インフラ型サービスが3か月ぶりの前月比上昇となって、平成29年10月のサービス産業活動は、3か月ぶりの前月比上昇。基調判断は「高い水準で横ばい」と据え置きだが、第4四半期としては好スタートを切ったと評価。 2017年12月12日
- 10月のサービス産業全体は、前月比0.3%の上昇
- 対個人のマイナスを、対事業所のプラスがカバー
- 3業態別のうち、インフラ型サービスが全体をけん引
- 10月のサービス産業の勢いは「高い水準で横ばい」で据え置き
10月のサービス産業全体は、前月比0.3%の上昇
平成29年10月のサービス産業(第3次産業)活動指数総合は、季節調整済指数104.9、前月比0.3%と3か月ぶりの上昇でした。
本年第3四半期のサービス産業(第3次産業)活動指数総合は、指数値104.8、前期比マイナス0.1%と2期ぶりの低下でしたが、第4四半期のサービス産業活動は、まずは好スタートを切ったと解釈しておきたいと思います。
指数水準の面では、本年4月に指数値105.0に到達した後、104台後半の推移が続いており、指数水準自体は高い水準となっています。9月に若干低めに落ち込みましたが、10月には104.9と、4月、5月並みの水準に戻しました。
とはいえ、狭いレンジでの動きが続いていると見るべきでしょう。

対個人のマイナスを、対事業所のプラスがカバー
第3次産業活動指数は、大きく対個人サービスと対事業所サービスに二分されます。
10月の対個人サービス産業活動指数は、指数値105.2、前月比マイナス0.6%低下と2か月ぶりの低下となりました。前年水準との比較では、前年同月比0.6%上昇と7か月連続上昇、つまり年度明けの4月以降、前年水準を上回る状態が続いていることになります。確かに、対個人サービスは、上下動を繰り返しながら、均すと指数値105台半ばでの推移が続いており、水準が大きく低下したということではないと評価できます。
対事業所サービス産業活動指数は、指数値104.3、前月比1.0%上昇と5か月ぶりの上昇です。前年同月比は1.5%上昇で、8か月連続で前年水準を上回っています。水準的には、対事業所サービスは、6月から前月比マイナスが続き、9月は大きめの低下を見せましたが、10月の大きめの上昇幅により、7月の水準、あるいは、第2四半期に近い水準に戻しています。

10月は、対個人サービスの低下を、久方ぶりの対事業所サービスの上昇がカバーして、サービス全体としての上昇を生み出しました。

3業態別のうち、インフラ型サービスが全体をけん引
第3次産業活動指数の大分類11業種のうち、多様なものが含まれる事業者向け関連サービスを除く10業種を、その形態・性質で、「インフラ」「財の取引仲介」「生活関連」の3種類に分類して、その推移を見ることができます。

10月は、インフラ型サービス活動指数は指数値109.9、前月比1.2%と3か月ぶりの上昇でしたが、財の取引仲介型は前月比マイナス0.6%と2か月連続低下、生活関連型も前月比マイナス0.3%と2か月連続の低下でした。
エネルギー関係や運輸、通信、金融といった産業基盤、生活基盤を成り立たせるサービス産業は好調でした。実は、企業の中間投入となる事業者向け関連サービスも4か月ぶりの前月比上昇となっており、国内の事業活動のサービス需要自体は活発であったことが伺えます。

10月のサービス産業の勢いは「高い水準で横ばい」で据え置き
10月の第3次産業活動指数は、3か月ぶりに前月比上昇となりました。指数水準も第2四半期のレベル104.9に復帰しました。推移としては停滞していた第3四半期とは若干雰囲気が変わり、第4四半期は好スタートを切ったと評価したいと思います。
ただ、均した指数の動きでは、まだ、ここ数ヶ月の動きから変化が生じたとまで言うのは時期尚早だと思います。
そこで、10月の第3次産業活動指数の基調判断については、「高い水準で横ばい」に据え置きたいと思います。引き続き、活動レベルの水準は高いものの、その勢いについては、巡航速度となっているという評価となりますが、少し動きも見えた10月でした。

- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-201710.html
- 『就職にも使える! 第3次産業活動指数』(マンガ)
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html
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