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現行基準の最高値を更新した輸出向け出荷が、6期ぶりに前期比低下となった国内向け出荷のマイナスをカバーし、鉱工業出荷全体も2期連続上昇 2017年12月4日

経済解析室で毎月作成している鉱工業指数や第3次産業活動指数などの経済指標は、平成29年7-9月期にどのような動きを見せていたのでしょうか。

今回は、平成29年7-9月期の鉱工業出荷内訳表について、国内向けの財別、輸出向け出荷の財別、仕向地別の動向を確認してみます。

国内向け出荷は6期ぶりに低下も、輸出向け出荷がそのマイナスをカバー

平成29年7-9月期の鉱工業出荷指数は前期比0.3%と、2期連続の上昇となりました。

内訳をみると、国内向け出荷が前期比マイナス0.3%と6期ぶりの低下となった一方、輸出向け出荷は前期比2.8%と、2期ぶりに大きく上昇しました。今期の鉱工業出荷は、大きく上昇した輸出向け出荷が、久しぶりに低下した国内向け出荷のマイナスをカバーし、全体としての上昇を維持したという構図です。

国内向け出荷は生産財が押し上げたが、消費財の下押しが上回った

国内向け出荷を需要先用途に分けた財別分類でみると、生産財や資本財が上昇方向に全体を押し上げ、特に生産財の上昇寄与が大きくなっています。他方、耐久消費財、非耐久消費財がともに低下したため、国内出荷は6期ぶりに前期比低下となりました。

今期の国内出荷は、企業活動に用いる財は好調だったものの、家計消費向けの財の出荷は振るわなかったことが、国内向け出荷が前期比低下となった要因であったといえます。

輸出向け出荷は生産財を筆頭に好調、米国向けなどが上昇寄与

輸出向け出荷の動向を需要先用途に分けた財別分類でみると、前期は大きなマイナスとなった生産財が大幅上昇に転じるなど、耐久消費財を除く幅広い財が好調で、今期は前期比2.8%と大きく上昇しました。

7-9月期の生産財の前期比上昇には、4-6月期に落ち込んだ分からの反動的側面があることは否定できませんが、長い目でみれば上昇基調が続いており、今期の指数値は107.5と、現行基準の最高値を記録しています。

輸出向け出荷を主要仕向け先別にみると、今期上昇寄与が第1位の米国向け出荷(2期連続の前期比上昇)、第2位のASEAN向け出荷(2期ぶりの前期比上昇)が、輸出向け出荷全体の伸びのけん引役でした。中国向け出荷は、今期の上昇寄与は3位と小さいものの、2期連続上昇でとなりました。

一方、韓国向け出荷、欧州向け出荷は前期比低下となりました。

平成29年7-9月期の輸出向け出荷は、今基準で最も高い指数値となり、前期比も2.8%上昇となりました。耐久消費財を除く財分類指数も前期比上昇、仕向け先でも米国、ASEAN、中国向けが前期比上昇で、広く好調となっていました。この外需向け出荷のプラスが、久方ぶりに低下となった内需向け出荷のマイナスをカバーし、2期連続で鉱工業出荷はプラスとなったと整理できるかと思います。

ミニ経済分析「鉱工業指数と第3次産業活動指数からみた平成29年7-9月期の産業活動」のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20171204minikeizai.html
鉱工業指数と第3次産業活動からみた産業活動と関連する分析のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai-result-sankatsu.html

問合せ先

経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
電話: 03-3501-1511(代表)(内線2851)、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
E-MAIL : bzl-qqcebc■meti.go.jp (■を@に置き換えてください)

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