では、液晶(えきしょう)とはいったいなんなのでしょう。液晶とはいわゆる『もの』ではありません。液晶とは、『ものの状態』をあらわす言葉なのです。 「ものには、固体と液体と気体という3つの状態がある」という話を、みなさんも聞いたことがあるでしょう。液晶とは、この3つでは分類できない『4つ目の状態』のことで、固体と液体の中間にある状態のことです。しっかりと固まっているわけでもなく、水のようにさらさら流れるものでもない、ドロドロした状態のことです。  ものをどんどん細かく分けていくと、分子という小さなつぶになります。固体では、この分子の位置や方向が規則(きそく)正しく並んでいます。液体は、水のように分子は決まった形を持たずに、ばらばらの状態です。液晶は、この両方の性質を持っています。液晶は液体のようにいろんな形になることも、固体のように決められた形になることもできるのです。 |