投資向けサービスが際立った前月比上昇をみせ、4月の第3次産業活動指数は、ほぼ8年ぶりの高水準。基調判断は、「一進一退」のみに引き上げ
2016年6月10日

 
平成28年4月の第3次産業活動指数は、前月比1.4%上昇と、2か月ぶりに、第3次産業活動指数としては大きめの前月比上昇となりました。指数値104.6というのは、平成26年3月の駆け込み需要期の指数水準を除けば、ほぼ8年ぶり、平成20年(2008年)5月の104.7以来の高い指数となりました。
4月の鉱工業生産指数も2か月連続の上昇となっており、財生産、サービスともに、停滞感のあった第1四半期とは異なる印象を受ける結果でした。

平成28年4月の第3次産業活動指数の業種別の動きをみると、化粧品類や資本財の出荷が良かった卸売業、建設コンサルタントへの受注が早くも動き出していた事業者向け関連サービス、3月の大きな低下から反動的に流通業務(株式取引)が上昇した「金融業,保険業」、受注ソフトウェアが上昇した「情報通信業」、さらには、マンション分譲業や戸建住宅売買業が戻った「不動産業」が、上昇業種となりました。
一方、その低下幅はそれぞれ小幅ではありますが、11大分類業種のうち、5業種が前月比低下となりました。
また、広義対個人サービスと広義対事業所サービスで分けてみると、対事業所サービスが2か月連続で前月比2.2%上昇となり、対個人サービスは2か月ぶりに前月比0.8%上昇となりました。
投資向けサービスが前月比10.9%上昇と際だった上昇をみせており、ほぼ3年ぶりの高いレベルとなっています。設備、建設、情報化といった各投資分野に関係するサービスが揃って上昇するという珍しい月となりました。
対個人サービスも前月比上昇ではありましたが、自動車小売業等を除く小売業や娯楽業の中のスポーツ関連、ギャンブル関係が前月比低下となっており、対個人サービスの上昇幅の「重し」となりました。とはいえ、観光関連、飲食関連、また、娯楽業の中でも映画館や「遊園地・テーマパーク」は前月比上昇となっており、3月までの動きとは印象の異なる動きとなりました。
個人サービスの中の懸念要因となっていた「し好的個人サービス」に関連する系列には、良い方向に変化しているものが多くなっていました。
5月以降も、投資向けサービスやし好的個人向けサービスの方向感が維持されることを期待したいところです。
こういった状況を踏まえ、平成28年4月の第3次産業(サービス産業)の基調判断については、「一進一退」へと引き上げることとしました(「一部に弱さがみられる」を削除)。
今年に入って、個人向けのサービスを中心に勢いがなくなってきていたサービスビジネスですが、4月は企業の投資向けサービスへの発注増によって、高い水準となり、方向感の変化を期待させる結果となりました。
◎第3次産業活動指数 結果概要
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/html/b2010_201604j.html
◎参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-201604.html
◎『就職にも使える! 第3次産業活動指数』(マンガ) https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html
○問合せ先
経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室 第三次産業指数班
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