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行政情報を調べる 「資源有効利用促進法の解説」
第3編特定省資源業種、特定再利用業種、指定省資源化製品、指定再利用促進製品、指定表示製品、指定再資源化製品及び指定副産物の解説
第6章 指定再資源化製品
 
<政令>

(指定再資源化製品)
第6条 法第2条第12項の政令で定める製品は、別表第6の上欄に掲げるとおりとする。

(指定再資源化製品を部品として使用する製品)
第19条 法第26条第一項の政令で定める製品は、別表第8の上欄に掲げるとおりとする。

(指定再資源化事業者に係る生産量又は販売量の要件)
第20条 法第33条第1項の政令で定める要件は、別表第6の上欄に掲げる指定再資源化製品にあっては当該指定再資源化製品ごとにそれぞれ同表の中欄に掲げるとおりとし、別表第8の上欄に掲げる製品にあっては当該製品ごとにその事業年度における生産台数又は輸入されたものの販売台数がそれぞれ同表の中欄に掲げる生産台数又は販売台数以上であることとする。

(指定再資源化事業者に対する命令に際し意見を聴く審議会等)
第21条 法第33条第3項の審議会等で政令で定めるものは、別表第6の上欄に掲げる指定再資源化製品に係る指定再資源化事業者にあっては当該指定再資源化事業者ごとにそれぞれ同表の下欄に掲げるとおりとし、別表第8の上欄に掲げる製品に係る指定再資源化事業者にあっては当該指定再資源化事業者ごとにそれぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。

第31条 
1 (略)
2 法第39条第1項第五号に定める事項についての主務大臣は、次のとおりとする。
一 別表第6の上欄に掲げる指定再資源化製品の製造の事業及び当該指定再資源化製品であって輸入されたものの販売の事業に係るものについては、経済産業大臣及び環境大臣
二 別表第8の1から23まで及び29の項の上欄に掲げる製品の製造の事業及び当該製品であって輸入されたものの販売の事業に係るものについては、経済産業大臣及び環境大臣
三 別表第8の24から28までの項の上欄に掲げる製品の製造の事業及び当該製品であって輸入されたものの販売の事業に係るものについては、厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣
 
別表第6(第6条、第20条、第21条、第31条関係)
1 パーソナルコンピュータ(重量が一キログラム以下のものを除く。以下この項において同じ。) その事業年度におけるパーソナルコンピュータの生産台数又は自ら輸入したパーソナルコンピュータの販売台数が一万台以上であること。 産業構造審議会及び中央環境審議会
2 密閉形蓄電池(密閉形鉛蓄電池、密閉形アルカリ蓄電池又はリチウム蓄電池をいう。以下この項において同じ。) その事業年度における密閉形蓄電池の生産量又は自ら輸入した密閉形蓄電池の販売量が二百万個以上であること。 産業構造審議会及び中央環境審議会
 
別表第8(第19条、第21条、第29条、第31条関係)
1 電源装置 一千台 産業構造審議会及び中央環境審議会
2 電動工具 一万台 産業構造審議会及び中央環境審議会
3 誘導灯 一万台 産業構造審議会及び中央環境審議会
4 火災警報設備 一千台 産業構造審議会及び中央環境審議会
5 防犯警報装置 一万台 産業構造審議会及び中央環境審議会
6 自転車 一千台 産業構造審議会及び中央環境審議会
7 車いす 一千台 産業構造審議会及び中央環境審議会
8 パーソナルコンピュータ 一万台 産業構造審議会及び中央環境審議会
9 プリンター 一万台 産業構造審議会及び中央環境審議会
10 携帯用データ収集装置 一万台 産業構造審議会及び中央環境審議会
11 コードレスホン 二千台 産業構造審議会及び中央環境審議会
12 ファクシミリ装置 五千台 産業構造審議会及び中央環境審議会
13 交換機 一千台 産業構造審議会及び中央環境審議会
14 携帯電話用装置 一万台 産業構造審議会及び中央環境審議会
15 MCAシステム用通信装置 一千台 産業構造審議会及び中央環境審議会
16 簡易無線用通信装置 一千台 産業構造審議会及び中央環境審議会
17 アマチュア用無線機 一千台 産業構造審議会及び中央環境審議会
18 ビデオカメラ 一万台 産業構造審議会及び中央環境審議会
19 ヘッドホンステレオ 一万台 産業構造審議会及び中央環境審議会
20 電気掃除機 一万台 産業構造審議会及び中央環境審議会
21 電気かみそり 一万台 産業構造審議会及び中央環境審議会
22 電気歯ブラシ 一万台 産業構造審議会及び中央環境審議会
23 非常用照明器具 一万台 産業構造審議会及び中央環境審議会
24 血圧計 一万台 薬事・食品衛生審議会、産業構造審議会及び中央環境審議会
25 医薬品注入器 一千台 薬事・食品衛生審議会、産業構造審議会及び中央環境審議会
26 電気マッサージ器 一万台 薬事・食品衛生審議会、産業構造審議会及び中央環境審議会
27 家庭用電気治療器 一万台 薬事・食品衛生審議会、産業構造審議会及び中央環境審議会
28 電気気泡発生器 一万台 薬事・食品衛生審議会、産業構造審議会及び中央環境審議会
29 電動式がん具 一万台 産業構造審議会及び中央環境審議会
 
(趣旨)
 本条は、法第2条第12項、第26条第1項、第33条第1項及び第3項、第39条第1項第5号の規定に基づき、指定再資源化製品及びその関連事項を定めるものである。

