鉱工業出荷は、平成30年2月に前月比2.2%と前月比上昇で、これは、国内向け出荷の上昇によるもの。輸送機械工業とはん用・生産用・業務用機械工業の動きに明瞭な差が生じた。 2018年4月6日
鉱工業出荷は前月比2.2%と反転上昇
平成30年2月の鉱工業出荷は、前月比2.2%と2か月ぶりの上昇となりました。内需(国内向け出荷)が前月比3.3%の上昇で、外需(輸出向け出荷)は前月比マイナス1.2%の低下で、1月の低下から、国内向け出荷は回復したものの、輸出向け出荷は2か月連続の低下となりました。

内需と外需の内訳の寄与(影響度合い)を比較すると、2月は国内向け出荷の上昇寄与により、鉱工業出荷の前月比上昇へとつながっています。

国内向け出荷は、幅広い業種で上昇
2月の国内向け出荷の業種別動向をみると、14業種中13業種が前月比上昇でした。特に上昇寄与が大きかったのは、輸送機械工業と鉄鋼業でした。ただ、上昇業種が多く、1月の低下から幅広い業種で、国内向け出荷の回復が見られました。

前月比低下の輸出向け出荷でも、「輸送機械工業」が上昇
2月の輸出向け出荷の業種別動向をみると、14業種中11業種が前月比低下、3業種が前月比上昇となりました。2か月連続の低下で、業種的にも輸出向け出荷では幅広く調子が良くなかったようです。
2月の輸出向け出荷の前月比低下に対し、低下寄与が特に大きかったのは、はん用・生産用・業務用機械工業、化学工業(除.医薬品)、電子部品・デバイス工業の3業種でした。
むしろ、2月の業種別の輸出向け出荷の動きで特徴的なのは、輸送機械工業の前月比上昇です。輸送機械工業の輸出向け出荷は、昨年12月の小幅低下、今年1月も低下でしたが、2月は3か月ぶりに前月比4.9%上昇となりました。

主要4業種の2月の出荷全体では、はん用・生産用・業務用機械工業が前月比マイナスとなった以外は、前月比プラスです。全般的に、輸出向け出荷の低下寄与が各業種とも大きく、全体で前月比低下となったはん用・生産用・業務用機械工業でも輸出向け出荷の低下が響きました。
他方、輸送機械工業では、国内向け出荷の上昇寄与の方が大きかったのですが、他の3業種と異なり、2月の輸出向け出荷が前月比上昇寄与となっています。
輸送機械工業とはん用・生産用・業務用機械工業の2月の出荷には、明瞭な差が出たようです。

財別分類のレーダーチャート
需要先用途別分類である財別分類ごとの国内向け出荷と輸出向け出荷の2月の前月比をレーダーチャート化し、比較してみます。
すると、国内向け出荷と輸出向け出荷のチャートともに、耐久消費財の伸びだけが大きいという形になっていました。この要因は、国内外への乗用車や自動車部品の出荷が、1月の大きな低下から反転上昇したことによります。
また、国内と輸出のチャートの形の違いとしては、輸出向け出荷の五角形は耐久消費財の点以外は、全てマイナスですが、国内向け出荷では、資本財と非耐久消費財がマイナスとなった一方で、建設財や鉱工業用生産財はプラスとなっていました。
いずれにせよ、2月は、国内向け、輸出向けの出荷の財別の伸びはバランスの崩れたものとなっており、それだけ1月の耐久消費財の落ち込みと2月の上昇の振れ幅が大きかったということになります。

2月の内外需向けの出荷動向をみると、1月の大きな低下から2月に国内向け出荷は回復しましたが、輸出向け出荷は回復とはなれませんでした。輸送機械工業を中心に、耐久消費財の出荷が内外需ともに回復していますが、業種的に幅広く輸出向け出荷が低下しており、特に、輸送機械を除く資本財、はん用・生産用・業務用機械工業の外需が、半導体製造装置などの1月からの反動もあって、全体の押し下げ要因となりました。
- 結果概要のページ
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result-1.html
- 参考図表集
- https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/utiwake/result/slide/result-utiwake-sanko-201802.html
- 鉱工業出荷内訳表、総供給(いわゆるバランス表)をちょっとながめてみました
- https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/slide/20160511iip_bl_gaiyou.html
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