２期ぶりに前期比上昇となった全産業活動指数、その水準的には過去上位３位の水準となった。サービス活動の上昇寄与が大きい。 2018年3月2日

• 全産業活動指数は前期比０.７％と、２期ぶりに上昇
• 鉱工業生産は好調な２業種が全体をけん引し、７期連続の上昇
• サービス産業は対事業所サービスが上昇し、２期ぶりの上昇
• 建設業活動は、公共・建築・土木を筆頭に総じて低調

経済解析室で毎月作成している鉱工業指数や第３次産業活動指数などの経済指標は、平成２９年１０－１２月期にどのような動きを見せていたのでしょうか。

各指標の平成２９年１０－１２月期の動きをグラフや表で表現したミニ経済分析「鉱工業指数と第３次産業活動指数からみた平成２９年１０－１２月期の産業活動」をホームページに公開しました 。

平成２９年１０－１２月期の全産業活動指数は前期比０.７％と、２期ぶりに前期比上昇となりました。

指数水準は１０５.６と、躍進した４－６月期の１０５.２を上回っています。この指数値は、四半期ベースでみて現行基準第３位の高水準です。

産業別にみると、建設業活動は低下しましたが、第３次産業活動と鉱工業生産は上昇となりました。これらサービス産業、製造業の上昇寄与は同程度でした。

建設業活動の低下寄与は、第３次産業活動、鉱工業生産の上昇寄与と比べると、それぞれの約半分程度に留まり、２産業の勢いを多少削いだ程度です。

平成２９年１０－１２月期の鉱工業生産は前期比１.８％と、７期連続の上昇となりました。鉱工業生産が７期連続で上昇となるのは、現行基準の最長記録更新となり、好調な生産活動が続いています。

当期の鉱工業生産をけん引したのは、はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業の２業種です。この２業種の上昇寄与分で、全体の上昇寄与の３分の２を説明できてしまいます。品目別にみると、輸送機械工業に含まれる自動車部品やはん用・生産用・業務用機械工業に含まれる半導体・フラットパネル製造装置、金属工作機械などが大きく上昇方向に寄与していました。

平成２９年１０－１２月期のサービス産業（第３次産業）活動指数は、前期比０.６％と２期ぶりの上昇となりました。指数水準は１０５.３と、平成２０年１－３月期の１０５.５に次ぐ現行基準歴代２位の高い水準に達しました。過去最高水準も射程圏内に捉えている状況といえます。

サービス産業（第３次産業）活動指数は、大きく「広義対個人サービス」と「広義対事業所サービス」に分けられます。

平成２９年１０－１２月期の広義対個人サービス活動指数は前期比０.１％、広義対事業所サービス活動指数は前期比１.０％と、ともに２期ぶりの上昇となりました。

当期の上昇では、前の四半期に大きく全体を押し下げた対事業所サービスが大きめの上昇寄与を見せており、これがサービス産業の前期比上昇の主な要因であることが分かります。

平成２９年１０－１２月期の建設業活動指数は、前期比マイナス２.６％と２期連続で２％を超える大きな低下となり、指数値は１１３.９まで低下しました。

ただ、指数値が急上昇した平成２９年４－６月期の直前となる平成２９年１－３月期の１１１.６は上回っていますので、水準的にはまだ、多少高い水準を維持していると言うこともできます。

内訳をみると、総じて低調な推移となっており、最も低下に寄与した公共・建築・土木は前期比マイナス４.５％と２期連続の低下、次いで低下寄与の大きい民間企業設備（非住宅＋土木）は前期比マイナス０.９％と２期連続の低下となりました。

ミニ経済分析「鉱工業指数と第３次産業活動指数からみた平成２９年１０－１２月期の産業活動」のページ

https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20180302minikeizai.html

鉱工業指数と第３次産業活動からみた産業活動と関連する分析のページ

https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai-result-sankatsu.html

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