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平成29年10月の鉱工業生産は前月比0.5%上昇、10月の生産計画から実績は大きく下方修正。11月は、横ばいから微減、12月はそこから上昇という生産計画。機械工業が向こう2か月けん引役となっている。 2017年11月30日

10月の生産は上昇、出荷は2か月連続の低下

平成29年10月の鉱工業生産は、季節調整済指数103.0、前月比0.5%上昇と2か月ぶりの上昇となりました。前年同月比は5.9%上昇で、12か月連続で前年同月比上昇が続いています。

今年7-9月期、第3四半期の指数値は102.5でしたので、今年の第4四半期のスタートは、少しですが、前期よりも高い水準から始まるということにはなりました。

ただ、10月初旬段階の生産計画の調査結果では、10月は前月比4.7%の上昇が見込まれるという結果でしたが、はん用・生産用・業務用機械工業や電気機械工業などの生産計画が大きく下方修正され、10月の生産は想定外に小さい伸びに留まりました。

10月の鉱工業出荷は、指数値98.8、前月比マイナス0.5%と2か月連続の前月比低下となりました。7-9月期の指数値は100.4だったので、そこから比べると、大分低いところから、今年の第4四半期の出荷は始まることになりました。

昨年後半の比較的堅調な出荷の推移とは変わって、今年に入って前月比の方向が毎月入れ替わる状態となりつつも、低下幅より大きく上昇することが繰り返され、今年8月は前年水準を大きく上回る水準となっていました。しかし、その後、9月、10月と2か月連続の低下となり、指数水準的には、昨年の10-12月期のレベルになっています。

上昇寄与が大きいのは、電気、輸送、はん用・生産用・業務用機械といった機械工業

平成29年10月の鉱工業生産は、前月比0.5%と2か月ぶりの上昇だった訳ですが、15業種のうち、8業種が前月比上昇、6業種が前月比低下、窯業・土石製品工業は横ばいとなりました。

生産上昇業種のうち、10月の生産上昇への影響度、寄与が大きいのは、電気機械工業、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業でした。これらの主要機械工業が、薄く広く生産を上昇させた結果、前月比上昇となっています。

10月の財別出荷では、生産財の低下が目立つが、資本財は好調

10月の鉱工業出荷は、前月比マイナス0.5%と2か月連続の低下でしたが、財の需要先の用途別分類である財別分類出荷指数をみると、この低下は生産財の出荷の低下寄与によるものであることが分かります。生産財の出荷は、前月比マイナス1.1%低下で、主に液晶素子や軽油の出荷の低下によるものです。また、耐久、非耐久両方の消費財の出荷が低下しました。

一方、設備投資に利用される(輸送機械を除く)資本財の出荷は前月比1.6%上昇、建設資材や構築物自体である建設財の出荷は0.7%上昇と、投資向けの財の出荷は良好でした。

消費財と投資財の出荷が、好対照の結果となっています。

11月、12月の生産計画は2か月連続で増産計画、補正すると11月は微減

11月上旬に実施した平成29年11月、12月の生産計画を調査した、生産予測調査の結果です。平成29年11月の生産計画については、調査結果そのままを集計すると、前月比2.8%と大きな上昇を見込むという結果になっています。12月の生産計画は、この11月計画からさらに前月比3.5%上昇するという結果でした。

ただ、この11月の伸びは、10月の生産実績が計画から大きく下方修正されたために、大きく見えている部分があり、その分、割り引く必要があります。

また、この11月の見込み値に含まれる、上方バイアスを補正すると、前月比マイナス0.1%程度の低下となるという計算結果です。

勿論、12月の生産計画は、今年の「翌月見込み」としては最も高いものとなっており、その点は評価できます。

基調判断は据え置き「生産は持ち直しの動き」

10月の鉱工業生産は前月比0.5%上昇でした。出荷は2か月連続の前月比低下、在庫水準も今年4月、5月のレベルに戻ってしまっています。11月の生産計画は、補正計算をすると微減程度になる見込みですが、12月は11月の生産計画から、さらに増産される見込みとなっています。

こういった状況を踏まえ、基調判断については、「生産は持ち直しの動き」で据え置きたいと思います。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-201710s.html
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html

問合せ先

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