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- 第29回海外事業活動基本調査結果概要-平成10(1998)年度実績-
- 海外現地法人の事業活動状況(要旨)-平成12年6月16日公表-
海外現地法人の事業活動状況(要旨)-平成12年6月16日公表-
海外事業活動基本調査
1.売上高の状況
98年度の現地法人売上高は、非製造業(75兆9446億円)が前年度と比べ0.6%の増加となったものの、製造業(50兆6640億円)が同2.7%減と6年ぶりに減少となったことから、全産業では126兆6086億円と同0.8%減少した。
地域別にみると、北米(53兆9398億円、前年度比8.0%増)及びヨーロッパ(33兆108億円、同3.3%増)で前年度と比べて増加となったものの、アジア(29兆1347億円、同15.2%減)では98年の経済情勢を反映した模様で、減少傾向が顕著であった。
99年度予測では、製造業における売上増(前年度比8.3%増)により、全産業で同2.6%の増加となる見込みで、地域別でみても北米(同2.1%増)、アジア(同5.6%増)、ヨーロッパ(同2.5%増)ともに増加する見込みである。
海外生産比率(製造業)は13.1%(前年度比0.7ポイント上昇)となり、85年度のプラザ合意時の約4.4倍弱となった。国内法人売上高の減少幅に比べ、海外現地法人売上高の減少幅が微かなものにとどまったことが要因。99年度においても引き続き上昇する見込み。
2.収益の状況
98年度の現地法人経常利益額は、非製造業(9726億円)が前年度と比べ9.9%の増加となったものの、製造業(7875億円)が同30.0%の大幅減少となったことから、全産業(1兆7601億円)では同12.4%の減少となった。全産業では2年連続の減少。
大幅減少となった製造業について地域別にみると、92~93年度以降増加を続けてきた欧米地域が、北米(3111億円、前年度比30.6%減)で7年ぶり、ヨーロッパ(1314億円、同25.0%減)で6年ぶりにそれぞれ減少となったが、アジア(3087億円)は同2.5%増とわずかながら増加に転じている。
同様に売上高経常利益率をみても、欧米地域(北米1.7%、ヨーロッパ1.3%)ではそれぞれ前年度と比べ1.0ポイント低下しているのとは対照的にアジア(2.4%)では同0.4ポイントと僅かに上昇している。なお、海外経常利益比率は8.3%と同1.1ポイント上昇している。
3.費用と利益処分の状況
製造業の現地法人における売上高費用比率を国内法人と比較すると、人件費においてもっとも差が大きく(国内法人とのポイント差▲5.3ポイント)、地域別にみると、北米、ヨーロッパでは国内法人の7割程度、アジアは4割に満たない。次いで研究開発費(同▲2.5ポイント)、荷造運搬費(同▲1.4ポイント)の順で、いずれの地域でも国内の1/2程度の水準となっている。研究開発活動は依然国内が中心。
現地法人の内部留保額は2562億円で前年度と比べ23.2%減少した。地域別にみるとアジア地域ではASEAN4が依然取り崩した状態。
4.設備投資の状況
98年の製造業における現地法人の設備投資額は2兆4269億円、前年度比18.4%の減少。94年度以降続いた拡大傾向から一転、大幅な減少となった。
地域別にみると、91年度以降最大シェアを占めていたアジア(8640億円、シェア35.6%)に代わり北米(1兆612億円、同43.7%)が最大シェアを占めた。
99年度予測では、すべての地域で減少が見込まれており、全体でも1兆9179億円と前年度比21.0%の大幅減少となる見込み。
5.雇用の状況
98年度現地法人従業員数は、非製造業(53万人)で前年度比1.5%の増加となったものの、製造業(222万人)で同4.0%減少したことから、全体(275万人)同3.0%減と小幅ながら92年度以来6年ぶりに減少となった。
地域別にみると、シェアで5割以上を占めるアジア(154万人)が前年度比4.4%の減少となっている。
6.企業戦略と海外事業経営管理(アンケート調査結果から)
現地法人における生産機能は、50.3%が一貫生産、29.8%が日本との工程間分業を実施。将来展望では、全地域で技術水準が日本と同程度以上に向上すると見込んでいる。
現地法人の研究開発機能をみると、企画・設計及び開発研究が中心となっており、97年度以降大きな変化はみられない。
また、これまでの現地への進出形態をみると、全産業で「100%出資」もしくは「合弁会社」の新規設立が87.1%を占めている。これは製造業でも同程度となっており、「既存企業の買収」若しくは「既存企業への資本参加」は非常に少数であった。
将来の経営計画をみると、「事業の多角化を図る」もしくは「現在の事業領域で事業拡大を図る」とした企業が全産業の約6割、製造業の約7割弱を占めており、現地法人企業の積極的な経営姿勢が引き続きうかがわれる。
最終更新日:2007.10.1