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平成29年9月の鉱工業生産は前月比マイナス1.1%低下、ただ低下幅は限定的で、7-9月期は6期連続の前期比上昇。先行き強気の集計結果となった、10月の生産予測調査(生産予測指数)。 2017年10月31日

9月の生産は低下、出荷は大きめの低下だが、第3四半期は共に前期比プラス

平成29年9月の鉱工業生産は、季節調整済指数102.4、前月比マイナス1.1%低下と2か月ぶりの低下となりました。前年同月比は2.5%上昇で、11か月連続で前年同月比上昇が続いています。今年7-9月期、第3四半期の指数値は102.5、前期比0.4%上昇でした。この四半期では、7月と9月が前月比マイナスではありますが、それらを補う程に8月の上昇幅が高く、3か月をならすと6四半期連続の前期比プラスとなりました。

9月の鉱工業出荷は、指数値99.2、前月比マイナス2.6%低下と2か月ぶりの低下となりました。前年同月比は1.4%上昇で、生産同様に、昨年11月から11か月連続で前年同月比上昇が続いています。7-9月期の指数値は100.3、前期比0.3%上昇でした。出荷も生産と同様に、7月、9月と前月比マイナスではありましたが、8月の伸びが大きく、鉱工業出荷も2四半期連続の前期比プラスとなりました。

低下寄与が大きいのは、電子部品・デバイス工業とはん用・生産用・業務用機械工業

平成29年9月の鉱工業生産は、前月比マイナス1.1%と2か月ぶりの低下だった訳ですが、15業種のうち、9業種が前月比低下となりました。生産低下業種のうち、9月の生産低下への影響度、寄与が特に大きいのは、電子部品・デバイス工業とはん用・生産用・業務用機械工業と金属製品工業でした。

9月の生産では、素材型業種の生産が好調

上昇寄与が最も大きかったのは、美容液等の化粧品の生産が好調だった化学工業で、前月比7.6%上昇でした。ここのところ、国内工場の新設といった話題があるように、化粧品の国内生産は好調です。

9月の鉱工業生産上昇業種をみると、非鉄金属工業、鉄鋼業といった素材型業種の生産上昇が目立ちます。化学工業についても、石油化学製品など川上の化学原料の生産が戻ってきています(その分、合成ゴム、ポリスチレンなどの在庫が上昇している)。

9月は、金属素材や化学素材といった素材型製品の生産の上昇と、電子部品や生産設備といった機械類(加工型業種)の低下とが好対照となった月となりました。

10月の生産計画は前月比上昇、11月は若干の低下見込み

10月上旬に実施した平成29年10月、11月の生産計画を調査した、生産予測調査の結果です。平成29年10月の生産計画については、調査結果そのままを集計すると、前月比4.7%と大きな上昇を見込むという結果になっています。11月の生産計画は、この10月計画から前月比マイナス0.9%低下するという結果でした。

この10月の見込み値に含まれる、上方バイアスを補正すると、前月比2.4%程度に上昇幅が縮小するという計算結果です。

ただ注意していただきたいのは、生産予測調査は月の上旬に実施しており、今般大きな関心を引いている製品検査段階での各種の不正事案の生産への影響については、基本的に反映されていないということです。よって、それぞれの計画値は実績段階で下方修正される可能性も高く、今回の集計結果については、実績の予測としては評価が難しい面があることをお伝えしなければならないと思います。

基調判断は据え置き「生産は持ち直しの動き」

9月の鉱工業生産は前月比マイナスでしたが、先月の生産計画における低下幅より小幅の生産低下に収まりました。第3四半期の鉱工業生産は6期連続の前期比プラス、鉱工業出荷も2期連続の前期比プラスでした。10月実施の生産計画の調査結果については、その評価が難しい面はありますが、強気の生産計画となっていると言えると思います。

こういった状況を踏まえ、基調判断については、「生産は持ち直しの動き」で据え置きたいと思います。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-201709s.html
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html

問合せ先

経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
電話: 03-3501-1511(代表)(内線2851)、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
E-MAIL : bzl-qqcebc■meti.go.jp (■を@に置き換えてください)

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