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10月の出荷内訳では、企業の投資需要は内外需とも堅調、原材料等のフローの需要は外需が相対的に不振。消費財については内需不振で、全体として輸出向け出荷の低下寄与が大きく、出荷全体が低下。 2017年12月7日

鉱工業出荷は前月比マイナス0.5%と2か月連続の低下

平成29年10月の鉱工業出荷は、前月比マイナス0.5%と2か月連続して低下となりました。内需(国内向け出荷)が前月比マイナス0.3%の低下、外需(輸出向け出荷)も前月比マイナス3.8%の低下と、どちらも2か月連続して低下となりました。

内需と外需の内訳の寄与(影響度合い)を比較すると、出荷全体に占めるウェイトの小さい輸出向け出荷の低下幅が、国内向け出荷の低下幅よりもかなり大きく、10月は輸出向け出荷の低下寄与の影響が強くなっています。

第3四半期7-9月期は、輸出向け出荷の上昇寄与によって、鉱工業出荷全体が前期比プラスとなっていましたが、その輸出向け出荷の勢いは、9月、10月とかすんでいるようです。

国内向け出荷では、「化学工業(医薬品を除く)」などが低下

10月の国内向け出荷の業種別動向をみると、3か月ぶりに前月比低下となった「化学工業(医薬品を除く)」(前月比マイナス4.6%)が、最も大きな低下寄与となりました。続いて、「鉄鋼業」(下のグラフでは「その他」に含まれる)、「石油・石炭製品工業」などが大きめの低下寄与となりました。素材系業種の低下寄与が大きかったようです。

輸出向け出荷では、業種的には薄く広い低下で、米国向けの低下寄与が大

10月の輸出向け出荷の業種別動向をみると、相対的に低下寄与が大きかったのは、2か月連続して前月比低下となった「電子部品・デバイス工業」(前月比マイナス5.4%)「石油・石炭製品工業」(前月比マイナス24.5%)の2業種でした。ただ、全14業種中11業種が低下寄与業種となっており、各業種が薄く広く輸出向け出荷を低下させたという感じです。

10月の輸出向け出荷の低下については、業種別の動向もさることながら、仕向け先別の動向に特徴的な動きがありました。主要地域向け出荷の全てが前月比低下でしたが、特に米国向け出荷が前月比マイナス7.8%と大きな低下となり、最も大きな低下寄与をみせていました。

需要先用途別分類でみた内外需の違い

需要先用途別分類である財別分類指数の内外需の動向をみると、鉱工業出荷低下への寄与が大きかった生産財、特に鉱工業用生産財は、国内向け出荷、輸出向け出荷ともに前月比マイナスでしたが、出荷全体に対する低下寄与は輸出向け出荷の方がかなり大きく、鉱工業用生産財が10月に不調であった要因は、外需不振でした。

他方、同じ企業向けの財でも、設備投資に使われる輸送機械を除く資本財の出荷は好調で、上昇寄与としては、内需も外需も好調でした。

逆に消費財は全体として出荷はマイナスで、外需も好調とは言えませんが、10月は耐久消費財も非耐久消費財も内需の低下により、出荷がマイナスとなっています。

企業の投資需要は内外需とも堅調でしたが、原材料等のフローの需要は外需が相対的に不振で、消費財については内需が不振というのが、10月の出荷内訳の整理かと思います。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result/slide/result-utiwake-sanko-201710.html
鉱工業出荷内訳表、総供給(いわゆるバランス表)をちょっとながめてみました
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160511iip_bl_gaiyou.html

問合せ先

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