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- 平成9年商業統計 業態別統計編(卸売業)確報
- 2.年間販売額
商業統計
2.年間販売額
- 年間販売額は第2次卸が減少 -
平成9年の卸売商店の年間販売額は475兆2644億円、前回比▲6.6%と、前回(6年)に引き続き減少となった。
- 1.流通段階別年間販売額
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年間販売額を流通段階別にみると、「第1次卸」の年間販売額は199兆5092億円で、卸売商店の42.0%(前回差2.2ポイント増)を占めており、「第2次卸」は106兆7054億円で構成比22.5%(同▲5.4ポイント減)、「その他の卸」は169兆497億円で同35.6%(同3.3ポイント増)となっており、「第1次卸」の割合が最も多く、その割合も拡大している。
第3図 卸売業の流通段階別年間販売額の推移
「第1次卸」の75%を占める「直取引卸」のうち、「他部門直取引卸」は「生産業者から仕入れ産業用使用者へ販売」、「国外から仕入れ産業用使用者へ販売」、「国外から仕入れ国外へ販売」の増加から同18.7%と2桁の増加となった。一方、「小売直取引」は「国外から仕入れ小売業者へ販売」が増加となったものの、「生産業者から仕入れ小売業者へ販売」の大幅減から同▲25.7%の減少となっている。「元卸」はすべての流通経路で減少し、同▲10.8%の減少となった。
大幅に減少した「第2次卸」では、「卸売業者から仕入れ卸売業者へ販売」する「中間卸」が同▲41.9%の減少、「最終卸」も「卸売業者から仕入れ国外へ販売」、「卸売業者から仕入れ産業用使用者へ販売」が増加となったものの、「卸売業者から仕入れ小売業者へ販売」が減少となったことから同▲16.5%の減少となった。なかでも「中間卸」は商店数が増加(同10.0%増)となったものの、年間販売額は大幅な減少(同▲41.9%減)となっている。
その他の卸」は、「仕入先自店内製造品卸」が減少となったが、「仕入先本支店間卸」と「販売先本支店間卸」の増加により、同2.9%の増加となった。 - 2.国内取引と海外取引の年間販売額の変化
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「第1次卸」の仕入先を国内外に分けてみると、「国内仕入卸」の年間販売額は182兆3196億円で第1次卸の91.4%を占めている。「国外仕入(輸入)卸」は17兆1897億円、その割合は8.6%と1割に満たないものの、前回に比べて1.8ポイントの拡大となっている。
前回比をみると、「国内仕入卸」が「産業用使用者への販売」を除くすべての流通経路で大幅に減少となったことから、前回比▲3.4%の減少となったのに対し、「国外仕入(輸入)卸」は「国外へ販売」、「小売業者へ販売」が大幅に増加したことにより同25.0%の増加となった。第7表 第1次卸の仕入先国内外別年間販売額 - 3.財別、業種別年間販売額
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財別、業種別に年間販売額をみてみる。
第4図 卸売業の財別流通段階別年間販売額の構成比
- (1) 生産財卸売業
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- 年間販売額はすべての流通段階で減少 -生産財卸売業は72兆8469億円であった。
流通経路別にみると、「第1次卸」は27兆6045億円で構成比37.9%、うち、「他部門直取引」、「元卸」のいずれも構成比が縮小し、「第1次卸」の割合は前回差▲2.4ポイントの縮小となった。「第2次卸」は18兆9318億円で同26.0%、うち「中間卸」の構成比が拡大したことから「第2次卸」の割合は同0.7ポイントの拡大、「その他の卸」は26兆3105億円で同36.1%、同1.7ポイントの拡大となった。
前回比をみると、「第1次卸」が前回比▲13.5%、「第2次卸」が同▲5.5%、「その他の卸」が同▲3.4%と全流通段階で減少となった。
業種別にみると、構成比では化学製品卸売業は「第1次卸」、「第2次卸」の割合が拡大、繊維品卸売業は「第2次卸」、「その他の卸」が拡大、再生資源卸売業は「第2次卸」のみ拡大、鉱物・金属材料卸売業は「その他の卸」のみ拡大と、業種によってバラツキがみられる。また、前回比をみると、化学製品卸売業、再生資源卸売業は「第2次卸」のみ増加、繊維品卸売業、鉱物・金属材料卸売業は「その他の卸売」のみが増加となっている。第8表 生産財卸売業の流通段階及び流通経路別の年間販売額 - (2) 資本財卸売業
