平成29年12月の鉱工業生産は、前月比2.7%上昇、平成29年も3年ぶりに前年比プラス。先行きでは、1月は大きな減産計画だが、2月はそれを上回る増産計画。基調判断は、「持ち直している」に据え置き。 2018年1月31日
- 12月の生産は、3か月連続上昇
- 上昇寄与が大きいのは、輸送機械とはん用・生産用・業務用機械
- 財別分類の出荷も好調
- 1月は大きく減産の見込みだが、2月はそれをリカバーするほどの上昇
- 基調判断は「生産は持ち直している」に据え置き
12月の生産は、3か月連続上昇
平成29年12月の鉱工業生産は、季節調整済指数106.3、前月比2.7%上昇と3か月連続の上昇となりました。前年同月比は4.2%上昇で、14か月連続で前年同月比上昇が続いています。
平成29年第4四半期の指数値は104.3で、前期比1.8%となり、7四半期連続の前期比上昇となりました。
鉱工業生産の前月比、そして前期比の連続上昇が続いており、好調な生産活動が続いていたと評価できます。この結果、平成29年の鉱工業生産は、前年比4.5%と3年ぶりに前年比上昇となりました。

12月の鉱工業出荷は、指数値103.9、前月比2.7%と2か月連続の前月比上昇となりました。前年同月比は4.0%上昇で、14か月連続で前年同月比上昇が続いています。
平成29年第4四半期の指数値は101.3で、前期比0.9%となり、3四半期連続の前期比上昇となりました。この結果、平成29年の鉱工業出荷は、指数値100.0、前年比3.8%と3年ぶりの前年比上昇となりました。

上昇寄与が大きいのは、輸送機械とはん用・生産用・業務用機械
平成29年12月の鉱工業生産では、15業種のうち、12業種が前月比上昇、3業種が前月比低下でした。
生産上昇業種のうち、12月の生産上昇への影響度、寄与が大きいのは、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業、金属製品工業、電子部品・デバイス工業でした。輸送機械工業の寄与が、全体の半分近くになっており、12月は輸送機械工業の上昇寄与が大きくなっています。また、はん用・生産用・業務用機械工業の寄与は、3位の金属製品工業の2倍ありましたので、輸送機械工業との2業種が12月の鉱工業生産のけん引役でした。

財別分類の出荷も好調
12月の鉱工業出荷では、財の需要先の用途別分類である財別分類出荷指数をみると、非耐久消費財を除き、各財別出荷指数が前月比上昇となっています。最も上昇寄与が大きかったのは、鉱工業生産の好調を反映して、生産財の出荷でした。また、設備投資に用いられる資本財、耐久消費財の寄与も、それぞれ生産財の半分程度で続いています。

1月は大きく減産の見込みだが、2月はそれをリカバーするほどの上昇
1月上旬に実施した平成30年1月、2月の生産計画を調査した、生産予測調査の結果です。
平成30年1月の生産計画については、調査結果そのままを集計すると、前月比マイナス4.3%と大きな低下を見込むという結果になっています。さらに、2月の生産計画は、この1月計画から前月比5.7%と大きく上昇するという結果でした。
この12月計画値に含まれる、バイアスを補正しても、前月比マイナス4.3%程度の低下という計算結果ですので、今年1月の生産は、かなり高い水準となっていた昨年12月から、相当程度の低下となっているものと思われます。
ただ、この1月の生産計画を前年実績と比較すると、9.7%増産という計画なので、生産水準自体の高さは維持しています。
さらに、その先2月の生産計画は、昨年12月の水準を伺う勢いになっています。

基調判断は「生産は持ち直している」に据え置き
平成29年12月の鉱工業生産は前月比2.7%と3か月連続上昇でした。出荷も2か月連続上昇で、在庫も2か月連続低下です。鉱工業生産は15業種のうち、12業種が前月比上昇です。先行きの生産計画でも、今年1月は大きめの減産計画とはなっていますが、2月はその減産を上回る勢いの増産となっており、2月の生産計画水準は、高い水準となった昨年12月の水準を上回る勢いです。
こういった状況を踏まえ、基調判断については、「生産は持ち直している」と据え置きたいと思います。

- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/reference/slide/result-iip-sanko-201712s.html
- マンガ「ビジネス環境分析にも使える!鉱工業指数(IIP)」
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20170329iip_manga2017.html
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