経済産業省
文字サイズ変更
  • 印刷

平成28年12月の鉱工業生産は、前月比0.5%上昇、5か月連続で前月比マイナスなしが続いている。企業の生産計画を集計した結果では、今年の1月、2月も横ばいから若干の増産は期待できる結果。
2017年1月31日

鉱工業生産は、5か月連続で前月比低下なし

平成28年12月の「生産」は、季節調整済指数100.4、前月比0.5%と2か月連続上昇でした。これで、平成28年10月の横ばいを挟んで、5か月間前月比マイナスがない状態が続いています。

ただ、この12月速報で計算すると平成28年の指数値は97.6で、残念ながら前年比マイナス0.2%低下となりました。12か月のうち7か月が前年同月比マイナスで、半分以上の月で前年水準を上回れませんでした。平成27年後半の落ち込みが大きく、平成28年年初の水準が低くなっていましたので、平成28年後半の勢いだけでは、前年水準を上回れなかったのは、致し方ないのかもしれません。


12月の出荷は、指数値99.0、前月比マイナス0.3%低下と4か月ぶりの前月比低下となりました。平成28年の第4四半期の鉱工業出荷は、前期比3.5%上昇で、前期比上昇も3期連続ですが、前期比上昇幅が大きくなり、10四半期ぶりに、前年同期水準を上回りました。ただ、生産同様、平成27年後半の落ち込みが大きく、平成28年当初の出荷水準が低くなっていました。そのため、平成28年後半の出荷の勢いの回復だけでは、前年比上昇には及ばず、平成28年の鉱工業出荷は前年比マイナス0.8%低下に留まりました。


今年1月、2月の生産計画は水準維持又は若干の増産

今年に入っての生産計画に関する予測調査の結果でも、昨年12月の生産水準が維持される、又は若干の上昇が見込まれているという結果となっています。


今年1月実施の予測調査の結果は、調査結果そのままでは前月比3.0%上昇ですが、傾向的な過大予測バイアスを補正すると、前月比0.5%上昇という計算結果となっています。

2月の生産計画は、補正なしで1月比0.8%上昇となります。1月の生産実績がこの生産計画から多少低下すること及び生産計画は下方修正されることを踏まえれば、2月も生産水準が維持され、場合によっては、前月比上昇となる可能性もあるといった評価になるものと思われます。

電子部品・デバイス工業の生産、出荷が回復

業種的な動きを見ると、平成28年12月の鉱工業生産への影響度、寄与が大きいのは、上位4業種である、輸送機械工業、医薬品を除く化学工業、電子部品・デバイス工業、電気機械工業でした。その中でも、12月は輸送機械工業の影響度合いが、2位以下の業種の倍以上の大きさとなっており、寄与が大きくなっています。


業種別の向こう2か月、平成29年1月、2月の生産計画を見ると、今年1月については、はん用・生産用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、電気機械工業の4業種の上昇寄与が大きくなっています。

2月の生産計画を引き上げているのは、輸送機械工業と電子部品・デバイス工業です。


今回の指数結果の業種別の特徴ということでは、電子部品・デバイス工業が生産、出荷ともに3か月連続で上昇しているほか、半導体や電子部品の材料となるファインセラミックスの機能材の生産、出荷が好調となっていることが挙げられると思います。やはり、スマホ向けの部品、そしてその部品向けの材料の出荷が旺盛であることによるようです。大型の液晶も好調であることなどから、アジアにおける電子機器生産からの引き合いの勢いが戻っているようです。

こういった鉱工業指数などを踏まえまして、平成28年12月の鉱工業生産の基調判断については、「持ち直しの動き」で据え置きとしたいと思います。


結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/b2010_201612sj.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-201612s.html
鉱工業指数の仕組みと見方 入門スライド
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160511iip_nyuumon.html

本経済解析室ニュースは印刷用のPDFでも御覧いただけます。印刷用ファイルPDFファイルをダウンロードして印刷してください。

              

問合せ先

経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
電話: 03-3501-1511(代表)(内線2851)、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
E-MAIL : bzl-qqcebc■meti.go.jp (■を@に置き換えてください)

経済解析室ニュース一覧へ戻る

経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.