対事業所サービス、対個人サービスはともに2期ぶりの上昇。安定上昇推移だった「非製造業依存型」対事業所サービスが13期ぶりの低下となった前期から、当期は上昇基調に復帰。 2018年3月2日
経済解析室で毎月作成している鉱工業指数や第3次産業活動指数などの経済指標は、平成29年10-12月期にどのような動きを見せていたのでしょうか。
今回は、平成29年10-12月期の第3次産業活動指数について、対個人/対事業所向けサービスの動向を確認してみます。
対事業所サービス、対個人サービスはともに2期ぶりの上昇
サービス産業(第3次産業)活動指数は、大きく「広義対個人サービス」と「広義対事業所サービス」に分けられます。
平成29年10-12月期の広義対個人サービス活動指数は前期比0.1%と2期ぶりの上昇、広義対事業所サービス活動指数は前期比1.0%と、2期ぶりに上昇しました。当期の上昇は、前期に全体を押し下げた対事業所サービスの上昇寄与が主な要因であることが分かります。

製造業/非製造業依存型事業者向けサービスともに2期ぶりに上昇
対事業所サービスは、そのサービスの相手先が主に製造業であるのか、非製造業であるのかに応じて、製造業依存型と非製造業依存型に分類できます。
サービス産業活動全体の上昇要因となった対事業所サービスのうち、非製造業依存型事業所向けサービスについては、前期に13期ぶりの低下とはなりましたが、当期は再び上昇に転じており、これまでの安定的な上昇基調に復帰しています。
他方、製造業依存型事業所向けサービスは、1-3月期に大きく低下し、4-6月期の大幅上昇で水準を戻した後、7-9月期は再び低下、10-12月期はまた上昇と、1年を通して上下動を繰り返す推移となっています。指数値をみても、昨年の後半のレベルを下回っており、少し勢いがなくなっている様子です。

対事業所向けサービス前期比上昇への寄与をみると、と製造用依存型の寄与は、非製造業依存型の12分の1なので、当期は非製造業依存型事業所向けサービスの上昇寄与が大きくなっています。
ここまで3年以上にわたり、対事業所向けサービスを支えてきた非製造業依存型事業所向けサービスが前期に13期ぶりの低下に転じましたが、当期の上昇で再び上昇基調に復帰したといえるかと思います。

非選択的/し好的個人向けサービスは、ともに横ばい
対個人サービスは、生活必需的な性格の強い「非選択的個人向けサービス」と、選択性が強く上下動しやすい「し好的個人向けサービス」に分けられます。
非選択的個人向けサービスは、昨年第2四半期から今年第1四半期までの1年間緩やかな低下推移となっていましたが、直近の2四半期は連続で上昇し、当期は横ばいと、指数値は108.2で現行基準第2位の高い水準を維持しています。
一方、し好的個人向けサービスは、6期ぶりの低下とはなった前期から横ばいと、均してみれば緩やかな上昇基調は維持しているものと思われます。

これまで上昇傾向が続いていた、し好的個人向けサービスが2期連続で上昇なし、非選択的個人向けサービスは連続上昇の後に横ばいと、ともに優劣をつけ難い結果です。
平成30年1-3月期は、景気状況や所得状況との関連性が強いと考えられる「し好的個人向けサービス」が上向くのか、今後の動きが注目されます。
- ミニ経済分析「鉱工業指数と第3次産業活動指数からみた平成29年10-12月期の産業活動」のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20180302minikeizai.html
- 鉱工業指数と第3次産業活動からみた産業活動と関連する分析のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai-result-sankatsu.html
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