- 統計
- 国際産業連関表
- 集計結果又は推計結果
- 統計表一覧
- 1990年日欧(英,仏,独)2国間国際産業連関表について
国際産業連関表
1990年日欧(英,仏,独)2国間国際産業連関表について
第2章 日欧(英,仏,独)経済構造の特徴と相互依存関係の分析
-1990年日欧二国間国際産業連関表による-
4.各国とも輸入品投入率が低下する中で、日本と欧州3カ国は、機械工業を中心に相手国財の中間投入率が上昇し、相互の依存関係が一層強まった。
各産業の中間投入(生産活動に必要な財・サービスの投入)に占める世界からの輸入品の割合(=輸入品投入率)をみると(第2-1,2-2表)、産業全体でみて、日本9.0%、英国18.0%、フランス20.0%、ドイツ16.7%であり、日本の輸入品投入率の水準は欧州3カ国(平均18.0%)の1/2である。しかし、その内、日欧それぞれの相手国からの輸入品の投入率をみると、日本の欧州3カ国品投入率は平均0.50%、欧州3カ国平均の日本品投入率は平均0.56%であり、両投入率にそれほど大きな差はみられない。
なお、欧州3カ国はEU域内貿易が大きく、その分、EU以外からの輸入品投入率が小さくなるので、両国の輸入品投入率からROW(相手国以外)分を除き、[相手国品投入額/(自国品投入額+相手国品投入額)]により、相手国品投入率を計算すると(第3表)、日本の欧州3カ国品投入率0.55%に対して欧州3カ国平均の日本品投入率は0.69%であり、後者が前者の1.3倍になる。
次に、各国の輸入品投入率を85年と比較すると、原油価格の低下もあって、日本▲2.3ポイント、英国▲2.4ポイント、フランス▲2.6ポイント、ドイツ▲4.5ポイントといずれも低下したが、日本と欧州3カ国相互の関係では、日本の欧州3カ国製品投入率、欧州3カ国の日本製品投入率とも85年より上昇しており、日本と欧州3カ国の生産活動を通じた相互依存関係が一層強まったと言える。具体的には、日本では、フランス製品の投入率が0.13ポイント、ドイツ製品の投入率が0.05ポイント、英国製品の投入率が0.03ポイントいずれも上昇した。一方、欧州各国では、ドイツで日本製品の投入率が▲0.05ポイントの微減となったものの、英国では0.10ポイント、フランスでは0.12ポイント上昇している。
それでは、日欧のどのような産業で相手国品の投入率が高いかをみると、日本で欧州製品の投入率が高い産業は、航空機、非鉄金属及び化学製品等の産業であり、一方、欧州3カ国で日本製品の投入率が高い産業は、事務用機械及び電子計算機、電気機械、精密機械等の産業となっている。
これを85年と比較すると、日本では航空機産業における欧州財投入率の上昇(英国製品、フランス製品、ドイツ製品とも)が目立っており、一方、欧州3カ国では、事務用機械及び電子計算機産業での日本製品投入率の上昇(英国、フランス)が目立っている。ここから、この間の日欧相互依存関係の強まりは、機械工業を中心とするものであったことが分かる。


