平成29年8月のサービス産業活動は、2か月ぶりの小幅な前月比低下、今年4月以降105前後に上昇した水準を5か月連続で維持している状態で、基調判断は「高い水準で横ばい」に。 2017年10月12日
- かろうじて、4-6月期の水準を維持している状態
- 低下幅の大きい「卸・小売業を除いたサービス」活動指数
- 対個人、対事業所サービスはともにマイナス方向に寄与
- 8月のサービス産業の勢いは「高い水準で横ばい」へ
かろうじて、4-6月期の水準を維持している状態
平成29年8月の第3次産業活動指数総合は、季節調整済指数104.7、前月比マイナス0.2%上昇と2か月ぶりの低下でした。
第3次産業活動指数の7月、8月の平均は104.8となりました。今年の4-6月期の四半期値は、ほぼ9年ぶりの高水準である104.9となっており、この第3四半期も、その水準をある程度維持しているとは言えるでしょう。ただ、9月は、8月から若干でも前月比上昇しないと、第3四半期は前期比マイナスになってしまうレベルとなっています。
第3次産業活動指数総合の後方3か月移動平均の推移をみても、本年6月からの3か月はほぼ横ばいとなっていますので、第1四半期から第2四半期への勢いは、第2四半期から第3四半期への過程では見られない状態です。

低下幅の大きい「卸・小売業を除いたサービス」活動指数
第3次産業活動指数の集計対象には、卸・小売業が含まれています。勿論、卸・小売業もサービス産業ではありますが、それを需要する動機は、サービスそのものを需要するというよりは、売買の対象となる財・製品に対する需要にあり、それ以外のサービス産業とは、需要の主旨が異なります。
そこで、第3次産業活動指数総合から、卸・小売業を除外した、いわば純粋サービス産業活動指数も集計しています。
8月の卸・小売業を除いた第3次産業活動指数総合は、指数値107.0、前月比マイナス0.7%低下と2か月ぶりの前月比低下となりました。サービス全体の前月比低下幅よりも、この純粋サービス産業の低下幅の方が、かなり大きめの低下となりました。逆にいえば、商業が純粋サービスよりも調子がよかったということになります。商業の中では、小売業は前月比マイナス1.2%低下でしたが、卸売業の上昇幅はプラス1.2%上昇でした。卸売業のウェイトの方が大きいので、卸売業のプラス寄与によって、8月の商業は伸びていました。

対個人、対事業所サービスはともにマイナス方向に寄与
第3次産業活動指数は、大きく対個人サービスと対事業所サービスに2分されます。
8月の対個人サービス産業活動指数は、指数値104.7、前月比マイナス0.9%低下と2か月ぶりの低下となりました。前年水準との比較では、前年同月比0.2%上昇と5か月連続の上昇、つまり年度明けの4月以降、前年水準を上回る状態が続いていることになります。
対事業所サービス産業活動指数は、指数値104.2、前月比マイナス0.1%低下と3か月連続の低下です。しかし、前年水準との比較では、前年同月比0.7%上昇で、6か月連続で前年水準を上回っています。
対個人、対事業所の各指数とも、前年水準を上回る水準の推移が続いていますが、ともに前月比低下となりました。サービス全体の8月の低下に対しては、対個人サービスの低下寄与がかなり大きくなっており、低下寄与の大部分を占めています。

8月のサービス産業の勢いは「高い水準で横ばい」へ
8月の第3次産業活動指数は、2か月ぶりに小幅ではありますが、前月比低下となりました。対個人サービスの低下寄与が大部分を占めていました。サービス全体の低下に対して、商業関係を除外したサービスの活動レベルの低下が大きく、商業関係が相対的に好調だったいうことになります。
7月と8月の総合指数の平均は、ほんの少しですが第2四半期の指数値を下回っています。今年の4月、5月に指数値105の水準に達した後、変動の少ない推移となっています。
こういった推移を踏まえ、第3次産業活動指数の基調判断については、「高い水準で横ばい」としたいと思います。活動レベルの水準は高いものの、その勢いについては、巡航速度となっているという評価となります。

- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-201708.html
- 『就職にも使える! 第3次産業活動指数』(マンガ)
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html
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