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- 第3部 第1章 世界に広げる「経済連携の網」と多角的自由貿易体制等の構築
第1章 世界に広げる「経済連携の網」と多角的自由貿易体制等の構築
我が国の貿易収支が3年連続で赤字を計上し、経常収支の黒字幅が縮小する中、我が国産業の競争力強化に向けて、国内外のビジネス環境整備がますます重要となっている。政府としては、産業競争力強化のため、民間設備投資やベンチャー投資の活性化等の産業の新陳代謝の促進、中小企業・小規模事業者の事業の持続的発展、イノベーションの推進等の施策を重点的に実施しているところであるが、我が国企業の国際競争力を強化するためには、グローバルなビジネス環境の変化に対応するため、高度成長期時代のビジネスモデルから脱却したビジネスモデルの再構築も必要と考えられる。
具体的には、規模の拡大・多様性の強化と事業スピードを両立する新たな「価値創造のパターン」に対応したビジネスモデルの再構築が必要である。また、我が国産業や地域経済を支える中堅・中小企業においても、限定的な専門分野に経営資源を集中することで世界市場で高いシェアを持ち、高い収益力を確保する「グローバルニッチトップ企業」など、グローバルな環境変化に対応しようとする企業を後押ししていくことが重要である。
こうしたグローバルニッチトップ企業の輸出促進及び海外でビジネスを展開する国民・企業が世界経済の成長の果実を享受するチャンスを拡大するため、国際展開戦略を引き続き推進していくことが重要である。第Ⅲ部では、国際展開戦略の3つの柱である経済連携等の推進、新興国戦略、対内直接投資の促進について紹介していく。