平成２９年８月の輸出向け出荷は、前月比５.４％と２か月ぶりの上昇。輸送機械工業の輸出向け出荷が、米国向け出荷を中心に大きく寄与した。中国向けの電子部品・デバイス工業出荷も急伸。 2017年10月6日

• ８月の輸出向け出荷は前月比上昇
• 輸送機械工業などが上昇したものの、「医薬品を除く化学工業」などが低下
• 部品などの生産財が輸出向け出荷を大きく上昇させた
• 中国向け出荷が大きく上昇

平成２９年８月の輸出向け出荷は、前月比５.４％と２か月ぶりの上昇となりました。国内向け出荷も前月比１.０％の上昇となっており、８月の出荷は、内外需とも好調であったということになります。とはいえ、寄与としては、輸出向け出荷の方が大きくなっています。

８月の輸出向け出荷指数は１０８.２でした。７月と８月の輸出向け出荷の平均は１０５.５で、前期比マイナスとなった今年第２四半期の１０２.６よりは大分高い水準です。

輸出向け出荷指数の３か月移動平均のグラフの推移をみると、昨年後半からの勢いのある動きが、今年４－６月期に停滞しました。そこから、この８月にぐっと上向きの動きとなっています。こうなると、９月に極端な低下がなければ、第３四半期の輸出向け出荷は前期比プラスの期待は十分出来そうです。

８月の輸出向け出荷の業種別の動きをみると、１４業種中１２業種が前月比上昇となりました。上昇寄与が大きかったのは、輸送機械工業で、乗用車、船舶・同機関等の上昇によるものでした。

２位以降については、電子部品・デバイス工業、はん用・生産用・業務用機械工業と続いています。電子部品・デバイス工業は、国内向け出荷が前月比マイナスで、出荷全体も前月比マイナスではありますが、輸出向け出荷の大幅な上昇で、出荷の落ち込み幅は相当緩和されたようです（８月の電子部品・デバイス工業の輸出向け出荷上昇幅は、今年２月に次ぐ高さ）。

輸出向け出荷の需要先別用途別分類（財別分類）では、生産財の輸出向け出荷は前月比４.５％と２か月ぶりの上昇で、製造業の中間投入となる鉱工業用生産財の輸出向け出荷も前月比３.５％と２か月ぶりの上昇となりました。電子部品・デバイス工業などの輸出向け出荷が上昇した結果です。

８月の最終需要財の中では、資本財の輸出向け出荷が前月比４.４％と２か月ぶりの上昇となり、耐久消費財の輸出向け出荷についても前月比６.５％と２か月ぶりの上昇となりました。

輸出向け出荷の主要財別前月比のレーダーチャートを確認してみると、８月の青い五角形が、バランス良く大きくなっているという印象です。建設財の頂点がやや外に張り出しているようですが、７月のピンクの歪んだ五角形において、「へこんでいた」頂点が建設財ですので、反動的な面があるようです。

とはいえ、８月の財別の輸出向け出荷の伸びは、各需要先がバランス良く伸びたといって良いと思います。

８月の主要仕向け先別の輸出向け出荷の動きをみると、いずれの地域でも前月比上昇となっているのですが、その中でも、中国向け出荷の上昇寄与が大きくなっています。７月は中国向け出荷の低下寄与が大きかったので、多少、その反動という面もあるかと思います。

主要業種の米国向け出荷と中国向け出荷の寄与を比較すると、輸出向け出荷の上昇に最も大きく寄与した輸送機械工業では、中国向け出荷でも伸びが見られましたが、米国向けの寄与はその３倍近くになっています。他方、寄与２位の電子部品・デバイス工業では、中国向け出荷の寄与が米国向けの５倍近くとなっていました。

他の主要業種２業種では、米国向け出荷が前月比マイナスで、中国向け出荷は前月比プラスと対照的な結果となっています。

米国向け出荷と中国向け出荷の内容には、違いがあるのですが、８月は輸出向け出荷の伸びが大きかった分、その違いが増幅して表れたようです。

結果概要のページ

https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result-1.html

参考図表集

https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result/slide/result-utiwake-sanko-201708.html

鉱工業出荷内訳表、総供給（いわゆるバランス表）をちょっとながめてみました

https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160511iip_bl_gaiyou.html

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