(解説)

1.指定の要件
 法第2条第12項に基づき、指定再資源化製品として政令指定する際の要件を以下の様に設定し、具体的には別表第六及び第八に掲げる製品を指定した。
1) 技術的・経済的な観点
a)その再資源化を行う技術が存在し、これを利用することが可能なこと
b)事業者により自主回収・再資源化の費用を一定程度賄えることなど自主回収・再資源化の体制の整備が経済的に可能な製品であること
2) 政策的な必要性があること
a)事業者による自主的な回収・再資源化の取組だけでは十分な効果が上がらない製品であること
b)高度な再資源化が必要であるため、市町村による再資源化が困難な製品であること

2.指定再資源化製品

(1) パーソナルコンピュータ
1) 対象製品
 政令第6条(別表第6)の規定で定める「パーソナルコンピュータ」とは、日本標準商品分類に掲げる「パーソナルコンピュータ」(5212)(「CRTディスプレイ装置」(521451)又は「液晶ディスプレイ装置(521452)のうちパーソナルコンピュータの表示装置を含む。)の一部(重量が一キログラム以下のものを除く。)に該当する。
2) 対象事業者
 パーソナルコンピュータの製造事業者及び輸入販売事業者

(2) 密閉形蓄電池
1) 対象製品
 政令第6条(別表第6)で規定する「密閉形蓄電池」については、第5章指定表示製品の解説を参照。
2) 対象事業者
 密閉形蓄電池の製造事業者及び輸入販売事業者(関係する表示の標準となるべき事項を定める省令を参照)

(3) その他
 別表第八に掲げる製品の対象範囲は指定再利用促進製品に係る別表第四を参照。

3.政令第20条に定める要件に該当する指定再資源化事業者の範囲(勧告・命令等の対象)は法第20条に基づく勧告・公表・命令の対象となる事業者の要件を定めるものである。これらの要件に該当する指定再資源化事業者の生産量及び輸入量は、我が国における当該指定再資源化製品の消費量のほぼ全量を占めることから政策効果としては十分である。
 
<政令>

第29条 主務大臣は、法第37条第4項の規定により、指定再資源化事業者に対し、その製造又は販売に係る使用済指定再資源化製品の自主回収又は再資源化の実施の状況につき、次の事項に関し報告させることができる。
一 その製造又は販売に係る指定再資源化製品又は指定再資源化製品を部品として使用する別表第8の上欄に掲げる製品の種類及び数量
二 当該使用済指定再資源化製品の自主回収又は再資源化の実施方法に関する事項
三 当該使用済指定再資源化製品の自主回収がされたものの数量又は当該使用済指定再資源化製品の再資源化により得られた再生資源若しくは再生部品の数量
四 当該使用済指定再資源化製品について市町村から引取りを求められた場合における引取りの実施、引取りの方法その他市町村との連携に関する事項
五 その他当該使用済指定再資源化製品の自主回収又は再資源化の実施に関する事項
2 主務大臣は、法第37条第4項の規定により、その職員に、指定再資源化事業者の事務所、工場、事業場又は倉庫に立ち入り、その製造又は販売に係る使用済指定再資源化製品、当該使用済指定再資源化製品の自主回収のための設備及び再資源化のための設備並びにこれらの関連施設並びに関係帳簿書類を検査させることができる。
 
(趣旨)
 本条は、第37条第4項の規定に基づく指定再資源化製品に係る報告徴収又は立入検査を行う際の、報告又は検査の内容を規定したものである。

(解説)

1.法第37条第4項の規定において、指定再資源化事業者に対する報告徴収及び立入検査は、政令で定めるところにより行うことができるものとされている。本条はこれを受けて定められたものである。

2.具体的な報告内容については、以下のような内容が想定される。

(1) その製造又は販売に係る指定再資源化製品又は指定再資源化製品を部品として使用する別表第八の上欄に掲げる製品の種類及び数量
・その製品の種類・数量

(2) 当該使用済指定再資源化製品の自主回収又は再資源化の実施方法に関する事項
・回収ルートの整備状況、製品の再資源化のための手法等

(3) 当該使用済指定再資源化製品の自主回収がされたものの数量又は当該使用済指定再資源化製品の再資源化により得られた再生資源若しくは再生部品の数量
・自主回収により引き取った製品の数量、製品の再資源化により取り出した再生資源又は再生部品の数量

(4) 当該使用済指定再資源化製品について市町村から引取りを求められた場合における引取りの実施、引取りの方法その他市町村との連携に関する事項
1) 事業者が市町村から製品の引取りを求められた数量と実際に引き取った数量
2) 事業者が市町村から製品を引き取る場合の分別の程度等の条件
3) 市町村における消費者への普及啓発と連携した事業者の情報提供の状況等

(5) その他当該使用済指定再資源化製品の自主回収又は再資源化の実施に関する事項
・製品の最資源化に関する技術の向上の状況等

密閉形蓄電池の製造等の事業を行う者及び密閉形蓄電池使用製品の製造等の事業を行う者の使用済密閉形蓄電池の自主回収及び再資源化に関する判断の基準となるべき事項を定める省令
 
