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平成29年8月の鉱工業生産は前月比2.1%上昇し、年初に積み上がった在庫も解消。9月の生産計画の低下幅も限定的で、10月はそこから若干上昇を期待出来る予測指数。 2017年9月29日

8月の生産、出荷は2か月ぶりに前月比上昇

平成29年8月の鉱工業生産は、季節調整済指数103.6、前月比2.1%上昇となりました。前年同月比は5.4%上昇で、10か月連続で前年同月比上昇が続いています。8月の指数水準は、今年第2四半期の指数値102.1を上回っており、7月と8月の生産指数の平均は102.6となり、仮の第3四半期としては、前期を上回る結果となっています。

8月の鉱工業出荷は、指数値101.8、前月比1.8%上昇となりました。前年同月比は5.8%上昇で、生産同様に、昨年11月から10か月連続で前年同月比上昇が続いています。

7月は前月比マイナスではありましたが、出荷水準自体は第2四半期の水準を維持していました。8月の出荷は、そこから更に指数水準を上げてきたことになります。出荷指数の水準としても、今年4月の101.1を上回り、消費税率引上げ後の最高値を更新したことになります。

7月と8月の出荷指数の平均は100.9ですので、9月の出荷指数がかなり大きく低下することがなければ、今年第3四半期の出荷も前期比プラスになることもあり得る結果となっています。

生産上昇への影響が大きいのは、はん用・生産用・業務用機械と輸送機械

平成29年8月の鉱工業生産では、15業種のうち11業種が前月比上昇となりました。この上昇11業種のうち7業種と大部分が前月7月からの反転上昇業種でした。全体15業種のうち、反転上昇業種が7業種と半分を占めていることが、8月の比較的大きめの前月比上昇幅の背景の一つかと思います。8月の生産上昇への影響度、寄与が特に大きいのは、はん用・生産用・業務用機械工業と輸送機械工業で、それに少し離れて、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業が続くという順位になっています。

年初に積み上がった在庫はかなりの部分解消

8月の鉱工業在庫は、指数値107.2、前月比マイナス0.6%低下と3か月連続で前月比低下となりました。8月の指数値は、昨年末12月の在庫レベルを下回り、今年前半に積み上がった在庫が解消されました。在庫指数のグラフをみても、今年に入って積み上がった分が、この8月に解消されていることが分かります。

9月の生産計画は前月比低下、10月はそこから若干の上昇を見込む

9月上旬に実施した平成29年9月、10月の生産計画を調査した、生産予測調査の結果です。

平成29年9月の生産計画については、調査結果そのままを集計すると、前月比マイナス1.9%低下を見込むという結果になっていますが、補正を施すと、前月比マイナス1.4%程度に低下幅が縮小するという計算結果です。この程度の低下幅に収まれば、第3四半期の鉱工業生産も前期比プラスを維持できる可能性が高くなっていると思います。

また、10月については、調査結果そのままで9月計画からプラス3.5%上昇という結果になっています。9月の生産が若干上振れし、多くの月のように実績が生産計画から下振れするであろうことを加味しても、10月の生産が実績段階でも若干の前月比プラスとなることを期待出来る結果で、少なくとも生産水準が維持される可能性が高いという結果かと思います。

基調判断は据え置き「生産は持ち直しの動き」

8月の鉱工業生産は前月比プラスで、引き続き前年同月水準を上回る生産が続いています。7月、8月の生産指数の平均は、第2四半期の値を上回っています。9月の生産予測指数結果から導かれる程度の前月比低下幅であれば、第3四半期の生産も前期比プラスの可能性が高くなっています。在庫の積み上がりも解消し、出荷の勢いも出てきています。

こういった状況を踏まえ、基調判断については、「生産は持ち直しの動き」で据え置きたいと思います。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-201708s.html
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html

問合せ先

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