平成29年7月の鉱工業生産は前月比マイナス0.8%低下。とはいえ、反動的な低下としては小幅であり、在庫も年初の積み上がり分を解消で、持ち直しの動き継続。 2017年8月31日
7月の生産、出荷は2か月ぶりに前月比低下
平成29年7月の鉱工業生産は、季節調整済指数101.5、前月比マイナス0.8%低下となりました。前年同月比は4.7%上昇で、9か月連続で前年同月比上昇が続いています。また、指数水準は本年上半期の水準を超えています(平成29年上半期季節調整済指数の平均値101.0)。
7月の鉱工業出荷は、指数値100.0、前月比マイナス0.7%低下となりました。前年同月比は4.1%上昇で、生産同様に、昨年11月から9か月連続で前年同月比上昇が続いています。
7月は前月比低下となりましたが、出荷においても前月比低下幅は、6月の上昇幅に比べて小さくなっています。その指数水準は上半期水準(99.2)を超えており、第2四半期の水準を保っています。
年初に積み上がった在庫はかなりの部分解消
7月の鉱工業在庫は、指数107.8、前月比マイナス1.2%低下と2か月連続で前月比低下となりました。7月の指数値は、今年1月の指数レベルに大分近づいており、在庫指数のグラフをみても、今年に入って積み上がった分が、この7月にかなりの程度、解消されていることが分かります。
8月の生産計画は前月比上昇、9月は少し大きめの低下見込み
8月上旬に実施した平成29年8月、9月の生産計画を調査した、生産予測調査の結果です。平成29年8月の生産計画については、調査結果そのままを集計すると、前月比6.0%上昇を見込むという結果になっています。9月の生産計画は、この8月計画からマイナス3.1%低下するという結果でした。
ただ、鉱工業生産が8月の計画値のままに上昇を見せるとは思えません。この生産計画が持っている上方バイアスを統計的に除去する補正計算をすると、前月比1.4%上昇程度になる計算となり、実績としてはこの程度ではないかと思われます。8月の生産がこの程度の伸びとなれば、9月の生産水準は8月水準に対し横ばいないし微減という程度になるものと思われます。
基調判断は据え置き「生産は持ち直しの動き」
7月の鉱工業生産は前月比マイナスとなりましたが、引き続き前年同月水準を上回る生産が続いています。指数値は第2四半期の値よりは低いですが、今年上期平均の値を上回っています。前月比低下も、それはほとんどが6月の大きな上昇からの反動であり、相対的に小幅にとどまっています。他方、在庫水準は大きく低下しており、年初の積み上がり分を相当程度解消できています。
こういった状況を踏まえ、基調判断については、「生産は持ち直しの動き」で据え置きたいと思います。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-201707s.html
- マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html
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