<省令>

(自主回収の実効の確保その他実施方法に関する事項)
第1条 密閉形蓄電池(密閉形鉛蓄電池(電気量が234キロクーロン以下のものに限り、機器の記憶保持用のものを除く。以下同じ。)、密閉形アルカリ蓄電池(機器の記憶保持用のものを除く。以下同じ。)又はリチウム蓄電池(機器の記憶保持用のものを除く。以下同じ。)をいう。以下同じ。)の製造等(製造又は自ら輸入したものの販売をすることをいう。以下同じ。)の事業を行う者(以下「電池製造等事業者」という。)は、当該電池製造等事業者が製造等をした使用済密閉形蓄電池(密閉形蓄電池が一度使用され、又は使用されずに収集され、若しくは廃棄されたものをいう。以下同じ。)について、当該使用済密閉形蓄電池の自主回収をする場所の指定又は回収ボックスの設置その他の自主回収のために必要な措置を講ずることにより、当該使用済密閉形蓄電池の自主回収をするものとする。
2 密閉形蓄電池使用製品(電源装置、電動工具、誘導灯、火災警報設備、防犯警報装置、自転車(人の力を補うため電動機を用いるものに限る。)、車いす(電動式のものに限る。)、パーソナルコンピュータ(その表示装置であってブラウン管式又は液晶式のものを含む。)、プリンター、携帯用データ収集装置、コードレスホン、ファクシミリ装置、交換機、携帯電話用装置、MCAシステム用通信装置、簡易無線用通信装置、アマチュア用無線機、ビデオカメラ、ヘッドホンステレオ、電気掃除機、電気かみそり(電池式のものに限る。)、電気歯ブラシ、非常用照明器具、血圧計、医薬品注入器、電気マッサージ器、家庭用電気治療器、電気気泡発生器(浴槽用のものに限る。)又は電動式がん具(自動車型のものに限る。)をいう。以下同じ。)の製造等の事業を行う者(以下「電池使用製品製造等事業者」という。)は、当該電池使用製品製造等事業者が製造等をした密閉形蓄電池使用製品に部品として使用された使用済密閉形蓄電池について、当該使用済密閉形蓄電池の自主回収をする場所の指定又は回収ボックスの設置その他の自主回収のために必要な措置を講ずることにより、当該使用済密閉形蓄電池の自主回収をするものとする。
3 電池製造等事業者及び電池使用製品製造等事業者(以下「電池製造等事業者等」という。)は、使用済密閉形蓄電池を対価を得ないで自主回収するものとする。ただし、正当な理由がある場合又は当該使用済密閉形蓄電池が事業活動に伴って生じたものである場合は、この限りでない。
4 電池製造等事業者等は、使用済密閉形蓄電池の自主回収をするに当たっては、密閉形蓄電池又は密閉形蓄電池使用製品の加工、修理又は販売(自ら輸入したものの販売を除く。)の事業を行う者に対し、必要な協力を求めるものとする。
5 電池製造等事業者等は、他の者に委託して使用済密閉形蓄電池の回収をする場合にあっては、当該回収を受託した者に対し、当該回収の実施の状況に関する報告を求めるものとする。
6 電池使用製品製造等事業者は、使用済密閉形蓄電池の自主回収をしたときは、遅滞なく、当該使用済密閉形蓄電池の製造等をした電池製造等事業者に引き渡すものとする。ただし、自ら又は他の者に委託して、使用済密閉形蓄電池の再資源化をすることを妨げない。
7 電池製造等事業者は、前項本文の規定により当該電池製造等事業者が製造等をした使用済密閉形蓄電池について電池使用製品製造等事業者から引取りを求められたときは、当該使用済密閉形蓄電池を対価を得ないで引き取るものとする。ただし、正当な理由がある場合又は当該使用済密閉形蓄電池が事業活動に伴って生じたものである場合は、この限りでない。
8 電池製造等事業者等は、使用済密閉形蓄電池の自主回収をする場所、回収ボックス又は自主回収に係る手続、密閉形蓄電池又は密閉形蓄電池使用製品の種類、密閉形蓄電池の自主回収及び再資源化の必要性その他の使用済密閉形蓄電池の自主回収の実効を確保するために必要な情報の公表を行うものとする。
9 電池製造等事業者等は、単独に又は共同して実施した使用済密閉形蓄電池の自主回収の実施の状況を毎年度公表するものとする。
10 電池製造等事業者等は、あらかじめ当該電池製造等事業者等が定めた量を超える使用済密閉形蓄電池を引き渡した者(電池使用製品製造等事業者を除く。)に対する報奨の付与その他の使用済密閉形蓄電池の自主回収の実効を確保するために必要な措置を講ずるものとする。
 
(趣旨)
 法第2条に基づき、政令第6条の規定により指定した密閉形蓄電池の製造等の事業を行う者及び政令第19条の規定により指定した密閉形蓄電池を部品として使用する製品の製造等の事業を行う者についての判断の基準を示すものである。
 本条は、使用済密閉形蓄電池についての自主回収の実効の確保その他実施方法に関する事項を規定したものである。

(解説)

