC)、日本政策金融公庫(JFC)などが、支援機関として、企業の様々な金融面のニーズに対応している。貿易代金の回収不能など貿易に係る損失をカバーするNEXIの貿易保険のほか、JBICの現地通貨建て融資(バーツ、ルピア等)、JFCの海外展開・事業再編資金融資など海外展開も支援している。

(4)現地規制・規格への対応

現地の輸入規制、海外展開に必要なUL、CEマーク等の国際認証やFDA取得に関する支援対象企業の課題解決のため、専門家による情報提供や、国際認証の取得手続きについてのアドバイスを行っている。

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