平成29年7-9月期のコンビニエンスストアは、飲食関連を中心に前年比上昇が続くも、勢いに鈍り。サービス売上はさらに伸びている。 2017年12月15日
経済産業省の商業動態統計では、コンビニエンスストアの店舗数や商品カテゴリー別の販売額を調査しています。これらを使って、コンビニエンスストアの今年7-9月期の販売動向を見ていきます。
事業所数、1事業所当たり販売額ともに伸び縮小、勢いに鈍りが
平成29年7-9月期のコンビニエンスストア販売額は3兆1,057億円、前年同期比は2.4%上昇となりました。これで29期連続の上昇、平成22年第3四半期から7年以上も前年と比べてプラスが続いていることになります。
販売額の変動を「事業所数」と「1事業所当たり販売額」の変動に分けて見ると、今年7-9月期は、両要因とも前年同期の水準を上回っています。ただし、何れもその上昇幅は、これまでの伸び幅からは縮小しています。
コンビニエンスストアの拡大の勢いにも、若干の鈍りが生じているようです。

コンビニの飲食関連販売額は、実は総合スーパー並み
コンビニエンスストアにおける商品販売額の商品別の構成を見ると、日持ちのしない「ファーストフード及び日配食品」の構成が最も高く38%を占め、これに加工食品を合わせた飲食関係で65%を占めています。
この飲食関連の販売額は合計2兆271億円で、総合(大型)スーパーの飲食料品の販売額である2兆4,202億円と肩を並べるレベルにまでなってきています。
ちなみに、今年7-9月期の飲食料品小売業全体の販売額は11兆1,650億円で、コンビニの飲食関連販売額がそのうち18%程を占めています。「もう18%」、「まだ18%」のどちらと評価するのかは難しいところではありますが、コンビエンスストアが、飲食料品の流通ルートとして確固たるものとなっていることだけは間違いないと思います。

サービス売上の伸長も目立つ
今年7-9月期のコンビニエンスストアの販売額は、前年同期比2.4%上昇となりましたが、商品別にみると、どの商品が上昇寄与していたのでしょうか。
内訳4分類は全て前年同期比プラスとなっているのですが、その中で最も大きな上昇寄与となったのは、販売額に占める構成比が最も大きい「ファーストフード及び日配食品」で、コンビニ全体の2.4%上昇に対し、0.97%ポイントの寄与でした。次いで、「加工食品」が0.65%ポイントの上昇寄与でした。これらの寄与を合計すると、コンビニの伸びの3分の2程は飲食関連ということになり、やはり飲食関連がコンビニ販売額の上昇を主導する動きは、今年上期から変わりません。

ただ、7-9月期の商品分野別の上昇寄与の特徴としては、「サービス売上高」の上昇寄与が大きいということを指摘できます。
7-9月期の「サービス」の上昇寄与は0.58%ポイントと、「加工食品」と同程度の上昇寄与幅となっています。勿論、過去には寄与の大きさとして、この程度の大きさを見せたことはありますが、その頃の飲食関連の伸びは現在よりもかなり大きいものでした。
全体的に売上拡大の勢いに鈍りが見えるコンビニエンスストアですが、その中で、サービス売上の意味が大きくなって来ているのかも知れません。コンビニが「身近で便利な食料品店」から、生活全般を支えるサービス拠点となっていくという話も良く耳にしますが、平成29年7-9月期のコンビニ販売額の伸びに対する商品分野別の寄与を見ると、頷けるところがあります。
- ミニ経済分析「平成29年7-9月期小売販売を振り返る」のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20171215minikeizai.html
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