1.本条第1項の規定は、密閉形蓄電池(指定表示製品の解説を参照。)の製造等の事業を行う者(電池製造等事業者)に対し、自らが製造等をした密閉形蓄電池について、本条第2項の規定は、電源装置等の密閉形蓄電池使用製品(各製品については、指定再利用促進製品の解説を参照。)の製造等の事業を行う者(電池使用製品製造等事業者)に対し、自らが製造等をした密閉形蓄電池使用製品に部品として使用された使用済密閉形蓄電池について、回収拠点や回収ボックスを設置するなどの措置を講ずることにより、自主回収を行うよう求めるものである。
1) 対象事業者
 第1項の対象事業者は、密閉形蓄電池の製造の事業を行う者及び自ら輸入した密閉形蓄電池の販売の事業を行う者(電池製造等事業者)、第2項の対象事業者は、密閉形蓄電池使用製品の製造の事業を行う者及び自ら輸入した密閉形蓄電池使用製品の販売の事業を行う者(電池使用製品製造等事業者)である。
 本省令の「製造」の基本的な考え方については、指定再利用促進製品の判断の基準となるべき事項を定める省令における規定の考え方と同様であるが、密閉形蓄電池のほとんどが密閉形蓄電池使用製品の部品として使用されていることに鑑み、本条第2項の対象事業者(電池使用製品製造等事業者)が密閉形蓄電池使用製品の製造等をするにあたり、部品として使用する密閉形蓄電池の材料、設計、自己の商標の使用等についての指示を行っている場合であっても、電池製造等事業者としての役割は求めない。
2) 対象製品
 第1項の規定により電池製造等事業者に自主回収を求める製品は、当該電池製造等事業者が製造等をした使用済密閉形蓄電池(密閉形蓄電池が一度使用され、又は使用されずに収集され、若しくは廃棄されたもの)、第2項の規定により電池使用製品製造等事業者に自主回収を求める製品は、当該電池使用製品製造等事業者が製造等をした密閉形蓄電池使用製品に部品として使用された使用済密閉形蓄電池である。
 機器の記憶保持用の密閉形蓄電池は、対象製品から除いている。(指定再利用促進製品にかかる判断基準省令第1条をあわせて参照のこと。)
 なお、他の事業者が製造等を行った密閉形蓄電池や機器の記憶保持用のものを回収することを妨げるものではない。
3) 取組内容
 第1項及び第2項の規定は、電池製造等事業者及び電池使用製品製造等事業者(電池製造等事業者等)に排出者(ユーザー)のところまで密閉形蓄電池を回収に行くことを求めるものではなく、排出者が使用済になった密閉形蓄電池の処分を希望する際に、これを回収する拠点を整備し、回収することにより、ごみとして処分されることなく資源として有効利用されるようにすることを目的とするものである。
 回収については、各電池製造等事業者等が単独で行ってもよいが、密閉形蓄電池の使用量、使用形態、経済的合理性などを考えると、複数の事業者が共同して行うことが望ましい。

2.本条第3項の規定は、電池製造等事業者等に、原則として密閉形蓄電池を無償あるいは対価を支払って(有償で買い取って)回収することを求めるものである。これは、密閉形蓄電池を回収する際に排出者から料金を徴収すると、ごみとしての処分や不法投棄などが増加することにより回収目標が達成できないことが懸念されるためである。

3.「正当な理由がある場合」とは、乾電池などの異物が混入した密閉形蓄電池や二次電池使用製品に組み込まれたまま排出された密閉形蓄電池の回収を求められた場合などであり、この場合には密閉形蓄電池の分別費用等を徴収することができる。また、産業廃棄物であるものについては、自主回収及び再資源化にかかる費用を徴収することができる。なお、これらの場合には、廃棄物処理法その他の関係法令を遵守することが必要である。

4.本条第4項の規定は、密閉形蓄電池の回収拠点を整備するに当たっては、保守・点検事業者、工事業者、サービス業者、小売店などの密閉形蓄電池や密閉形蓄電池使用製品のライフサイクルにかかわる関係者の協力を得て進めることが効果的であることから、電池製造等事業者等に、これらの事業者に対し必要な協力を求めることとしたものである。

5.本条第5項は、電池製造等事業者等は、回収にかかる業務を自ら行うほか、他の者に委託して実施することもできることを規定したものである。ただし、後者の場合であっても、義務者はあくまで電池製造等事業者等であることから、回収状況を把握するために受託者に対して必要な報告を聴取するよう、確認的に求めているものである。

6.本条第6項は、電池使用製品製造等事業者に回収した密閉形蓄電池を当該密閉形蓄電池の製造等を行った電池製造等事業者に引き渡すことを規定したものである。つまり、電池使用製品製造等事業者には再資源化(リサイクル)までを求めておらず、これは電池製造等事業者に求めることとした。電池使用製品製造等事業者の自主回収は、電池製造等事業者への引き渡しによって完了する。
 ただし、電池製造等事業者に引き渡さないでこれを自ら(あるいは他者に委託して)リサイクルすることも可能である。この場合は、リサイクルの実施に当たり、電池製造等事業者と同様の取組を求めることとなる。

7.本条第7項の規定は、電池製造等事業者に電池使用製品製造等事業者から密閉形蓄電池の引き取りを求められた場合には、原則としてこれを無償あるいは対価を支払って(有償で買い取って)引き取ることを求めるものである。料金を徴収できる場合については、第3項と同じである。

8.本条第8項の規定は、電池製造等事業者等に、密閉形蓄電池の回収が円滑に行われるよう、広く関係者に対し必要な情報の提供、普及啓発活動を行うことを求めるものである。具体的な事項については本項に例示されているとおりであるが、これらに限定されるものではない。

9.本条第9項の規定は、電池製造等事業者等に、回収した密閉形蓄電池の量、情報提供、普及啓発の状況、回収量向上のためにとった措置などの回収状況を、毎年度公表することを求めるものである。主務大臣(厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣)への報告も、本項の規定により毎年度行うことが求められている。公表方法は特に限定していないことから、例えばHPへの掲載などが考えられる。
 また、回収にかかる業務を複数の事業者が共同で行った場合は、それぞれの事業者ごとの状況を公表する必要はなく、共同で行った回収の状況について、各社が単独に又は共同して公表すれば足りる。

