経済産業省
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商業統計

1.商店数

- 第2次卸の商店数が増加 -

 平成9年商業統計(平成9年6月1日現在)における代理商、仲立業を除く全国の法人卸売商店の商店数は、31万2672店、平成6年に比べて▲7.2%の減少、前回差では2万4千店の減少と前回(6年)に引き続き減少となった。法人卸売商店(以下、卸売商店という)は昭和43年の本統計編刊行以来3回目の減少となっている(昭和60年は前回比▲1.0%、平成6年同▲5.0%減)。

1.流通段階別商店数
 商店数を流通段階別にみると、「第1次卸」に格付けされた商店数は9万9948店で、卸売商店に占める割合は32.0%(前回差▲3.0ポイント減)、「第2次卸」は13万9676店、構成比44.7%(同3.8ポイント増)、「その他の卸」は7万3048店、同23.4%(同▲0.7ポイント減)となっており、「第2次卸」に格付けされた商店が最も多く、その割合も拡大している。前回比でみると、「第1次卸」が前回比▲15.2%の減少、「その他の卸」が同▲9.9%の減少となったのに対し、「第2次卸」は同1.3%の増加であった。「第2次卸」における商店数の増加は、市場の多様化にあわせた商圏拡大や地域市場開拓のための支店や分社化が行われているためと思われる。
第1表 その1 流通段階及び流通経路別の商店数
第1表 その1 流通段階及び流通経路別の商店数
第1表 その2 流通段階及び流通経路別の年間販売額
第1表 その2 流通段階及び流通経路別の年間販売額
第1表 その3 流通段階及び流通経路別の従業者数
第1表 その3 流通段階及び流通経路別の従業者数
第1図 卸売業の流通段階別商店数の推移
第1図 卸売業の流通段階別商店数の推移
 前回比を流通段階別にみると、「第1次卸」では「直取引卸」が前回比▲15.9%の減少、「元卸」が同▲13.6%の減少といずれも2桁の減少であった。「第1次卸」の7割を占める「直取引卸」のうち、「小売直取引」では「生産業者から仕入れ小売業者へ販売」の減少、「他部門直取引卸」では「生産業者から仕入れ産業用使用者へ販売」の減少が大きい。また、「元卸」では「国外から仕入れ卸売業者へ販売」、「生産業者から仕入れ卸売業者へ販売」ともに減少しているものの、海外取引よりも国内取引の商店が大幅に減少となっている。「第2次卸」では、「卸売業者から仕入れ卸売業者へ販売」の「中間卸」が同10.0%の増加となっており、「最終卸」では「卸売業者から仕入れ産業用使用者へ販売」は増加しているものの、それ以外の商店が減少していることから「最終卸」全体では同▲1.5%の減少となった。
2.国内取引と海外取引の商店数の変化
 「第1次卸」の仕入先を国内外に分けてみると、「国内仕入卸」の商店数は9万2743店、「第1次卸」の92.8%とそのほとんどを占めている。「国外仕入(輸入)卸」は7205店、その割合は7.2%と小さいが、前回に比べて1.1ポイントの拡大となっている。前回比をみると、「国内仕入卸」が前回比▲16.2%の減少、「国外仕入(輸入)卸」が同▲0.5%の減少となっている。なお、「国内仕入卸店」が全ての流通経路で商店数が減少しているのに対し、「国外仕入(輸入)卸」では「国外」及び「小売業者へ販売」する商店がともに増加と、減少している「第1次卸」のなかにも商店数の増加している流通経路もみられる。
第2表 第1次卸の仕入先国内外別商店数
第2表 第1次卸の仕入先国内外別商店数
3.財別、業種別商店数
 生産工程に使用される原材料などの生産財を主に取り扱う業種をとりまとめて生産財卸売業(繊維品卸売業、化学製品卸売業、鉱物・金属材料卸売業、再生資源卸売業)、取り扱う商品が主に資本財として扱われる業種をとりまとめて資本財卸売業(建築材料卸売業、機械器具卸売業)、それ以外の商品を取り扱う業種をとりまとめて消費財卸売業(衣服・身の回り品卸売業、農畜産物・水産物卸売業、食料・飲料卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、医薬品・化粧品等卸売業、他に分類されない卸売業)、また、各種商品卸売業はそれ自体を財とみなし、流通段階別にそれぞれの財別及び業種別にみていくこととする。
第2図 卸売業の財別、流通段階別商店数の構成比
第2図 卸売業の財別、流通段階別商店数の構成比
(1) 生産財卸売業
- 第2次卸で増加 -
 生産財卸売業の商店数は4万1846店であった。