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- 第2次卸、その他の卸増加 -資本財卸売業は148兆5241億円であった。
流通経路別にみると、「第1次卸」は43兆7653億円で構成比29.5%、うち「他部門直取引」、「小売直取引」とも構成比が縮小し、「第1次卸」の割合は前回差▲4.5ポイントの縮小となった。「第2次卸」は29兆4695億円で同19.8%、うち「中間卸」、「最終卸」とも構成比が拡大し、「第2次卸」の割合は同1.7ポイントの拡大、「その他の卸」は75兆2892億円で同50.7%、同2.8ポイントの拡大となった。
前回比をみると、「第1次卸」は前回比▲9.4%の減少となったものの、「第2次卸」が同14.7%の増加、「その他の卸」が同10.5%の増加となった。
業種別にみると、構成比では建築材料卸売業は「第2次卸」が、機械器具卸売業は「第2次卸」、「その他の卸」が拡大している。また、前回比では建築材料卸売業は「第2次卸」、機械器具卸売業は「第2次卸」、「その他の卸」が増加となっている。第9表 資本財卸売業の流通段階及び流通経路別の年間販売額 - (3) 消費財卸売業
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- 第1次卸がはじめて減少 -消費財卸売業は182兆1421億円であった。
流通経路別にみると、「第1次卸」は67兆6186億円で構成比37.1%、うち「他部門直取引」、「元卸」がわずかに拡大したものの、「小売直取引卸」が縮小したたことにより「第1次卸」の割合は横ばいとなった。「第2次卸」は53兆2616億円で同29.2%、うち「中間卸」が拡大、「最終卸」が縮小したことから、「第2次卸」の割合は横ばい、「その他の卸」が61兆2619億円で同33.6%となっており、全流通段階での構成比にはほとんど変化がみられない。
前回比をみると、「第1次卸」が前回比▲6.9%の減少、「第2次卸」が同▲6.7%、「その他の卸」が同▲7.1%の減少と全流通段階で減少となっている。
業種別にみると、構成比では衣服・身の回り品卸売業は「第2次卸」のみ拡大、農畜産物・水産物卸売業は「第1次卸」のみ拡大、食料・飲料卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業は「第2次卸」、「その他の卸」が拡大、医薬品・化粧品等卸売業、他に分類されない卸売業は「その他の卸」のみ拡大となっている。前回比では、農畜産物・水産物卸売業が「第1次卸」、家具・建具・じゅう器等卸売業は「第2次卸」、食料・飲料卸売業は「第2次卸」、「その他の卸」が増加となったが、衣服・身の回り品卸売業、医薬品・化粧品等卸売業、他に分類されない卸売業はすべての流通段階で減少となっている。第10表 消費財卸売業の流通段階及び流通経路別の年間販売額 - (4) 各種商品卸売業
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- 第2次卸が大幅減 -平成9年の各種商品卸売業は71兆7514億円であった。
流通経路別にみると、「第1次卸」は60兆5208億円で構成比84.3%、「直取引卸」の割合が拡大したことから前回差30.2ポイントの大幅な拡大となった。「第2次卸」は5兆425億円で同7.0%、「中間卸」の割合縮小から同▲35.8ポイントの大幅な縮小、「その他の卸」は6兆1881億円で8.6%、同5.4ポイントの拡大となっている。
前回比をみると、各種商品卸売業は前回比▲21.8%の減少となり、うち「第2次卸」が同▲87.1%の減少となったものの、「第1次卸」が同22.1%の増加、「その他の卸」が同112.0%の増加となっている。
なお、「第2次卸」における年間販売額の減少は、6年まで大手総合商社はそのほとんどが多段階である「第2次卸」に格付けされていたが、9年調査では年間販売額に金ディーリング取扱額が含まれていないこと、鉄鋼製品の取扱額の減少などから「第2次卸」から「第1次卸」へ格付けが変更となったこと、また、流通経路についても「卸売業者から仕入れ産業用使用者へ販売」から「生産業者から仕入れ産業用使用者へ販売」へ経路変更が行われていることによる。第11表 各種商品卸売業の流通段階及び流通経路別の年間販売額
最終更新日:2007.10.1