7月の国内向け出荷は、前月比マイナス0.6%と2か月ぶりの低下。輸送機械を除く資本財と耐久消費財の低下の影響が大。 2017年9月8日
7月の国内向け出荷は前月比低下
平成29年7月の国内向け出荷は、前月比マイナス0.6%と2か月ぶりの低下となりました。輸出向け出荷も前月比マイナス2.1%の低下となっており、7月の出荷は、内外需とも低調であったということになります。

7月の国内向け出荷指数は98.9でした。今年の4-6月期の指数値が99.3でしたので、第3四半期の国内向け出荷は、前四半期よりも少し低い所からのスタートということになります。
他方、国内向け出荷指数の3か月移動平均のグラフの推移をみると、昨年の4月以来の緩やかな上昇基調は続いているように見えますので、7月の状況から、ただちに基調が変化したとまでは判断できないと思われます。

電子部品・デバイス工業は上昇も、はん用・生産用・業務用機械工業が低下
7月の国内向け出荷の業種別の動きをみると、14業種中10業種が前月比低下となりました。低下寄与が大きかったのは、はん用・生産用・業務用機械工業で、ボイラ・原動機、風水力機械・油圧機器等の低下によるものでした。
2位以降については、電気機械工業(※下の「グラフ」ではその他に含まれています)、鉄鋼業(※同左)、医薬品を除く化学工業と続いています。

輸送機械を除く資本財と耐久消費財の需要低下が、国内向け出荷の低下要因
国内向け出荷の需要先別用途別分類(財別分類)では、企業の中間投入となる生産財の国内向け出荷は前月比0.0%と横ばいで、製造業の中間投入となる鉱工業生産財は前月比マイナス0.8%の低下となりました。7月の鉱工業生産が前月比マイナスですので、生産財の国内向け出荷が伸びないのは、致し方ないかと思います。
最終需要財の国内向け出荷も前月比マイナス0.8%の低下となりました。この低下については、耐久消費財が大きな低下寄与となっており、7月の耐久消費財は前月比マイナス2.7%の低下となりました。

また、最終需要財のうち、企業の設備投資に充当される輸送機械を除く資本財の7月の国内向け出荷は、前月比マイナス4.3%と2か月連続して低下となりました。

国内向け出荷の主要財別前月比のレーダーチャートを確認します。
これをみると、鉱工業用生産財、非耐久消費財、建設財の国内向け出荷の前月比は基準となる前月比横ばいの点線に近い所に位置しています。他方、輸送機械を除く資本財と耐久消費財の前月比は、基準線が作る五角形の内側に大きく「落ち込んで」います。このレーダーチャートの形状からも、7月の国内向け出荷が輸送機械を除く資本財と耐久消費財が相対的低下によって、押し下げられたことを確認できます。

- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result/slide/result-utiwake-sanko-201707.html
- 鉱工業出荷内訳表、総供給(いわゆるバランス表)をちょっとながめてみました
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160511iip_bl_gaiyou.html
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