8月の全産業活動指数は、前月比0.1%と2か月ぶりの上昇。4月以降は指数値105付近の高水準での推移が続く。基調判断は「緩やかな上昇傾向」を据え置き。 2017年10月19日
8月は前月比上昇、指数水準は105台の高水準を3か月間キープ
平成29年8月の全産業活動指数は、前月比0.1%と2か月ぶりの上昇となり、指数値は105.1と引き続き高い水準を維持しました。先月7月が前月比マイナス0.1%の低下でしたので、この8月はその低下分を取り戻したことになります。ここ3か月は指数値105台の高いレベルでの推移が続いています。

8月は鉱工業生産が上昇、他の活動の低下分を補う
8月の結果を産業別にみると、建設業活動と第3次産業(サービス産業)活動は前月比低下ですが、鉱工業生産の上昇が他の活動の低下を補い、全産業活動全体は微増となりました。
全産業活動指数は、ウェイトの大きいサービス産業活動と連動した動きを見せることが多いのですが、今年に入ってからは、鉱工業生産の動きの方向と全産業活動指数の動きの方向が一致しており、8月も同様です。
8月の鉱工業生産は前月比2.0%の上昇、はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業などの上昇寄与によるものです。
サービス産業活動は、8月は前月比マイナス0.2%の低下、卸売業など6業種が上昇しましたが、「金融業,保険業」、情報通信業など5業種が低下しました。
建設業活動は、8月は前月比マイナス2.3%の低下で、内訳の5系列すべてが低下となりました。先月7月まで、4か月連続で119以上の高い指数水準を続けていましたが、この8月は指数値117割れとなり、ここに来てその勢いにやや陰りがみえます。

8月は、「企業間取引」関連の動きは順調
8月は、鉱工業生産の内訳16業種のうち11業種の生産が前月比上昇となりました。サービス産業活動全体は低下となりましたが、この内訳のうち卸売業は最も大きく前月比が上昇しました。形ある財の企業間取引活動は、このところ回復基調にありますが、この8月も活動量は増加しています。

基調的な動きは「緩やかな上昇傾向」を維持
8月の各指数の基調判断は、鉱工業生産は「持ち直しの動き」、サービス産業活動は「高い水準で横ばい」としています。他方、建設業活動は、8月大きめの低下と、やや勢いが衰えた感はありますが、4月の大幅上昇の反動を含んでいる、とも見てとれます。
よって、今年8月の全産業活動の基調判断については、「緩やかな上昇傾向」と据え置きたいと思います。
- 全産業活動指数 結果概要
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/zenkatu/html/b2010_201708j.html
- 就活でもない、終活でもない「全活」(全産業活動指数を紹介するムービー)
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170602zenkatu_umekomi.html
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