10.本条第10項の規定は、電池製造等事業者等に、密閉形蓄電池の回収量を向上させるため、主に一般消費者を対象に、経済的なインセンティブを講ずることを求めるものである。
 家電、携帯電話、パソコンなど家庭で用いられる様々な機器に密閉形蓄電池が使用されているが、個々の家庭ごとの量は多くなく、一般消費者に回収拠点まで持ってきてもらう必要があることから、第8項の普情報提供や普及啓発と合わせ、こうした経済的なインセンティブを講じることが回収量向上に非常に有効である。
 
<省令>

(再資源化の目標に関する事項)
第2条 電池製造等事業者は、前条第1項の規定による自主回収並びに同条第7項及び第5条第1項の規定による引取りに係る使用済密閉形蓄電池のうち鉄、鉛、ニッケル、コバルト、カドミウムその他の再生資源として利用することができる状態にされるものの総重量の当該使用済密閉形電池の総重量に対する割合についての目標を、次の表の上欄の使用済密閉形蓄電池の区分ごとにそれぞれ同表の下欄に掲げる割合を下回らない範囲内において定めるものとする。

密閉形鉛蓄電池 百分の五十
密閉形アルカリ蓄電池(密閉形ニッケル・カドミニウム蓄電池に限る。) 百分の六十
密閉形アルカリ蓄電池(密閉形ニッケル・水素蓄電池に限る。) 百分の五十五
リチウム蓄電池 百分の三十

(再資源化の実施方法に関する事項)
第3条 電池製造等事業者は、第1条第1項の規定による自主回収又は同条第7項若しくは第5条第1項の規定による引取りをしたときは、遅滞なく、自ら又は他の者に委託して、技術的及び経済的に可能な範囲で、使用済密閉形蓄電池のうち、鉄、鉛、ニッケル、コバルト、カドミウムその他の再生資源として利用することができる状態にすることができるものについては、再生資源として利用することができる状態にすることとする。ただし、これによらないことが環境への負荷の低減にとって有効であるときは、この限りでない。
2 電池製造等事業者は、他の者に委託して使用済密閉形蓄電池の再資源化をする場合にあっては、当該再資源化を受託した者に対し、当該再資源化の実施の状況に関する報告を求めるものとする。
3 電池製造等事業者は、単独に又は共同して実施した使用済密閉形蓄電池の再資源化の実施の状況を毎年度公表するものとする。

(電池使用製品製造等事業者による再資源化についての準用規定)
第4条 前2条の規定は、第1条第6項ただし書の規定により使用済密閉形蓄電池の再資源化をする電池使用製品製造等事業者について準用する。この場合において、第2条中「前条第1項の規定による自主回収並びに同条第7項及び第5条第1項の規定による引取り」とあるのは「前条第2項の規定による自主回収」と、前条第1項中「第1条第1項の規定による自主回収又は同条第7項若しくは第5条第1項の規定による引取り」とあるのは「第1条第2項の規定による自主回収」と読み替えるものとする。
 
(趣旨)
 第2条から第4条は、使用済密閉形蓄電池についての再資源化の目標に関する事項、再資源化の実施方法に関する事項及び電池使用製品製造等事業者による再資源化についての準用規定を規定したものである。

(解説)

1.第2条の規定は、電池製造等事業者に、自らが回収した密閉形蓄電池及び電池使用製品製造等事業者から引き取った密閉形蓄電池について、電池の種類ごとに一定率以上の再資源化(リサイクル)を求めるものである。
 なお、第2条の表におけるリサイクル率は、それぞれの密閉形蓄電池について、金属の含有量と歩留まり率を勘案して、現時点において技術的、経済的に達成可能な最低限の数値を算出したものであることから、この割合以上の目標を各電池製造等事業者は設定し、達成する必要がある。

2.第3条第1項の規定は、電池製造等事業者に、集めた密閉形蓄電池について、現時点において技術的、経済的に可能な範囲でリサイクルを行うことを求めるものである。また、環境への負荷の低減を図るよう努める必要がある。
 集めたものについては、放置することなくリサイクルを行うことが求められるが、リサイクル施設の状況等による一時的な保管を妨げるものではない。

3.第3条第2項は、電池製造等事業者は、リサイクルにかかる業務を自ら行うほか、他の者に委託して行うこともできることを規定するものである。ただし、後者の場合であっても、義務者はあくまで電池製造等事業者であることから、リサイクル状況を把握するために受託者に対して必要な報告を聴取するよう、確認的に求めている。

4.第3条第3項は、電池製造等事業者に、リサイクルした密閉形蓄電池の量、リサイクルによって得られた資源の量、リサイクル率、リサイクル率向上のためにとった措置などのリサイクル状況を毎年度公表することを求めるものである。主務大臣(厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣)への報告も、本項の規定により毎年度行うことが求められている。公表方法は特に限定していないことから、例えばHPへの掲載などが考えられる。
 また、リサイクルにかかる業務を複数の事業者が共同で行った場合は、それぞれの事業者ごとの状況を公表する必要はなく、共同で行ったリサイクルの状況について、各事業者が単独に又は共同して公表すれば足りる。

5.第4条は、電池使用製品製造等事業者が回収した密閉形蓄電池を自ら又は他の者に委託してリサイクルする場合に、電池製造等事業者と同様の取組を求めるものである。例えば、リサイクル率の設定と達成、リサイクル状況の公表などが求められる。
 
