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今年10月は、8業種が生産上昇、電気機械工業、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業といった機械工業が薄く広く上昇。財別出荷でも、伸びる投資財と低下する消費財とで、好対照な結果 2017年11月30日

上昇寄与が大きいのは、電気、輸送、はん用・生産用・業務用機械といった機械工業

平成29年10月の鉱工業生産は、前月比0.5%と2か月ぶりの上昇だった訳ですが、15業種のうち、8業種が前月比上昇、6業種が前月比低下、窯業・土石製品工業は横ばいとなりました。

生産上昇業種のうち、10月の生産上昇への影響度、寄与が大きいのは、電気機械工業、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業でした。これらの主要機械工業が、薄く広く生産を上昇させた結果、前月比上昇となっています。

変動寄与の大きかった各業種の動き

電気機械工業は前月比2.5%と3か月連続の上昇で、指数水準105.7は消費税率引上げ後の2014年4月以降では、上位2位の水準で高い水準となっています。半導体・IC測定器、開閉制御装置といった設備類とともに、セパレート形エアコンも好調でした。

輸送機械工業は、自動車や船舶の主要部品の生産が好調で、前月比0.7%と2か月ぶりの上昇でした。ただ、乗用車3車種の生産は前月比低下でした(大型バス、軽トラック、小型トラックも生産低下)ので、10月の上昇は、やはり自動車部品と船舶・同機関の上昇寄与によって、輸送機械工業の前月比プラスが生み出されたことになります。

はん用・生産用・業務用機械工業は前月比0.7%と2か月ぶりの上昇でした。フラットパネル・ディスプレイ製造装置や、金属工作機械である専用機、金属加工機械である機械プレスといった品目が生産のけん引役でした。これらの品目の指数水準も100を大きく超えており、前年同月水準との比較でも8~2割増しの生産水準となっています。

他方、生産低下業種としては、医薬品を除く化学工業、石油・石炭製品工業、そして電子部品・デバイス工業といった業種の低下寄与が大きくなっています。化学工業の低下寄与品目としては、合成洗剤やモイスチャークリームが挙がりますが、上流工程の石油化学製品の低下寄与が大きくなっています。総体的には、工業部品や原材料の生産が今一つだったようです。

10月の財別出荷では、生産財の低下が目立つが、資本財は好調

10月の鉱工業出荷は、前月比マイナス0.5%と2か月連続の低下でしたが、財の需要先の用途別分類である財別分類出荷指数をみると、この低下は生産財の出荷の低下寄与によるものであることが分かります。

生産財の出荷は、前月比マイナス1.1%低下で、主に液晶素子や軽油の出荷の低下によるものです。また、耐久、非耐久両方の消費財の出荷も低下しました。

一方、設備投資に利用される(輸送機械を除く)資本財の出荷は前月比1.6%上昇、建設資材や構築物自体である建設財の出荷は0.7%上昇と、投資向けの財の出荷は良好でした。

消費財と投資財の出荷が、好対照の結果となっています。

各財別出荷指数の前月比のバランスをみるため、レーダーチャートにしてみると、10月の財別出荷は、9月に比べると「バランス」が取れた形となっています。前月9月は非耐久消費財の出荷だけが前月比で伸びるという「いびつ」な形でしたが、10月は正五角形に近い形状となっています。投資財と消費財の出荷の変動は好対照な動きとなっているとは言いましたが、極端に伸びた財別出荷も極端に低下した財別出荷も無かったということになります。

業種別の生産、財別(需要先用途別)出荷をみても、企業の生産工程に投入される財が不調で、他方、企業の投資の用に供される財は堅調ということになりました。また、乗用車を含む消費財は不調だったという結果です。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-201710s.html
マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html

問合せ先

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