2期ぶりに前期比低下となった全産業活動指数。サービス活動の低下寄与が大きい。勢いは減退したが、水準的には過去上位3位の水準を維持している。 2017年12月4日
- 全産業活動指数は前期比マイナス0.2%と、2期ぶりに低下
- 鉱工業生産は化学工業などがけん引し、6期連続の上昇
- サービス産業は対事業所サービスが低下し、2期ぶりの低下
- 建設業活動は、公共・建築・土木を筆頭に総じて低調
経済解析室で毎月作成している鉱工業指数や第3次産業活動指数などの経済指標は、平成29年7-9月期にどのような動きを見せていたのでしょうか。
各指標の平成29年7-9月期の動きをグラフや表で表現したミニ経済分析「鉱工業指数と第3次産業活動指数からみた平成29年7-9月期の産業活動」をホームページに公開しました。
全産業活動指数は前期比マイナス0.2%と、2期ぶりに低下
平成29年7-9月期の全産業活動指数は前期比マイナス0.2%と、2期ぶりに前期比低下となりました。
指数水準は105.0と、4-6月期の105.2から、2期連続で105台の高い水準を維持しましたが、躍進した4-6月期のような伸びの勢いは続きませんでした。

産業別にみると、鉱工業生産は上昇しましたが、第3次産業活動と建設業活動は低下となりました。
鉱工業生産の上昇寄与は、第3次産業活動の大きな低下寄与によって完全に打ち消されました。同時に、大きな前期比低下となった建設業活動も、3期ぶり低下寄与となっています。寄与としては、サービス産業の大きな低下寄与によって、全産業活動は前期比低下となっています。

鉱工業生産は化学工業などがけん引し、6期連続の上昇
平成29年7-9月期の鉱工業生産は前期比0.4%と、6期連続の上昇となりました。鉱工業生産が、6期連続で上昇するというのは、現行基準では最長記録タイです。(21年4-6月期から22年7-9月期にかけて6期連続上昇)
今期の鉱工業生産をけん引したのは、化学工業、電子部品・デバイス工業の2業種です。この2業種の上昇寄与分で、全体の上昇寄与の3分の2を説明できてしまいます。品目別みると、化学工業に含まれる化粧品、電子部品・デバイス工業に含まれる集積回路などが上昇方向に大きく寄与していました。

サービス産業は対事業所サービスが低下し、2期ぶりの低下
平成29年7-9月期のサービス産業(第3次産業)活動指数は、前期比マイナス0.1%と2期ぶりの低下となりました。それでも指数水準は104.8と、平成20年1-3月期の105.5、平成29年4-6月期の104.9に次ぐ歴代3位の高い水準で推移しています。
サービス産業(第3次産業)活動指数は、大きく「広義対個人サービス」と「広義対事業所サービス」に分けられます。
平成29年7-9月期の広義対個人サービス活動指数は前期比0.0%と横ばい、広義対事業所サービス活動指数は前期比マイナス0.6%と、2期ぶりに低下しました。
今期の低下は、前期に大きく全体を押し上げた対事業所サービスの低迷が要因であることが分かります。

建設業活動は、公共・建築・土木を筆頭に総じて低調
平成29年7-9月期の建設業活動指数は、前期比マイナス2.4%と3期ぶりの低下、指数値は117.0となりました。
ただ、指数値、上昇幅とも現行基準の最高値を記録した4-6月期からの低下としては、その低下幅は小さく、指数水準も高い位置にあります。
内訳をみると、総じて低調な推移となっており、最も低下に寄与した公共・建築・土木は前期比マイナス3.8%と3期ぶりの低下、次いで低下寄与の大きい民間企業設備(非住宅+土木)は前期比マイナス1.6%と14期ぶりに低下、低下寄与は小さいですが、民間住宅も前期比0.9%と2期ぶりに低下となりました。

総じて勢いのあった今年の4-6月期からは、反動的な動きを含めて、7-9月期に勢いは減退しました。ただ、4-6月期に到達した水準からの低下は限定的であり、水準としては、比較的高い水準を維持しているということができます。
- ミニ経済分析「鉱工業指数と第3次産業活動指数からみた平成29年7-9月期の産業活動」のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20171204minikeizai.html
- 鉱工業指数と第3次産業活動からみた産業活動と関連する分析のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai-result-sankatsu.html
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