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平成30年1月のサービス産業活動は、4か月ぶりに前月比低下。鉱工業生産、出荷の動きを背景とする卸売業の低下の影響が大きい。対事業所サービスの低下を、し好的個人向けサービスの上昇が補った形。 2018年3月13日

1月のサービス産業活動指数は、4か月ぶりの前月比低下

平成30年1月のサービス産業(第3次産業)活動指数は、指数値105.2、前月比マイナス0.6%と4か月ぶりの低下でした。昨年11月は前月比1.1%と大きな上昇をみせ、12月は前月比横ばい、そこからの低下ということで、105台という、平成29年平均と比べて高い指数水準を維持しています。

後方3か月移動平均でならした推移でみても、昨年11月以降の上向きの方向感自体には変化はみられていません。

対個人、対事業所ともに前月比低下

サービス産業活動指数は、大きく「広義対事業所サービス」と「広義対個人サービス」に分けることができます。

1月の対個人サービス活動指数は、指数値105.7、前月比マイナス0.1%と2か月連続の前月比低下です。対事業所サービス活動指数は、指数値104.6、前月比マイナス0.8%と4か月ぶりの前月比低下となりました。

対個人サービスの前月比低下幅は小幅なものであり、12月から横ばいと言っても良いかも知れません。とすれば、昨年11月の高い水準からの反動的効果が多少残っているということであり、本質的に調子が悪かったということではないものと思われます。

対事業所サービスは、3か月連続上昇からの低下であり、指数値自体は、その連続上昇前の昨年9月の活動レベルよりも、大分、高い水準となっています。

このように、対個人、対事業所の両サービスともに、前月比低下ではありますが、昨年終わりの高い水準から見れば「低下」ということであり、水準そのものは一定の高い状態を維持していました。

サービス全体の変動に対する寄与としては、4か月ぶりに前月比低下となった対事業所サービスの低下寄与が大きく、対個人サービスの約8倍となっています。対個人サービスについては、前月比低下幅が小さく、ほぼ横ばいと言っても良い程度なので、サービス全体に対する低下寄与も限定的でした。

実は、し好的個人向けサービスは前月比プラス

2か月連続の前月比低下となった対個人サービスですが、選択性の強い「し好的」サービスと、生活必需的性格の強い「非選択的」サービスに分類した指数を作成しています。

1月では、非選択的サービスは前月比マイナス0.5%と3か月ぶりの低下だったのですが、し好的サービスは前月比0.6%と2か月ぶりの前月比上昇でした。

昨年12月は、サービス産業全体に対して、し好的個人向けサービスの低下が大きな影響を及ぼしていましたが、1月は逆の動きとなりました。し好的サービスの前月比上昇が、対事業所サービスの大きな低下寄与を緩和していたという関係になります。

製造業の大幅低下が、卸売業の低下につながった

1月の業種別の動きをみると、全11業種のうち、6業種が低下業種、5業種が上昇業種でした。低下寄与が大きかった業種は、卸売業、「医療,福祉」、小売業でした。逆に上昇寄与が大きかった業種は、生活娯楽関連サービス、「金融業,保険業」、情報通信業などでした。

前月比低下幅がサービス産業活動の変動としては、比較的大きかった割には、上昇業種と低下業種の数がきっ抗していました。低下寄与において、卸売業等上位業種の低下寄与幅が大きかった一方で、上昇業種については、薄く広く上昇しており、突出して大きく上昇した業種がなかったことの結果です。

反動増のみではなく、生活娯楽関連や不動産では上向きの動きも

1月の上昇寄与業種となった5業種については、寄与的には、薄く広く上昇寄与を見せています。

その中でも、生活娯楽関連サービス、不動産業は、12月の落ち込み幅を1月の上昇幅が大きく上回っており、生活娯楽関連サービスや不動産業は、むしろ少し上向いてきているという評価もできるのかもしれません。し好的個人向けサービスでは、首都圏のマンション分譲業(不動産業)、外食サービス(生活娯楽関連サービス)がけん引役でしたが、業種面での動きからも、し好的サービスの復調を見ることができるようです。

1月のサービス産業の勢いについては、「持ち直しの動き」を維持

1月のサービス産業活動指数は、前月比低下とはなったものの、高い105台の指数水準を維持していました。対個人、対事業所サービスはともに前月比低下ですが、し好的個人向けサービスは、不動産関連や外食サービス関連を中心に前月比上昇を見せています。

こういった点を踏まえ、1月のサービス産業(第3次産業)活動指数の基調判断については、「持ち直しの動きがみられる」と据え置きたいと思います。

結果概要のページ
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result-1.html
参考図表集
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/result/reference/slide/result-sanzi-sanko-201801.html
『就職にも使える! 第3次産業活動指数』(マンガ)
https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160405ita_manga2016.html

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