国内向け出荷、輸出向けともに同程度の上昇寄与となり、鉱工業出荷全体は3期連続上昇、特に輸出向け出荷の指数値は現行基準第3位と高水準 2018年3月2日
経済解析室で毎月作成している鉱工業指数や第3次産業活動指数などの経済指標は、平成29年10-12月期にどのような動きを見せていたのでしょうか。
今回は、平成29年10-12月期の鉱工業出荷内訳表について、国内向けの財別、輸出向け出荷の財別、仕向地別の動向を確認してみます。
国内向け出荷は3期連続の上昇、国内向け・輸出向けともに上昇
平成29年10-12月期の鉱工業出荷指数は前期比1.0%と、3期連続の上昇となりました。
内訳をみると、国内向け出荷が前期比0.8%と2期ぶりの上昇、輸出向け出荷は前期比2.4%と、2期連続で2%超の大幅上昇となりました。当期の鉱工業出荷は、ウエイトが大きな国内向け出荷と大幅に前期比上昇となった輸出向け出荷が同程度の上昇寄与となりました。

国内向け出荷は非耐久消費財が振るわなかったが、生産財などが全体をけん引
国内向け出荷を需要先用途に分けた財別分類でみると、生産財や資本財が上昇方向に全体を押し上げ、特に生産財の上昇寄与が大きくなっています。他方、非耐久消費財は前期に続いて低下となりましたが、他の財は総じて好調で国内向け出荷は2期ぶりに前期比上昇となりました。
当期の国内出荷では、家計消費向けの非耐久消費財の出荷が振るわなかったものの、主に企業活動に用いる財が好調だったことが、国内向け出荷の前期比上昇要因であったといえます。

輸出向け出荷は資本財を筆頭に好調、中国向けなどが上昇寄与
輸出向け出荷の動向を需要先用途に分けた財別分類でみると、総じて好調だった第3四半期に続き、当期は主に資本財と生産財の上昇寄与が大きく、前期比2.4%と大幅に上昇しました。
平成29年10-12月期の輸出向け出荷は指数値108.0と、四半期で見て現行基準の第3位と高い水準に達しています。(現行基準第1位は、平成20年1-3月期の117.1、第2位は平成20年4-6月期の112.6)

輸出向け出荷を主要仕向け先別にみると、当期上昇寄与が第1位の中国向け出荷(3期連続の前期比上昇)が、輸出向け出荷全体の伸びのけん引役でした。
一方、米国向け出荷は3期ぶりに低下となり、全体を押し下げましたが、その低下幅は中国向け出荷の上昇寄与の半分程度にとどまっています。

平成29年10-12月期の輸出向け出荷は、現行基準で第3位の指数水準となり、前期比も2.4%上昇と、2期連続で2%超の上昇となりました。
非耐久消費財を除く財分類指数も前期比上昇、仕向け先でも中国、欧州、韓国向けが前期比上昇で、広く好調となっていました。
そして、この好調さは、企業の需要とアジアの需要に支えられたものだったと言えるでしょう。
- ミニ経済分析「鉱工業指数と第3次産業活動指数からみた平成29年10-12月期の産業活動」のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20180302minikeizai.html
- 鉱工業指数と第3次産業活動からみた産業活動と関連する分析のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai-result-sankatsu.html
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