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今年6月は、12業種が生産上昇。輸送機械工業が乗用車関係を中心に、生産が回復。意外にも、電子部品・デバイス工業の生産が2か月連続低下で、低下寄与が大きかった。第2四半期では、はん用・生産用・業務用機械工業と輸送機械工業が上昇寄与。 2017年7月31日

15業種のうち、12業種が生産上昇。

平成29年6月の鉱工業生産は、前月比1.6%と2か月ぶりの上昇だった訳ですが、15業種のうち12業種が前月比上昇となりました。

6月の生産上昇への影響度、寄与が大きいのは、輸送機械工業、化学工業(除.医薬品)、電気機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業などでした。

6月の寄与全体に対し、輸送機械工業の寄与がほぼ半分となっており、5月の計画減産から回復した乗用車等の生産回復が、6月の生産上昇の原動力だったようです。

他方、6月の生産低下3業種の中では、電子部品・デバイス工業の低下寄与が、特に大きくなっており、2か月連続の前月比低下です。

輸送機械工業は、乗用車を中心に前月比4.2%上昇

6月の輸送機械工業の生産は、前月比4.2%上昇となりました。4月の10.8%上昇、5月のマイナス13.0%低下と激しく上下動していますが、6月の指数レベルは3月の指数を上回るレベルに落ち着きました。

全業種の全品目(業種細分類)の中でも、乗用車、自動車部品の生産寄与が上位1、2位となっており、6月の生産回復に大きな寄与を見せています。6月の前月比上昇への寄与としては、普通乗用車、小型乗用車の寄与が大きいのですが、軽乗用車についても前年同月比45%以上の増産となっており、昨年、災害やトラブルその他の要因で生産が低下した軽乗用車の生産回復が目立ちます。

また、輸送機械工業については、出荷も前月比5.5%上昇と伸びており、在庫指数が前月比マイナス8.6%低下と2か月連続の低下となっています。鉱工業全体の在庫の前月比低下の主要因は、まさに乗用車3車種だったという結果になっています。

電子部品・デバイス工業は、生産が2か月連続低下

6月に鉱工業生産全体に対し、最も大きな低下寄与となった電子部品・デバイス工業の生産は、前月比マイナス2.6%低下と2か月連続の低下となりました。今年第2四半期の生産は前期比1.3%上昇であることから、均してみれば大きく生産が低下している訳ではありませんが、6月の電子部品・デバイス工業の生産指数の水準は今年3月に次いで低い値となっています。

主にメモリ用の半導体集積回路の生産低下(前月比マイナス18.4%低下)によって、6月の電子部品・デバイス工業は生産低下しています。他方、液晶素子の方は、大型が前月比マイナス2.2%低下でしたが、中・小型の生産は前月比10.9%上昇となっています。また、電子部品・デバイス工業の6月の出荷をみると、前月比2.9%上昇となっており、大型、中・小型の液晶が出荷のけん引役となっています。

5月の電子部品・デバイス工業では、生産・出荷ともにその低下の主要因は、中・小型の液晶でした。集積回路のメモリの生産は上昇していました。

どうも、メモリと液晶の生産、出荷がずれてきているようです。

第2四半期の生産には、はん用・生産用・業務用機械工業と輸送機械工業が上昇寄与

今年第2四半期の鉱工業生産は前期比1.9%上昇でしたが、この上昇への寄与が大きかったのは、はん用・生産用・業務用機械工業と輸送機械工業の2業種で、少し離れて化学工業(除.医薬品)が続いています。

はん用・生産用・業務用機械工業では、マシニングセンタ、数値制御ロボットといった生産機械類やショベル系掘削機械といった建設機械類の生産が伸びており、設備投資向けの財の生産が好調でした。

輸送機械工業では、普通乗用車と自動車部品類の生産が好調でした。

寄与は落ちますが、化学工業の生産上昇寄与品目をみると、乳液、美容液、化粧水といった化粧品類が並んでおり、ここしばらく続いている化学工業における下流製品の生産好調がここにもみえてきています。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-201706s.html
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html

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