8月の建設業活動指数は大きめの低下、好調だった民間非住宅(工場や倉庫など)建築活動が2か月連続のマイナスなど内訳5系列すべてが低下、4月からの勢いにやや陰り。 2017年10月19日
建設業活動指数は、平成29年度明けの4月以降、きわめて順調な動きをみせ、リーマンショック前の指数水準に近づいた全産業活動指数の動きに大きく貢献しました。その指数値も今基準内では最高レベルとなる119台を先月7月まで4か月連続で維持しました。
では、8月の動きはどうだったのでしょうか。
8月の建設業活動は前月比低下、指数水準は5か月ぶりに119割れ
平成29年8月の建設業活動は、前月比マイナス2.3%の低下、指数値は116.8となりました。新年度の始まりである4月から先月7月までの4か月間、指数水準は常に119以上、平成22年基準指数(平成20年1月~)では最高位水準を維持するなど強い動きをみせていましたが、この8月は大きめの低下となり、その勢いにはブレーキが掛かりました。第2四半期の水準は119.9ですので、これと比較すると、8月の指数値は3ポイント以上も下落したことになります。
とはいえ、下記グラフでもみてとれるように、近時のピーク5月からの、8月までの落ち込み幅は、4月、5月の大幅上昇の半分程度に留まっています。8月の前月比低下には、当然、この過去最高レベルの水準からの反動的要素も一部含まれているものと思われ、本格的な低下局面に移行したと判断するには、時期尚早だとも思います。

8月は内訳5系列すべてが低下
8月は、建設業活動の内訳5系列すべてが低下となりました。このうち、民間発注工事の活動は前月比マイナス0.9%、国や地方公共団体等の発注する公共工事の活動は前月比マイナス4.5%と共に低下となりました。今年に入ってからやや復調の兆しもみられていた公共事業が、8月は大きく低下方向に寄与しました。
公共工事活動の内訳をみると、公共・建築が前月比マイナス3.2%、公共・土木が前月比マイナス7.2%と、ともに2か月ぶりの低下となりました。指数値では、公共・建築は第2四半期の指数値とほぼ同位の130台を維持しましたが、公共・土木は115台と第2四半期の指数値から6ポイント以上も下落しており、土木と建築の動きに差が見られます。
民間発注工事の活動では、民間・建築が前月比マイナス0.7%と2か月連続の低下となりました。
民間・建築の内訳をみると、住宅建築は前月比マイナス1.0%と2か月連続の低下で、サービス産業活動指数の内訳である建物売買業(マンション分譲、戸建住宅売買)の水準がこのところ上がってこない状況と軌を一にする動きです。非住宅(工場や倉庫など)建築も前月比マイナス0.4%と、2か月連続の低下となりましたが、今年6月まで17か月間連続して上昇を続けた勢いが一旦途切れたことになります。ただ、まだその指数値は、四半期ベースで今基準内最高値を記録した第2四半期の水準とほぼ同位にあり、高水準を維持しています。
また、民間・土木はマイナス2.1%と2か月ぶりの低下となりましたが、その指数値は引き続き110台を維持しています。

多少「陰り」の見えた8月の建設業活動
平成29年8月の建設業活動は、前月比で大きめの低下となり、指数水準も大きくポイントを下げるなど、順調であった第2四半期の活動量と比べれば、その勢いに陰りがみられます。指数水準は今基準内では比較的高い位置にあるものの、局所的な低下ではなく、全般的に建設活動が低下していることから、今後の建設業活動の動きには注意するべきかと思います。
- 全産業活動指数 結果概要
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/zenkatu/html/b2010_201708j.html
- 就活でもない、終活でもない「全活」(全産業活動指数を紹介するムービー)
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170602zenkatu_umekomi.html
問合せ先
経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
電話: 03-3501-1511(代表)(内線2854)、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
E-MAIL : bzl-qqcebc■meti.go.jp (■を@に置き換えてください)