前期比0.6%上昇と5期連続上昇となった2017年Ⅱ期(4~6月期)のグローバル出荷。国内出荷の伸びを背景に、指数値108.8は、リーマンショック後の最高値を更新。 2017年10月17日
グローバル出荷指数とは、製造業の海外現地法人の出荷量と国内生産拠点からの出荷量を合算して、日本の製造業のグローバルな活動を指標化したものです。この指標により、海外生産と国内生産の動きを同じ土台の上で比較できます。

今回は、2017年4~6月期の計算結果のポイントを解説していきます。 まずは、全体の動きを説明していきます。
グローバル出荷指数は、リーマンショック後の最高値を更新
2017年Ⅱ期のグローバル出荷指数(季節調整済)は、指数値108.8、前期比0.6%と5期連続の前期比上昇でした。この結果、グローバル出荷指数は、リーマンショック後の最高値を更新しました。

内訳をみると、日本国内の生産拠点からの出荷である国内出荷指数(季節調整済)は、100.2、前期比1.1%と4四半期連続の上昇でした。連続上昇が1年続いたため、指数水準も、2014年Ⅰ期以来の100越えとなりました。
他方、日本企業の海外生産拠点からの出荷である海外出荷指数(季節調整済)は、指数値136.1、前期比マイナス0.5%低下と3期ぶりの低下となりました。前期の136.8という過去最高の指数値の水準自体は維持されていますが、上昇の勢いは少し弱まったようです。
2017年Ⅱ期は、グローバル出荷指数の前期比0.6%上昇に対し、国内出荷指数の上昇寄与が0.8%ポイントでした。グローバル出荷全体の上昇を国内出荷が担っていたことになります。(海外出荷指数の寄与はマイナス0.2%ポイント低下寄与)。
海外出荷の上昇寄与が大きかった前期とは打って変わって、国内生産拠点における活動が今期はけん引役となっています。

主要4業種では、「はん用」が大きく上昇、2業種が横ばい、「化学」が低下
主要業種別にグローバル出荷指数の動きを見ると、主要4業種のうち、はん用・生産用・業務用機械工業(指数値124.0)が前期比4.3%と大きく上昇しましたが、電気機械工業(指数値99.7、前期比0.4%上昇)、輸送機械工業(指数値121.8、同0.3%上昇)はそれぞれほぼ横ばいとなりました。
また、化学工業(指数値)のみ、前期比マイナス1.8%低下となりました。

また、グローバル出荷全体の前期比0.6%上昇に対し、はん用・生産用・業務用機械工業が0.5%ポイントと8割以上の大きな寄与でグローバル出荷全体をけん引していました。

今期は、国内ビジネスが上昇をけん引
グローバル化が進む中、国内出荷のうち、供給も需要も日本国内で完結しているビジネスを「国内ビジネス」と定義し、これに対し、海外出荷と輸出向け出荷を、供給・需要の少なくともどちらかが海外という意味で「海外ビジネス」と定義し、その動きを見てみます。

2017年Ⅱ期は、「国内ビジネス」指数は前期比1.3%上昇しました。一方、輸出向け出荷指数、海外出荷指数はともに前期比で低下しました。このため、この2つを加重平均した「海外ビジネス指数」は、前期比マイナス0.4%低下となりました。
この「国内ビジネス」と「海外ビジネス」のグローバル出荷全体に対する寄与をみると、全体の前期比0.6%上昇に対し、「国内」が0.73%ポイント、「海外」がマイナス0.17%ポイントと、「海外ビジネス」のマイナスによって多少勢いは削がれましたが、最終的に「国内ビジネス」の上昇寄与によって、グローバルな製造業の活動は上昇していました。

2017年Ⅱ期のグローバル出荷全体を押し上げたのは、「国内ビジネス」でした。今期は、「国内で作って国内で売る」ビジネスが、日系製造業の過去最高の指数値を生み出したことになります。
- ミニ経済分析「グローバル出荷指数について(平成29年Ⅱ期)」のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20171017minikeizai.html
- グローバル出荷指数のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai-result-gb.html
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