平成29年10-12月期のコンビニエンスストアは、飲食関連を中心に前年比上昇が続くも、前期に続いて上昇幅は縮小。 2018年3月9日
経済産業省の商業動態統計では、コンビニエンスストアの店舗数や商品カテゴリー別の販売額を調査しています。これらを使って、コンビニエンスストアの昨年10-12月期の販売動向を見ていきます。
事業所数、1事業所当たり販売額ともに上昇幅の縮小が続く。
平成29年10-12月期のコンビニエンスストア販売額は2兆9,785億円、前年同期比は1.4%上昇となりました。これで30期連続の上昇、平成22年第3四半期から7年以上も前年比プラスが続いていることになります。
販売額の変動を「事業所数」と「1事業所当たり販売額」の変動に分けて見ると、10-12月期は、両要因とも前年同期の水準を上回っています。ただし、その上昇幅は、前期に続いて何れも縮小しており、特に、「1事業所当たり販売額」の上昇寄与度合いが小さくなって、店舗数の拡大頼みとなっています。店舗数は、平成29年末で、56,374店となっていますが、コンビニエンスストアの売上拡大の勢いに弱まりが見られます。

コンビニの飲食関連販売額は、実は総合スーパー並み
コンビニエンスストアにおける商品販売額の商品別の構成を見ると、日持ちのしない「ファーストフード及び日配食品」の構成が最も高く38%を占め、これに加工食品を合わせた飲食関係で65%を占めています。
この飲食関連の販売額は合計1兆9,175億円で、総合(大型)スーパーの飲食料品の販売額である2兆5,471億円に対して、4分の3を超える水準にまでなってきています。
ちなみに、平成29年10-12月期の飲食料品小売業全体の販売額は11兆7,460億円で、コンビニの飲食関連販売額がそのうち16%程を占めています。「もう16%」、「まだ16%」のどちらと評価するのかは難しいところではありますが、コンビエンスストアが、飲食料品の流通ルートとして確固たるものとなっていることだけは間違いないと思います。

サービス売上の伸長が止まる
平成29年10-12月期のコンビニエンスストアの販売額は、前年比1.4%と小幅ながら上昇となりました。商品別にみると、どの商品が上昇寄与していたのでしょうか。
内訳4分類のうち、サービス売上以外は全て前年同期比プラスとなっているのですが、その中で最も大きな上昇寄与となったのは、販売額に占める構成比が最も大きい「ファーストフード及び日配食品」で、コンビニ全体の1.4%上昇に対し、0.59%ポイントの寄与でした。次いで、「非食品」が0.46%ポイント、「加工食品」が0.43%ポイントの上昇寄与でした。飲食関係の寄与を合計すると、コンビニの伸びの7割程度になり、飲食関連がコンビニ販売額の上昇を主導する動きに変わりはありません。

昨年10-12月期の商品分野別の寄与の特徴は、このところ目立っていた「サービス売上高」の上昇寄与が、-0.08%ポイントとマイナスに転じた事です。
コンビニエンスストアは、7-9月期に売上拡大の動きに鈍りが見られ、その中で、サービス売上の意味が大きくなっていました。10-12月期に、サービス売上が、グラフのデータ始期である平成25年の1-3月期以来、初めてマイナス寄与に転じたことは、コンビニエンスストア全体の勢いの弱まりを象徴しているように見えます。
コンビニが「身近で便利な食料品店」から、生活全般を支えるサービス拠点となっていくという話も良く耳にする中で、この動きが続くのか否か、気になるところです。
- ミニ経済分析「平成29年10-12月期小売販売を振り返る」のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20180309minikeizai.html
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