平成29年5月の第3次産業活動指数は、4月の大幅上昇の割には、微減に留まった。 2017年7月12日
平成29年5月の第3次産業活動指数総合は、季節調整済指数104.9、前月比マイナス0.1%低下と、2か月ぶりの前月比低下となりました。
前月4月は、第3次産業活動指数としては大きめの前月比1.4%上昇でしたので、そこからの反動的な低下もあり得るところでしたが、実際には5月の第3次産業活動指数総合は、微減、ほぼ横ばいに留まりました。

一頭地抜きんでた指数水準を維持
5月の基調的なサービス産業の動きを確認するために、第3次産業活動指数総合の後方3か月移動平均を見てみます(上のグラフ参照)。
昨年7月に3か月平均の指数が103.8となってから、今年4月の3か月平均の指数が104.2になるまでの10か月間、この後方3か月平均の指数は104を中心にプラス/マイナス0.2の狭い変動の中で推移していました。さらに、遡れば昨年4月に3か月平均の指数が103.8となっていました。
今回の5月の3か月平均の指数値は、104.5となり、ここ1年ほどの「104を中心にプラス/マイナス0.2の狭い変動」の範囲からは、明らかに上振れしました。
上昇低下ともに、特定系列が大きく変動
2か月ぶりの前月比低下となりましたが、11大分類業種のうち、6業種が前月比低下、4業種が前月比上昇、「金融業,保険業」は前月比横ばいでした。サービス産業全体の低下幅が小幅であったこともあり、低下業種と上昇業種の数にあまり違いはありませんでした。
前月比低下業種6業種のうち、影響度、寄与が特に大きいのが事業者向け関連サービスでした。内訳としては、技術サービス業、その中でも土木・建築サービス業の建設コンサルタントのマイナスの影響が極端に大きくなっています。
他方、上昇方向では、卸売業の上昇寄与が特に大きくなっていました。

対事業所サービスは3か月連続のプラス
5月の対個人サービス産業活動指数は、指数値105.8、前月比マイナス0.4%と2か月ぶりの低下となりました。対事業所サービス産業活動指数は、指数値104.3、前月比0.1%と3か月連続の上昇です。
5月のサービス産業全体の小幅低下への影響度という意味では、対事業所サービスが上昇寄与となり、対個人サービスは、4月の少し極端な上昇から、マイナスの寄与となっています。

基調判断を「持ち直しの動き」に上方修正
5月の第3次産業活動指数は、4月の大きめの上昇の翌月としては、小幅な前月比低下、微減でした。このため指数値も一頭地抜きんでた高めの水準を維持しています。
また、今回の5月の3か月平均の指数値は、104.5となり、ここ1年ほどの「104を中心にプラス/マイナス0.2の狭い変動」の範囲からは、明らかに上振れしました。さらに、4月と5月の平均は105.0で、6月が3%以上の低下とならない限り、今年の第2四半期は、前期比プラスとなる見込みで、2期連続の前期比マイナスは避けられそうな結果でした。
対個人サービス、対事業所サービスにおいて、同様の状況が現出しています。
このような指数の動きを踏まえ、5月のサービス産業(第3次産業)活動の基調判断については、「持ち直しの動き」に上方修正したいと思います。

- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-201705.html
- 『就職にも使える! 第3次産業活動指数』(マンガ)
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html
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