<省令>

(市町村との連携に関する事項)
第5条 電池製造等事業者は、当該電池製造等事業者が製造等をした使用済密閉形蓄電池について市町村から引取りを求められたときは、当該使用済密閉形蓄電池を引き取るものとする。
2 電池製造等事業者は、前項による引取りをするために必要な条件をあらかじめ公表するものとする。
3 電池製造等事業者は、前項の規定により公表した条件に基づき適切に分別された使用済密閉形蓄電池については、対価を得ないで引き取るものとする。

(その他自主回収及び再資源化の実施に関し必要な事項)
第6条 電池製造等事業者等は、前各条の規定により使用済密閉形蓄電池の自主回収及び再資源化をする際には、関係法令の規定を遵守するとともに、原材料の毒性その他の特性に配慮することにより、自主回収及び再資源化に係る安全性を確保するものとする。

附 則
この省令は、平成13年4月1日から施行する。
 
(趣旨)
 第5条は市町村との連携に関する事項を第6条はその他自主回収及び再資源化の実施に関し必要な事項を規定したものである。

(解説)

1.第5条の規定は、電池製造等事業者に、市町村から密閉形蓄電池の引き取りを求められた場合は、これを引き取ることを求めるものである。
 電池製造等事業者は、市町村からの引き取りに必要な条件を事前に公表する必要があり(手段は限定しない。)、公表した条件に沿って、乾電池等の混入量が少なく、機器からも分離された状態になっているなど適切に回収された密閉形蓄電池は、無償あるいは対価を支払って(有償で買い取って)回収する必要がある。

2.第6条は、電池製造等事業者等に、密閉形蓄電池の回収・リサイクルを行うに当たっては、関係法令を遵守する必要があることを確認的に規定したものである。また、例えば医療用機器から密閉形蓄電池を取り出す際には、感染の恐れがないようその取り扱いには十分注意するなど、安全性を確保する必要があることを確認的に規定している。

パーソナルコンピュータの製造等の事業を行う者の使用済パーソナルコンピュータの自主回収及び再資源化に関する判断の基準となるべき事項を定める省令
 
<省令>

(自主回収の実効の確保その他実施方法に関する事項)
第1条 パーソナルコンピュータ(その表示装置であってブラウン管式又は液晶式のものを含む。以下同じ。)の製造等(製造又は自ら輸入したものの販売をすることをいう。以下同じ。)の事業を行う者(以下「事業者」という。)は、当該事業者が製造等をした使用済パーソナルコンピュータ(パーソナルコンピュータが一度使用され、又は使用されずに収集され、若しくは廃棄されたものをいう。以下同じ。)の自主回収をする場所としてあらかじめ当該事業者が指定した場所(以下「指定回収場所」という。)において、当該使用済パーソナルコンピュータの自主回収をするものとする。ただし、指定回収場所以外の場所において、当該使用済パーソナルコンピュータの自主回収をすることを妨げない。
2 事業者は、指定回収場所において使用済パーソナルコンピュータ(事業活動に伴って生じたものを除く。)の自主回収をするに際しては、対価を得ないものとする。ただし、正当な理由がある場合は、この限りでない。
3 事業者は、使用済パーソナルコンピュータの自主回収をするに際しては、当該使用済パーソナルコンピュータの付属装置であって、当該事業者が製造等をした使用済物品等を併せて自主回収するよう努めるものとする。
4 事業者は、自主回収の途中においても、当該自主回収の実施の状況を把握することができるよう必要な措置を講ずるものとする。
5 事業者は、単独に又は共同して実施した使用済パーソナルコンピュータの自主回収の実施の状況を公表するものとする。
6 事業者は、指定回収場所、使用済パーソナルコンピュータの自主回収に係る手続その他使用済パーソナルコンピュータの自主回収の実効を確保するために必要な情報の公表その他使用済パーソナルコンピュータの自主回収の実効を確保するために必要な措置を講ずるものとする。
 
(趣旨)
 法第26条に基づき、政令第6条の規定により指定したパーソナルコンピュータの製造等の事業を行う者についての判断の基準を示すものである。
 本条は、自主回収の実効の確保その他実施方法に関する事項を規定したものである。

(解説)

1.本条第1項の規定は、パーソナルコンピュータ(政令の解説を参照。)の製造の事業を行う者及び自ら輸入したパーソナルコンピュータの販売の事業を行う者(事業者)に対し、自らが製造等をしたパーソナルコンピュータについて、回収拠点を設置するなどの措置を講ずることにより、自主回収を行うよう求めるものである。
1) 対象事業者
 本省令の「製造」の基本的な考え方については、指定再利用促進製品の判断の基準となるべき事項を定める省令における規定の考え方と同様である。
2) 対象製品
 第1項の規定により事業者に自主回収を求める製品は、当該事業者が製造等をした使用済パーソナルコンピュータ(パーソナルコンピュータが一度使用され、又は使用されずに収集され、若しくは廃棄されたもの)である。
 重量が一キログラム以下のパーソナルコンピュータは、その特性から小形、軽量であり、排出される量が少なく、部品として使用される密閉形蓄電池を除くと有効利用可能な再生資源又は再生部品の含有量も少ない。この製品について、当該密閉形蓄電池以外の回収・リサイクルを求めることは、事業者に技術的又は経済的に過大な負担を強いることになる恐れがあるため、対象から除外することとしているが、この製品の自主回収・再資源化を妨げるものではない。(なお、この製品については、密閉形蓄電池を部品として使用する製品に指定し、当該密閉形蓄電池の自主回収・再資源化を促進することとしている。)
3) 取組内容
 第1項の規定は、事業者に排出者(ユーザー)のところまでパーソナルコンピュータを回収に行くことを求めるものではないが、家電製品等に比べ小形、軽量であるという特性を踏まえ、回収の実効性を高めるために、ユーザーに対し利便性の高い回収システムの構築を求めるものである。第1項のただし書きは、こうした回収システムによる自主回収を想定したものである。

