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9月の全産業活動指数は、前月比マイナス0.5%と2か月ぶりの低下だが、高水準での推移が続く。全般的に個人消費向けの産業活動は堅調だったが、事業者向けの活動の低下度合いが上回った。 2017年11月21日

9月は前月比低下、指数水準は105を割り込むも高位をキープ

平成29年9月の全産業活動指数は、前月比マイナス0.5%と2か月ぶりの低下となり、指数値は104.7と4か月ぶりに105を下回りました。今年6月以降は、前月比プラス・マイナス0.1~0.2%の小幅な動きでしたが、9月の低下幅は大きめとなりました。水準自体は指数値104台後半と高位にあり、今年4月に大きく伸びた分の好影響が続いています。

第3四半期の全産業活動指数は、指数値は105.0と2期連続で105台の高い水準を維持しましたが、前期比マイナス0.2%と2期ぶりの低下となりました。躍進した第2四半期のような伸びの勢いは到底続かなかったということでしょう。

9月は3つの産業活動すべてが低下

9月の結果を産業別にみると、鉱工業生産、建設業活動、サービス産業活動の3活動がいずれも前月比低下となりました。

9月の鉱工業生産は前月比マイナス1.0%と、このところの激しい動きのなかでは少なめの低下幅となりました。電子部品・デバイス工業、はん用・生産用・業務用機械工業などが低下寄与しました。

サービス産業活動は、9月は前月比マイナス0.2%の小幅な低下となりました。「金融業,保険業」など5業種が上昇しましたが、卸売業など6業種が低下しました。

建設業活動は、9月は前月比マイナス2.3%の低下と、先月8月に続きマイナス2%台の大きめの低下となりました。内訳5系列では、民間の住宅建築は微増にとどまり、他の4系列は低下でした。8月も5系列すべてが低下していましたので、ここ2か月の建設業活動の動きは広範囲にわたり弱いものとなりました。

第3四半期の各活動の動きは、鉱工業生産は前期比0.4%の上昇、サービス産業活動は前期比マイナス0.1%の微減とほぼ横ばい、建設業活動は前期比マイナス2.4%と大きめの低下でした。この建設業活動の低下が、全産業活動指数の第3四半期の低下に大きく影響してしまいました。

9月は「個人消費」関連の動きが全体を小幅な低下に食い止める

9月は、3つの産業活動すべてが前月比低下しましたが、各活動には共通する特徴がみられます。

鉱工業生産では投資財や生産財の生産が前月比低下でしたが、化粧品、飲食料品などが含まれる消費財生産は前月比上昇でした。サービス産業活動では事業者向けのサービス取引は不調でしたが、個人向けのサービス取引は前月比上昇でした。建設業活動では、内訳5系列のうち民間発注の住宅建築工事が唯一、微増とはいえ前月比上昇でした。

このように、この9月は3つの産業活動において、最終的に個人に消費される財の生産や建築工事、個人向けサービスの動きが、各活動全体の動きとは逆に、前月比プラス方向となっています。よって、9月の全産業活動全体の動きは、個人消費関連の良い動きがあったものの、事業者向けの産業活動の低下度合いがそれを上回った、という側面が見てとれます。

単月の動きは弱いが、基調的な動きは「緩やかな上昇傾向」を維持

9月の各指数の基調判断は、鉱工業生産は「持ち直しの動き」、サービス産業活動は「高い水準で横ばい」としています。他方、建設業活動は、8月、9月と2か月連続でマイナス2%台の前月比低下と、年度明け以降の「上昇の勢い」は無くなった感はありますが、それでも第3四半期の活動水準自体は、まだ高い位置にあります。

全産業活動全体の動きでも、9月単月としては前月比低下でしたが、四半期でみればこの第3四半期は僅かな前期比低下にとどまり、指数値は高い水準を維持しました。

よって、今年9月の全産業活動の基調判断については、「緩やかな上昇傾向」と据え置きたいと思います。

 

 

全産業活動指数 結果概要
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/zenkatu/html/b2010_201709j.html
就活でもない、終活でもない「全活」(全産業活動指数を紹介するムービー)
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170602zenkatu_umekomi.html

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