平成29年12月のサービス産業活動は、3か月ぶりに前月比低下だが、低下幅は小さく水準は維持。平成29年も前年比プラスで、し好的個人向けサービスと対事業所サービスがともに前年比1%超えの上昇を見せた。 2018年2月9日
- 12月のサービス産業活動指数は、3か月ぶりの前月比低下
- 対個人は前月比低下、対事業所が前月比上昇
- 3業態別サービス指数の推移
- 情報通信業など3業種の低下寄与が大きい
- 平成29年通年では前年比プラス
- 12月のサービス産業の勢いについては、「持ち直しの動き」を維持
12月のサービス産業活動指数は、3か月ぶりの前月比低下
平成29年12月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値105.6、前月比マイナス0.2%と3か月ぶりの低下でした。低下とはいっても、11月の前月比1.1%上昇に比べて、低下幅は小さく、105台後半という指数水準を維持しています。
この指数値105.6は、歴代2位の高さとなった11月に次ぐ歴代3位の指数レベルで、1位である平成20年3月の106.7をすぐに超えるということは難しいかもしれませんが、それに近い水準を維持しています。
引き続き、10月までの「狭いレンジ」での動きからは、一頭地抜き出たサービス産業の動きが維持されていると評価できます。

対個人は前月比低下、対事業所が前月比上昇
サービス産業活動指数は、大きく「広義対事業所サービス」と「広義対個人サービス」に分けることができます。
12月の対個人サービス活動指数は、指数値105.4、前月比マイナス1.0%と2か月ぶりの前月比低下です。対事業所サービス活動指数は、指数値105.4、前月比0.1%と3か月連続の前月比上昇となりました。
対事業所サービスは、平成29年6月から4か月連続で前月比低下と不調でしたが、そこから年末にかけて3か月連続上昇と復調しています。一方、対個人サービスは、年の後半、前月比のプラス/マイナスが入れ替わる状態が続いています。11月の指数値106.5は歴代2位の水準でしたが、そこから低下して、結局12月の指数値は、5月の105.5と同レベルの水準に留まりました。

サービス全体の変動に対する寄与としては、前月比低下となった対個人サービスの低下寄与が大きくなっていました。対事業所サービスは前月比上昇ではありますが、その上昇幅が小さく、上昇寄与は限定的です。12月は、対事業所サービスの小幅な上昇寄与がありつつも、対個人サービスの低下寄与が大きく、全体が前月比低下となりました。

3業態別サービス指数の推移
第3次産業活動指数の大分類11業種のうち、多様なものが含まれる事業者向け関連サービスを除く10業種を、その形態・性質で、「インフラ」「財の取引仲介」「生活関連」の3種類に分類して、その推移を見ることができます。

12月の「インフラ型サービス」活動指数は前月比マイナス2.1%と3か月ぶりの前月比低下、「財の取引仲介型サービス」活動指数は前月比0.8%と2か月連続の前月比上昇、「生活関連型サービス」活動指数は、前月比横ばいとなりました。
情報通信業など3業種の低下寄与が大きい
12月の業種別の動きみると、全11業種のうち、6業種が低下業種、5業種が上昇業種でした。前月比低下幅が比較的小さかったこともあり、上昇業種と低下業種の数がきっ抗していました。
低下寄与が大きかった業種は、情報通信業、「金融業,保険業」、「運輸業,郵便業」でした。逆に上昇寄与が大きかった業種は、まず卸売業で、そこに続くのは事業者向け関連サービスでした。

平成29年通年では前年比プラス
平成29年通年のサービス産業活動指数は指数値104.7、前年比0.8%と3年連続の上昇です。年の指数水準も過去最高を更新しました。これに対し、対個人サービスは前年比0.3%と2年ぶりの上昇、対事業所サービスは前年比1.1%と3年連続上昇でした。
前年比上昇に対する寄与が大きかったのは、「運輸業,郵便業」、事業者向け関連サービス、情報通信業といった業種でした。全体の前年比に対しても、対事業所サービスの上昇寄与が大きいことから、業種面でも、事業活動に投入される面の強いサービス業種が伸びていたようです。

12月のサービス産業の勢いについては、「持ち直しの動き」を維持
12月のサービス産業活動指数は、前月比低下とはなったものの、歴代2位だった11月の水準をある程度維持し、歴代3位の指数値となっています。対個人サービスは前月比低下となったものの、卸売業を中心として対事業所サービスは前月比連続上昇を維持しています。
第4四半期の指数値105.3も、平成20年第1四半期に次ぐ歴代2位の水準で、前期比も2期ぶりにプラスとなっています。
こういった点を踏まえ、12月のサービス産業(第3次産業)活動指数の基調判断については、「持ち直しの動きがみられる」と据え置きたいと思います。
3年連続で維持された前年比プラスが、平成30年も維持されることを期待しつつ、まずは今年1月の指数水準が、昨年末の水準を維持するのかどうか要注目かと思います。

- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-201712.html
- 『就職にも使える! 第3次産業活動指数』(マンガ)
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html
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