2.本条第2項の規定は、事業者に原則として使用済パーソナルコンピュータ(事業活動に伴って生じた使用済パーソナルコンピュータを除く。)を指定回収場所で回収する場合は無償で回収することを求めるものである。これは、パーソナルコンピュータを回収する際に排出者(消費者)から料金を徴収すると、パーソナルコンピュータは小型軽量で消費者が持ち運びし易い商品であり、廃棄物として処分される場合に従来は「一般廃棄物」として自治体により「粗大ごみ」又は「不燃ごみ」として回収・処理されてきたため、自治体の収集するごみと一緒に排出される可能性が高いこと、不法投棄などが増加するおそれがあること、これらにより回収目標が達成できないことが懸念されるためである。
 「正当な理由がある場合」とは、事業者が事業用として販売したパーソナルコンピュータが中古市場などを経由して一般消費者から排出された場合など、事業者が製品販売時に予期せぬ形態で排出された場合であり、この場合にはパーソナルコンピュータの自主回収及び再資源化にかかる経費を排出者から徴収することができる。
 また、附則により平成15年9月30日までに小売販売(消費者に対する販売をいう。)されたパーソナルコンピュータについては、第2項の規定は適用しないこととしている。
 なお、「事業活動に伴って生じたもの」とは、廃棄物として処分される場合に「産業廃棄物」となるパーソナルコンピュータのことであり、これに関しては第2項の規定の適用は除外されている。

3.本条第3項の規定は、パーソナルコンピュータが使用済となったことに伴って使用済となった外部記憶装置等の付属装置を併せて回収することが望ましいことを示したものである。本規定は、使用済パーソナルコンピュータと併せて使用済付属装置も回収することが望ましいことを示したものであり、付属装置のみの回収まで求めるものではない。また、他の事業者が製造等をした付属装置を併せて回収することを妨げるものではない。

4.本条第4項は、事業者に、ユーザーからの引き取り、再資源化施設への搬入などの自主回収の状況を常に把握するよう求めるものである。

5.本条第5項の規定は、事業者に、回収したパーソナルコンピュータの量、情報提供、普及啓発の状況、回収量向上のためにとった措置などの状況を公表することを求めるものである。公表方法は特に限定していないことから、例えばHPへの掲載などが考えられる。
 また、回収にかかる業務を複数の事業者が共同で行った場合は、それぞれの事業者ごとの状況を公表する必要はなく、共同で行った回収の状況について、各社が単独に又は共同して公表すれば足りる。

6.本条第6項の規定は、パーソナルコンピュータの回収量を向上させるため、事業者に、指定回収場所、使用済パーソナルコンピュータの自主回収に係る手続等の情報の公表など、回収量の向上に必要な措置を講ずることを求めるものである。
 
<省令>

(再資源化の目標に関する事項)
第2条 事業者は、前条第1項の規定による自主回収に係る使用済パーソナルコンピュータ(パーソナルコンピュータとして利用することができる状態にされるものを除く。以下この条において同じ。)のうち次の各号に掲げる行為がされるものの総重量の当該使用済パーソナルコンピュータの総重量に対する割合についての目標を、次の表の上欄の使用済パーソナルコンピュータの区分ごとにそれぞれ同表の下欄に掲げる割合を下回らない範囲内において定めるものとする。
一 再生部品として利用することができる状態にすること。
二 再生資源として利用することができる状態にすること(化学的変化を生ぜしめる方法によるものを除く。)

パーソナルコンピュータ(その表示装置及びノートブック形のものを除く。) 百分の五十
パーソナルコンピュータ(ノートブック形のものに限る。) 百分の二十
パーソナルコンピュータの表示装置(ブラウン管式のものに限る。) 百分の五十五
パーソナルコンピュータの表示装置(液晶式のものに限る。) 百分の五十五

2 事業者は、前項の目標を平成15年度までに達成するものとする。

(再資源化の実施方法に関する事項)
第3条 事業者は、第1条第1項の規定による自主回収をしたときは、自ら又は他の者に委託して、技術的及び経済的に可能な範囲で、次に定めるところにより、当該自主回収をした使用済パーソナルコンピュータの再資源化をするものとする。ただし、次に定めるところによらないことが環境への負荷の低減にとって有効であるときは、この限りでない。
一 使用済パーソナルコンピュータの全部又は一部のうち、再生部品として利用することができる状態にすることができるものについては、再生部品として利用することができる状態にすること。
二 使用済パーソナルコンピュータの全部又は一部のうち、前号に掲げる行為ができないものであって、再生資源として利用することができる状態にすること(化学的変化を生ぜしめる方法によるものを除く。)ができるものについては、化学的変化を生ぜしめる方法によらずに、再生資源として利用することができる状態にすること。
三 使用済パーソナルコンピュータの全部又は一部のうち、前二号に掲げる行為ができないものであって、再生資源として利用することができる状態にすること(化学的変化を生ぜしめる方法によるものに限る。)ができるものについては、化学的変化を生ぜしめる方法によって、再生資源として利用することができる状態にすること。
2 前項の規定は、当該使用済パーソナルコンピュータをパーソナルコンピュータとして利用できる状態にすることを妨げない。
3 事業者は、他の者に委託して使用済パーソナルコンピュータの再資源化をする場合にあっては、当該再資源化を受託した者に対し、当該再資源化の実施の状況に関する報告を求めるものとする。
4 事業者は、単独に又は共同して実施した使用済パーソナルコンピュータの再資源化の実施の状況を公表するものとする。
 
