生産財の動きは、昨年12月の需要=出荷も旺盛。企業の設備投資向けの資本財の出荷も基調的には堅調だが、年明け大きく上昇するという企業の生産見込みではない。消費財は、今一つの動き。 2017年2月1日
部品や材料といった生産財の需要は堅調
需要先用途別の分類である財別出荷指数から、需要の動きを見てみます。
昨年12月の生産財の出荷は前月比1.3%上昇で7か月連続の前月比上昇です。前年同月比も4.1%上昇が2か月続いており、鉱工業生産の好調を反映して、部材や原料への需要が旺盛であることが分かります。

企業の設備投資向けの財の需要は、高水準を維持
最終需要財の中では、資本財の出荷が前月比マイナス4.6%低下と、5か月ぶりの前月比低下となりました。設備投資の勢いを示す輸送機械を除く資本財の出荷も7か月ぶりに前月比低下で、前月比マイナス1.8%でした。とはいえ、前年同月比プラスは維持されており、四半期単位では、3四半期連続の上昇は維持されていますので、設備投資向けの財の出荷水準が劇的に低下しているということではありません。
輸送機械を除く資本財の1月の生産計画は前月比7.8%上昇見込みとなっていますので、1月段階では、企業の需要見込みはまだプラスかと思います。ただし、この1月の生産計画は昨年12月段階の計画からはマイナス3.5%の低下となっており、かつ2月の生産計画が1月比マイナス1.7%低下となっていることが気がかりです。ここからすると、1月以降の設備需要について、企業は、水準は維持されるものの、大きく伸びるとも考えていないということになろうかと思います。

耐久消費財の需要(=出荷)は、2か月連続低下
消費財関係では、12月の耐久消費財の出荷は前月比マイナス0.9%低下と、2か月連続の低下となりました。冷暖房用、家事用の出荷が低下していますが、家電製品というよりもガス関係の品目の出荷が軒並み低下していました。
耐久消費財の生産計画をみると、引き続きガス関係の一部の品目が減産計画であること、やはり乗用車の生産が抑制気味であることから、1月の生産計画は前月比でマイナス0.6%の低下となっています。ただ、2月は、乗用車の生産計画が上昇することなどから、生産計画は上向きとなっていますので、企業の需要見込みは、現状維持から若干の上向きを見込んでいると言えるでしょう。
他方、非耐久消費財の12月の出荷は前月比0.1%上昇でした。10月、11月と前月比低下が続きましたが、ここで下げ止まりました。ガソリンなどの出荷が良かったためです。先行き1月の生産計画は、大きく上方修正され、前月比4.5%上昇見込みとなっています。2月の生産計画は、マイナス0.2%低下ですが、1月の計画水準が維持されるという計画になっています。

生産財需要見通しは堅調だが、消費財は相対的に今一つ
実績でみても、メーカーの需要見込み=生産計画からしても、企業の生産財需要は、堅調な推移が見込まれると思われます。
また、企業の投資向けの財の需要は、その水準は基調的には安定しており、先行きについても大きく落ち込むという数値にはなっていません。
消費財については、耐久消費財についても非耐久消費財についても、資本財のように出荷の前月比上昇が数ヶ月連続するということはなく、上がっては下がりとなっており、上昇に持続力がありません。1月、2月の企業の生産計画においても、上がると下がるという結果であり、需要レベル、即ち出荷レベルが大きく跳ね上がるという感じではないようです。
全体的にみて、生産財の需要は堅調で、設備投資向けの財は安定的推移という様相ですが、消費財関係については、乗用車を除くと、資本財との比較で勢いが今一つという感じではないでしょうか。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/b2010_201612sj.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-201612s.html
- 鉱工業指数の仕組みと見方 入門スライド
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160511iip_nyuumon.html
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