 流通段階別にみると、「第1次卸」は1万4904店で構成比35.6%、うち「他部門直取引」、「小売直取引」、「元卸」のいずれも構成比が縮小し、「第1次卸」の割合は前回差▲3.7ポイントの縮小であった。「第2次卸」は1万9196店で同45.9%、うち「中間卸」、「最終卸」とも構成比が拡大していることから「第2次卸」の割合は同4.0ポイントの拡大となった。「その他の卸」は7746店で同18.5%、「その他の卸」の割合は同▲0.3ポイントの縮小となった。
 前回比をみると、「第1次卸」が前回比▲16.6%の減少、「その他の卸」が同▲9.4%の減少となったが、「第2次卸」の商店数は同0.7%の増加となっている。
 業種別にみると、構成比ではすべての業種において「第1次卸」、「その他の卸」の割合が縮小、「第2次卸」が拡大している。また、前回比では、化学製品卸売業、再生資源卸売業とも「第2次卸」のみが増加、繊維品卸売業、鉱物・金属材料卸売業は全流通段階で減少となっている。
第3表 生産財卸売業の流通段階及び流通経路別の商店数
第3表 生産財卸売業の流通段階及び流通経路別の商店数
(2) 資本財卸売業
- 第2次卸で増加 -
 資本財卸売業の商店数は11万8341店であった。
 流通経路別にみると、「第1次卸」は3万3889店で構成比28.6%、うち「他部門直取引」、「小売直取引」、「元卸」のいずれも構成比が縮小し、「第1次卸」の割合は前回差▲3.2ポイントの縮小であった。「第2次卸」は5万892店で同43.0%、うち「中間卸」、「最終卸」とも構成比が拡大したことから「第2次卸」の割合は同3.7ポイントの拡大、「その他の卸」は3万3560店で同28.4%、「その他の卸」の割合は同▲0.5ポイントの縮小となった。
 前回比をみると、「第1次卸」が前回比▲16.0%の減少、「その他の卸」が同▲8.6%の減少となったが、「第2次卸」の商店数は同2.0%の増加となっている。
 業種別にみると、建築材料卸売業、機械器具卸売業とも構成比、前回比は「第2次卸」のみ拡大している。
第4表 資本財卸売業の流通段階及び流通経路別の商店数
第4表 資本財卸売業の流通段階及び流通経路別の商店数
(3) 消費財卸売業
- 第2次卸で増加 -
 消費財卸売業の商店数は15万1288店であった。
 流通経路別にみると、「第1次卸」は5万745店で構成比33.5%、うち「他部門直取引」、「小売直取引」、「元卸」のいずれも構成比が縮小し、「第1次卸」の割合は前回差▲2.8ポイントの縮小となった。「第2次卸」は6万8945店で同45.6%、うち「中間卸」、「最終卸」とも構成比が拡大したことから「第2次卸」の割合は同3.7ポイントの拡大、「その他の卸」は3万1598店で同20.9%、「その他の卸」の割合は同▲0.9ポイント縮小となった。
 前回比をみると、「第1次卸」が前回比▲14.4%の減少、「その他の卸」が同▲11.4%の減少となったものの、「第2次卸」の商店数は同0.9%の増加となっている。
 業種別にみると、構成比では医薬品・化粧品等卸売業が「第1次卸」の割合が縮小、「第2次卸」、「その他の卸」が拡大となったものの、それ以外の業種はすべて「第1次卸」、「その他の卸」が縮小し、「第2次卸」が拡大している。また、前回比では食料・飲料卸売業、医薬品・化粧品等卸売業がすべての流通段階で減少となったものの、残りの業種はすべて「第2次卸」のみ増加となっている。
第5表 消費財卸売業の流通段階及び流通経路別の商店数
第5表 消費財卸売業の流通段階及び流通経路別の商店数
(4) 各種商品卸売業
- 全流通段階で増加 -
 平成9年の各種商品卸売業の商店数は1197店であった。
 流通経路別にみると、「第1次卸」は410店で構成比34.3%、うち「他部門直取引」、「小売直取引」、「元卸」のいずれも構成比は縮小しており、「第1次卸」の割合は前回差▲2.0ポイントの縮小であった。「第2次卸」は643店で同53.7%、うち「中間卸」、「最終卸」とも構成比が拡大していることから「第2次卸」の割合は同1.7ポイントの拡大となった。「その他の卸」は144店で同12.0%、「その他の卸」の割合は同0.3ポイントの拡大となった。
 前回比をみると、各種商品卸売業は前回比12.0%の増加、うち「第1次卸」が同5.7%増、「第2次卸」が同15.6%増、「その他の卸」が同15.2%増と全流通段階で増加となっている。
第6表 各種商品卸売業の流通段階及び流通経路別の商店数
第6表 各種商品卸売業の流通段階及び流通経路別の商店数

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最終更新日:2007.10.1
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