(趣旨)
 第2条及び第3条は、再資源化の目標に関する事項及び再資源化の実施方法に関する事項を規定したものである。

(解説)

1.第2条の規定は、事業者に、自らが回収したパーソナルコンピュータについて、平成15年度までに、その種類ごとに一定率以上の再資源化(部品リユース及びマテリアルリサイクル)を求めるものである。「化学的変化を生ぜしめる方法によるものを除く」とは、いわゆるケミカルリサイクルは目標に含めないということである。
 なお、第2条の表におけるリサイクル率は、それぞれのパーソナルコンピュータについて、金属、ガラス等の含有量と歩留まり率を勘案して、現時点において平成15年度までに技術的、経済的に達成可能な最低限の数値を算出したものであることから、この割合以上の目標を各事業者は設定し、達成する必要がある。

2.第3条第1項の規定は、回収した使用済パーソナルコンピュータについて、再資源化手法の優先順位を示したものである。本項では、原則として1)部品リユース、2)ケミカルリサイクルを除くマテリアルリサイクル、3)ケミカルリサイクルの順とすること、これによらないことが環境への負荷の低減にとって有効であるときは、環境への負荷の低減に有効な手法を選択すべきことを規定している。

3.第3条第2項は、回収した使用済パーソナルコンピュータについて、製品リユースを行う場合には、第1項の規定は適用されないことを確認的に規定したものである。

4.第3条第3項は、事業者が他の者に委託してリサイクルにかかる業務を行う場合であっても、義務者はあくまでパーソナルコンピュータ製造等事業者であることから、リサイクル状況を把握するために受託者に対して必要な報告を聴取するよう、確認的に求めるものである。

5.第3条第4項は、事業者に、リサイクルしたパーソナルコンピュータの量、リサイクルによって得られた資源の量、リサイクル率、リサイクル率向上のためにとった措置などのリサイクル状況を公表することを求めるものである。公表方法は特に限定していないことから、例えばHPへの掲載などが考えられる。

 また、リサイクルにかかる業務を複数の事業者が共同で行った場合は、それぞれの事業者ごとの状況を公表する必要はなく、共同で行ったリサイクルの状況について、各事業者が単独に又は共同して公表すれば足りる。
 
<省令>

(市町村との連携に関する事項)
第4条 事業者は、当該事業者が製造等をした使用済パーソナルコンピュータについて市町村から引取りを求められたときは、当該使用済パーソナルコンピュータを引き取るものとする。
2 事業者は、前項による引取りをするために必要な条件をあらかじめ公表するものとする。

(その他自主回収及び再資源化の実施に関し必要な事項)
第5条 事業者は、使用済パーソナルコンピュータの全部又は一部のうち、第三条各号に掲げる行為ができないものであって、熱回収(使用済パーソナルコンピュータの全部又は一部のうち、再生資源又は再生部品として利用することができる状態にされたもの以外のものであって、燃焼の用に供することができるもの又はその可能性のあるものを熱を得ることに利用することをいう。以下同じ。)をすることができるものについては、熱回収をするよう努めるものとする。
2 事業者は、前各条及び前項の規定により使用済パーソナルコンピュータの自主回収及び再資源化をする際には、関係法令の規定を遵守するとともに、原材料の毒性その他の特性に配慮することにより、自主回収及び再資源化に係る安全性を確保するものとする。

附 則
この省令は、平成十三年四月一日から施行する。

附 則
 (施行期日)
1 この省令は平成十五年十月一日から施行する。
 (経過措置)
2 平成十五年九月三十日までに小売販売(消費者に対する販売をいう。)されたパーソナルコンピュータについては、この省令による改正後のパーソナルコンピュータの製造等の事業を行う者の使用済パーソナルコンピュータの自主回収及び再資源化に関する判断の基準となるべき事項を定める省令第一条第二項の規定は、適用しない。
 
(趣旨)
 第4条は市町村との連携に関する事項を第5条はその他自主回収及び再資源化の実施に関し必要な事項を規定したものである。

(解説)

1.第4条の規定は、事業者に、市町村からパーソナルコンピュータの引き取りを求められた場合は、これを引き取ることを求めるものである。
 事業者は、市町村からの引き取りに必要な条件を事前に公表する必要があり(手段は限定しない。)、公表した条件に沿って、パーソナルコンピュータを回収する必要がある。

2.第5条第1項は、使用済パーソナルコンピュータの再資源化を行うに当たっては、再資源化が出来ない残さ等のうち、熱回収が可能なものは、これを行うことが望ましいことを示したものである。

3.第5条第2項は、事業者に、パーソナルコンピュータの回収・リサイクルを行うに当たっては、関係法令を遵守する必要があることを確認的に規定したものである。また、例えばリサイクルを行う際には、有害な物質を生成する恐れがないよう分別を徹底するなど、安全性を確保する必要があることを確認的に規定している。
 
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最終更新日:2004.03.31
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